CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】いつまでもショパン

2014-05-05 21:47:40 | 読書感想文とか読み物レビウー
いつまでもショパン  作:中山 七里

このミス大賞作品をまた読みました
ショパンコンクールを舞台にした、
国際政治的な内容を含んだサスペンス小説であります
なかなか面白く読みました、
ミステリー素人の私としては、
鮮やかにというか、ああ、そうかと騙されたので
満足であります
オチたあとに、そりゃそうだとわかるようなのに
それまで気づかなかったというのが
小説として、とても楽しめたと思うのでありますね

ショパンコンクールで、不穏なテロとの戦いが始まるといった
そんな具合でありまして、
謎のテロリスト「ピアニスト」がいったい誰なのか、
コンクール参加者のだれなのかしらと
思ったり考えたりしながら、
それでいて、そのピアノ奏者として成長や出会いを培っていくというか
すりあわせていく成長物語にもなっていて
非常に面白い小説でありました
なんだかんだ、読んでいて、成長していく話が好きなんだ
自分の性格が改めてよくわかった次第でもあります

内容の大半が、ピアノの曲、そのすごさというのを
文章でどう伝えるかというところに振ってあるというか、
大半の描写が、音楽の描写だったというのが
なかなか特殊だなと思うものの、
いくつもの曲を、聞いたことないけども
すごいそれなんだな、何よりも、
前の曲とは違うんだなと思わせるような、
さまざまな言葉選びに感服したというか、
実際、それを聞いていないけども、
違う曲なんだろうし、そうやって弾いていると
聞こえてこないけど、何かしらすごいものなんだろうなと
思ったり思わなかったりさせられたのであります
実際、ちゃんと聞いたほうがいい気がせんでもない

そんなわけで、ピアノやっている人は
より一層楽しかったりするのか、
それは、どっかで読んだ聞きかじりを書いてあるだけだとか
そういうことなのかもわかりませんが、
ただただ、音楽に関する描写はすさまじいばかりでありました

それでいて、その苦悩というか、
ピアノに向き合う姿勢と、悩みが描かれているところが
非常に面白くて、読んでいても、なるほどなと
なんとなし共感できるようでもありと
十分に楽しんだあげく、結末を迎えるというところで
なかなかどうして、
ただ、主人公は、ただのピアニストのままのため、
別に事件と関係ないというか、
事件の犯人がだれかとかを探したりしないわけでありまして、
そのあたりが、ミステリ作品なんだけども
もう一つというか、アプローチが違う、
そんな風に思えて面白かったと
感じた次第なのでありましたとさ