CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

ゴールデンスランバー

2008-09-29 22:48:20 | 読書感想文とか読み物レビウー
ゴールデンスランバー  作:伊坂幸太郎

いかん、こいつ天才だ。
そんな風に思いました、脱帽です
凄い、凄すぎる、死に神の精度とか好きだなぁと思ってましたが
こいつに至っては、そういうレベルじゃない
凄い、本当に凄い
名作だと個人的に思った、エンターテイメント小説であります

個人的に凄く思っていたところを
ずばりと書いてくれた
そういうステキなお話
架空の日本で起こるのですが、
いわゆる、ケネディ暗殺の謎を地でいくような
オズワルドは何一つ悪くなかったのに、悪者とされてしまった
あの生け贄事件による、何か、大きいけども
大きすぎて見えることのない悪意による仕業
それを明確に描いた作品であります

主人公は、無罪なのに
国とか、おそらくは、それよりも大きな組織によって
意図的に悪者に仕立てられていく
その恐怖と、やりざまと、悪しザマを描きつつ
それを、細々とした力で切り抜けていくのを
痛快に描きつつ
個人的には、凄く残念だったんだが、
リアルというべきか、ある着地点に落ちる
それまでを、壮絶に描ききっておるのであります

一口こぼせばネタバレになってしまいそうな
そういう不安があるのですが
とかく面白かったのでありました
同時に、とても悲しくもなりました
こうじゃないと思うんだが
こういう世界かもしれないと思うと、悲しい
絶望感が溢れる

まったく、個人主観だし、絡めることすら邪道だと思うのですが
今の報道体制に対して、これほど明確で鋭利なメスはないだろうと
思ったり考えたりしたのでありましたとさ
最近、正直なところ、メディアに躍らされているというか
嘘をアビさせられていると思うことが多いので
凄く合致して、最高に面白かったのでありました

なんか、作品を褒めるよりも、違うことに
力が入ってしまいそうな危うさがありますが
兎にも角にも、この面白さは筆舌に尽くしがたいと
最大級の讃辞を浴びせたい所存でありましたとさ

個人では、どうしても、大きな組織には勝てないのかなぁ
だろうなぁと、悔しくてしかたない内容ですが
僕は大好きで仕方ない、久しぶりにぐいぐいとやられたと
そして同時に、伊坂幸太郎の構成力と言いますか
伏線の回収作業の素晴らしさに舌をまける作品だと思います
これは凄い
モーニングでやってた、モダンタイムスも、今読むと
こういう風になるのかと、ちょっとだけ楽しみであります

そんなわけで、この作品、すげぇおすすめです