CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

共食い

2012-06-12 23:59:23 | 読書感想文とか読み物レビウー
共食い  作:田中慎弥

話題になった、芥川賞受賞作品であります
読みました、前に読んだのが、苦役列車だったことを考えると
結局、ちょっと話題になったものに、やっぱり弱いというか、
なんとも、ミーハーな自分であります
そういえば、苦役列車は映画になるらしいし
ちょっと楽しみであります

さておき、今回、そんな気分で読んだのでありましたが、
読み終わって思うところは、「やっぱり芥川賞だなあ」などと、
そんなことなのであります
なんと表現したらいいのかわかりませんが、
苦役列車の人と、作者がぜんぜん違う人のはずなのに
なんだろうか、雰囲気というか、文章の何かしらが
とても似ている、多分これが、芥川賞をとる作品の特徴なんだろう
そんなことを思わされたのです

内容は、いや、これもよくわからんというか
恥ずかしい話、この単行本を読んで、二作掲載されてたんですが、
この作者の人は、魚釣りが好きなんだろうなとか、
そんなことだったりして悲しいところ
だけども、その釣り描写が関係ないように見えて、
その描写がくどいというか、細かいというか、濃いというか、
ともかく描写されるほどに、やるせなさみたいなのが、
蓄積されていくかのような雰囲気、
これが文章をおうごとにましていくというのが
なんとも、こう、重たい、ああ、これが芥川賞の空気
そんな風に思わされるのでありました

内容は、救いようもないといったらいいんだろうかな、
共食いの意味が、ちゃんと汲み取れなかった自分の
頭の弱さを嘆きたいところでありますが、
人間の衝動と葛藤とを描いていたと、
わかったような感想が、本当、ぴたりと当てはまるというか、
そんな人間劇場が見られたと思うのであります
面白いとかとは、また別の話ですけども

そんなわけで、短編だからすぐ読めるのが
芥川賞のいいところだよねなんて思ってましたが、
なんか難しいことを考えることもなく、
なんだか憂鬱な気分になるのが芥川賞なのかもねというのも
新しい知識として加えつつ
この話題作を読み終えたのでありました
二本目の第三紀層の魚のほうが、ちょっと分かりやすかったというか
面白かったように感じるのであります

映画 外事警察 その男に騙されるな

2012-06-12 00:30:59 | ドラマ映画テレビ感想
ジャンルはNHKというんじゃない気がするんだが、
ともかく、NHKで何年か前にやっていた、
ろくでもないほど黒いドラマ「外事警察」の映画を見てきました
そう、今さっきのこと

大変面白かった、これは映画館で見るべきだ

そんな感想を思わず書き込んでしまうわけですが、
なんというか、NHKのドラマから映画という流れにおいては、
以前にハゲタカを見ていたんですが、
正直、ハゲタカを見たときは、面白かったけど、
別に映画である必要なくね?といった、
そういう悲しい感想を抱いてしまったのであります
ひょっとすると今回もそうじゃないか、
あのテレビで見たほうが、落ち着いてみられるというか、
別段、映画館で大音量や、大画面にする必要性が感じられない
そんな映画なんじゃないかと
不安にかられていたんですが、外事警察は違った、
すごく面白かったし、大画面で見ないと駄目だというほど
迫力のある画面が作られておりました

まぁ、何が凄かったというか、その点におきましては、
もう、すっかり俳優さんとしてもキャリアを積み上げつつある
田中泯さんの初登場シーン、
どういう役柄かは説明できませんが、ともかく、
この初登場シーンで、暗闇にうごめきながらこちらに、
あの恐ろしい眼光を向けているという
そんなシーンがあるんだけども、その迫力たるや、
下手なホラー見ているよりよほど怖い、
あれだ、まさに田中泯、そのものがぶつけられていた
凄まじい恐怖というか、大きな動揺を覚えさせられたと
その一事だけでも、十分に映画としてすばらしいと
思わされたのであります

と、まぁ、うがったような書き方になってしまいましたが、
話の方もかなり面白くできておりまして、
大変よかった、2時間20分て、長いなぁなんて思ってましたが、
ほとんどあっという間というか、やっぱり時間足りないせいか、
ちょっと強引というか、外事警察というドラマそのもののキモである
協力者獲得がずさんだったりしたのは残念ですけども、
それを強引にしてもなお、破綻しないようなつくり、
ところどころ、これはどうかな、無いなぁなんて
思ったりもしつつ、それにがっかりする暇を与えず
次々展開していくというのは凄くよかったと思うのであります

また、この内容をNHKがらみでやっちゃうか、
むしろ、NHKだからやれちゃうのかと思わせるほど、
ちょっとストーリーに絡んでくる国が面白くて、
そういう押しもしてくるかと唸らされたのでありました
いや、凄く面白かったんだ、ともかくなんというか
面白かった、すげぇ

そして、ヒロインじゃないんだが、主役の一人として出てくる
真木よう子もよくて、こういう少し暗い感じの役やらすと
抜群にうまいよなぁと感心しきり、
ドスの利いた声がまた、迫力というか
映画の雰囲気にもあってて素敵でありましたところ
もっとも、そのせいというか、ちょっと残念だったのが、
ドラマのヒロインというか、もう一人の主役だった
陽菜ちゃんこと、オノマチさんが、ちょっと目だってなかった
脚本上仕方ないとはいえ、なんというか残念でありました
その点をふまえると、ドラマ見ている人向けの映画だよなぁと
そうもとれるのであります

外事警察って何?的な説明は一切はぶかれて、
いきなりのドラマ展開という感じで、ステキでありました
ドラマ見てた人には絶賛であってほしいと思ったりしつつ
面白い映画見たとメモっておくのであります