CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

へいしゅうせんせぇ

2010-04-13 22:04:56 | 読書感想文とか読み物レビウー
へいしゅうせんせぇ  作:童門冬二

またも細井平洲先生の本であります
ようやっと二冊目か、遠い道のりなのか
よくわかりませんが、最近、凄く好きになったというか
調べてみたいと思っておる偉人を描いた
連載小説の単行本でありました

ちょっと雑誌での連載形態がどうであったのか
ひょっとしたら、読み切りを集めたものではないのか
そう思うような、いわゆる、同じ出来事や
同じ台詞の繰り返しが、そこかしこで見られて
残念ながら、単行本としては、面白いとは言い難い
そんなことを感じたのであります
それでも、こんこんと繰り返されることによって
むしろというか、強いエピソード、あるいは
本当にあったこと(伝えたいことなのか)が、
それなんだとわかるような、安心設計だとも
思ったりできますが、贔屓目ですね

さておき、そんなわけで話としては
そこまですげー面白い、いや、ためになったという
そんな類ではなく、むしろ、児童文学書というと
人聞き悪いかもしれませんが
道徳の教科書めいた、まぁ、儒者だから当たり前ですが
そういうことがこんこんと書かれておりました
内容としては、前回読んだ平洲先生の本と
ほぼ同じでありまして、わかりやすくかみ砕いて
あれこれと指南した様と、鷹山とのことが描かれており
その鷹山とのことが特に書かれていたのが
面白かった部分であります
そんなに師弟として深い仲だったのか、文献をちゃんと
当たってみないといけないと思うのでありました

さて、その、鷹山とのことを中心にしているため
自然、これまた、以前に読んだ、漆の実のなる国だったか、
藤沢周平のそれとも話がかぶっておりまして
先に読んでおいてよかったと思ったのであります
その裏に平洲先生があったという書き方ですが
前回読んだあれには、そこまで登場しなかったことを考えると
どこまでなのかは、まだわからぬところ
でも、鷹山という人が素晴らしかった
そしてその模範となりうる像が、平洲先生であるのは
どうも間違いない様子でありました
今度は鷹山について調べないといけないかもしれない

と、そんなことを思いつつ
徳についてと、あり方について考えさせられたので
ありましたところ
やはり、平易な言葉で分かり易く
そして、広く許していく心である「恕」を覚える
そんなことを感じたのですが
どんどんと、何か、世俗から離れてしまうようにも
思えてならんところであります

本当に、こういう政治家ばかりだったら
治世は素晴らしいこととなるのかもとも思うんだが
どうなんだろうか、甘いなぁ