CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】宇喜多の捨て嫁

2015-02-03 20:13:42 | 読書感想文とか読み物レビウー
宇喜多の捨て嫁  作:木下昌輝

もう少し早く読んでおくべきだったかも
そう思いつつ、あの宇喜多直家について書いた
なかなかステキな小説でありました
もっとどす黒くて、凄い悪い話かとか、
捨て嫁というのが、秀吉に当てた後妻の話かと
想像したものでありましたが、
実際は、娘のお話でありました

極悪非道というほどでもないけども、
宇喜多直家といえば、下克上の代表例でもあり、
策略家というか、謀略家というイメージであります
それを遺憾なく書いている話もあれば、
その裏では、そうせざるを得なかった
浦上家とのやりとりだとか、
様々な事情がありましたというお話でもあり
なかなか楽しく読ませてもらったのであります

ほどよく時代劇感というか、小説物語性が強くて、
危険を察知すると、自分でも知らずうちに
刀を抜いて相手を先に殺すという、
夢想の居合いなる業なんて披露されたら、
なんというか、とても楽しくて仕方ないじゃないか
そんな按配で、歴史モノでありながら、
時代物という読み方もできて楽しいのでありました

内容は結構かわいそうな話もありあり、
その業を背負い、それがつむがれていくかのような内容が
人間の何かを描いたようにも読めてステキでありまして、
中国地方から播磨にかけての動乱が
ありあり読めて、とっても満足だったわけであります
いい小説を読んだ