小学館の日本の古典をよむシリーズの古事記の巻を読んでみた。
日本書記同様、なかなか原文を読む気にはなれず、読み下し文に頼ってしまう。
本書は、うまく端折ってくれていて、素人には、ひじょうに読みやすくできている。
日本書紀より、芸術的に優れていることも、浮彫になる。
単に日本最古の書であるだけではなく、歌も沢山載せられている。これらの歌は、日本語であり、その日本語は、中国から漢字が導入される前に確立していて、それが今まで伝えられてきたことがわかる。日本書記は、すべて漢文で書かれているため、以前の日本語がどうであったかの資料にはならない。
これは、かなりすごいことだ。
逆に言えば、文字もない時代の歴史を、数百年もさかのぼれるはずもなく、どこでどうなっているのか、360度の議論が可能な事態を招いている。
どんな立派な哲学者(これはもう哲学の世界だ)が出ても、万人を納得させる説を唱えられる人はいないだろう。
逆にこれだけの歴史を語ってくれる書を、日本人が1300年も前に著せたことを誇りに感じながら、次の100年、1000年を作っていくことが、我々の責務なのだろう。
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