かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

光陰礼讃

2022年08月08日 | Culture・Arts
今日は.猛暑。
在宅勤務で、1日引きこもり。



もう閉幕してしまったが、先日、泉屋博古館(せんおくはくこかん)に行って来た。
変な名前だが、住友家の麻布の別荘地跡に建てられた。
泉は、住友財閥のトレードマークだ。
住友家が収集した品々を展示している。
京都に本丸があるらしいが、訪れたことはない。
ここは、2回目だが、六本木一丁目駅から、屋根付きエレベーターで近くまで行ける極めて贅沢な場所にある。



エレベーターを降りると公園のようなスペースにでるが、そこを超えた奥に美術館はある。
 


今回の展示は、光陰礼讃と名付けられており、2022年春にリニューアルされてから2番目の企画展。
コーナーはいくつかに分かれており、最初のコーナーが、住友家の洋画収集のきっかけとなったモネの絵の2枚を軸に、印象派、古典派の絵が展示されているメインのコーナーになる。
量は少ないが、それぞれの画家の特徴をよく表した絵が並んでいる。
最後のコーナーで知ったのだが、これらの絵は、須磨の住友家の別邸に飾られていたのだが、ほとんどは、戦災で焼失してしまい、ここに展示されている絵が残ったのだ。
近くに軍事工場があったのか知らないが、全く無差別に攻撃をするのが当時の常識だった。
その後、戦争にも少しルールらしきものができたはずなのだが、さっぱり守られていないのは、今回のロシアのふるまいを見ても、明らかだ。

当時のフランス人の画家のみならず、その影響を受けた日本人画家の絵も並んでおり、そのチャレンジ精神に拍手。
明治時代、フランスに渡り、必死に洋画を勉強した。
中には、名前と絵しかわからない画家の絵もある。
一方のコーナーには、東京美術学校と官展の画家の絵が飾られており、絵の質としては、こちらの方が高いように感じる。
特に藤島武二の絵がよかったのだが、何故か絵ハガキがなくて、残念。
別のコーナーは、岸田劉生と中川一政の絵が飾られているのだが、やはり、岸田劉生の独特の麗子像が目出つ。
二人の麗子を1枚に描いている不思議な絵もある。
初めて見た。
愛娘を溺愛していたことがよくわかる。

最後のコーナーが、さきほどちょっと触れた住友建築と洋画というコーナー。
住友家の須磨の別邸のデザインノート、スケッチ、写真群が展示されている。
別邸の精緻な模型も展示されており、その規模の大きさに驚かされる。
建物自体は、今も各所に残る洋館と似ているかもしれないが、庭や、敷地内の他の建物も加えると、相当に規模になる。
その写真に、邸宅に飾られていた絵の写真が残されており、その中で、焼け残った絵が展示されている。
巨大な絵で、とてもふつうの家に飾れるサイズではない。

ということで、リニューアルオープン記念にふさわしい、総合的なすばらしい展覧会だった。
コメント
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