今日は、オリエントの美術展を見に、久しぶりに、出光美術館に行った。
出光美術館と言えば、国宝を含む日本関係の所蔵が中心と思っていたが、何と、数千点のオリエント関連の所蔵があるのだそうだ。
たまたま学芸員の方の説明時間に遭遇し、貴重な話を聞きながら、見ることができた。お客も少なく、20人ぐらいで、本展覧会を企画した人の話を聞きながら、見れるのだから、最高のシチュエーションである。
展示物は、1979年に三鷹に中近東文化センターで常時公開されているそうだが、出光では、34年振りの公開になるそうだ。
展示は、3つに分かれている。文明の誕生(エジプト&メソポタミア)、ローマ時代のガラス、イスラムの美術の3つ。
興味深い作品が並んでおり、学芸員の方の説明で、味わいも2倍。たとえば、アッシリア(今のイラク)で発掘された象牙製品が展示されている。イギリスのマックス・マロワンさんが発掘したものだが、何とのその奥さんは、アガサクリスティで、いっしょに発掘していたのだそうだ。
アガサクリスティは、発掘品をクリーニングして、自分の化粧用クリームで、艶出しをしたいたという。
ガラスの美では、正倉院御物にもあるカットガラスが展示される。表面は、劣化しているが、デザインは、日本で見られるものとまったくいっしょである。
ガラスは、元々透明でなかった話や、最初は、型に塗りつけるように作っていたのが、吹きガラスの工法が発明され、効率的にガラス製品が作れるようになった話や、銀化の話や、興味深い話が続く。
ラスター彩陶器は、輝くような色を放つ陶器だが、イランでは、既に製法は失われ、もっとも精巧なラスター彩は、日本の名工が再現しているのだという。
等々、すばらしい逸品が並んでいるので、オリエントの文化に興味のある人にお勧めしたい。