CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】まりしてん千代姫

2013-07-15 20:06:00 | 読書感想文とか読み物レビウー
まりしてん千代姫  作:山本兼一

歴史小説であります
かの有名な千代のお話ということで、
前回、うなりあがるほど感激した立花宗茂の話で
ちょっとだけ触れたこの傑女の話
しかも作者が、直木賞作家とくれば
なかなか楽しそうだと期待を抱いて読んだのでありました
なかなかに面白かった
ただ、あまりに毒がないというか、ちょっと
物語が優しすぎるという印象でありました

文体は、侍女の語りという形で、
この形式はこの作者の一つのスタイルなんだろうかと、
利休にたずねよを思い出したのでありますが、
その内容から、千代姫という人がどうであったか、
なにより、宗茂との仲はどうであったかといった
そんな部分がよくよく描かれていきます

正直、なんか凄い強かったとか
そんなぼんやりしたイメージしかなかったので
どんな話になるかと思うと、
城をもらい、家督を継いでいたという部分と
女で固めた一軍を率いていたというのがあり、
まぁ、なんだろうか、
ものすごく引き込まれるというよりは、
そういう姫様もいたんだろうなという感じであります
ちょっと、盛り上がりに欠けるといってはアレなんですが、
もう一つ、起伏が足らない感じで残念
されども、本当に物語で侍女が語るとおりに
二人の仲が悪いということはまるでなく、
むしろ愛し合いすぎだろうというぐらいになっていて、
まぁ、そこが描きたかった一番なんだろうなと
腑に落ちてしまうと、ちょっと期待と違った
小説であったという具合でありました

とはいえ、その頃の九州、
特に大友という家における、高橋と立花(正式にはべっきでありますが)
その関係と重要さがありありとわかって
なかなかよい本でありました

と、まぁ、こんな偉そうなことを書いているんですが
肝心なというか、以前に読んだ
立花宗茂の本の内容をまったく覚えていなく
はたして、それとの整合性がどうであったかとか
同モチーフ小説を読むにあたって最高の楽しみを
得ていないような状況でありまして
にんともかんとも

感想と離れてしまいましたが
心優しくというか、姫様を描いていることと
夫婦愛というのを描いたという点で
よくよく書かれた小説でありました