CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】数学する身体

2016-05-05 19:54:34 | 読書感想文とか読み物レビウー
数学する身体  著:森田 真生

久しぶりに唸った本であります
面白かった、いい塩梅で頭を使った
そんな感想を抱いて、大満足であります

内容の説明からしてまず難しい
タイトルの通りなんだけども、
数学について、その起源から歴史を紐解きつつ、
思想、概念、思考方法の変遷から、
数学をツールとするのではなく、自身に取り組む、
道具じゃなく、身体の一部と考えるように使う、
いや、数学がなじむことで、より深く、
数学への探求が進むと
まぁ、書いていても、やっぱり意味がわからない
何を言っているんだと、自分でも
驚くほどアレな感じなんだけど
本当に、そう書いてあったのであります
もどかしい、そして、納得したというのに

というわけで、数学に関する歴史書のようでもあり、
変遷を記した数学書のようでもあり、
思想をめぐる哲学書でもある
実に多岐にわたるでもないが
これらの学問というか、アプローチ方法は
みんな繋がっているんだと
改めて思い知るのでありました

しかし、数学の成り立ちというのは面白くて
ギリシャ数学と哲学の境があいまいというでもないけど
立ち上がったときには、論法をつかさどるものだったという
論証、証明といったものを導出する道具であった
このあたりからして、すでに面白いというか
最近、理系、文系という考え方の差というのは
案外なんもないんじゃないか
たとえば論理、なんて考えていた時分に
最高の一冊だったのであります

やがて数字が編み出されて、
それらが抽象化される、式になって、
機械化というものがなされて、
数学が、数学自体を探るツールになっていくと
このあたりからは、すでに言葉に酔うだけで
私には理解できなかったんだけども
なんか、その通りだと思わされる論理というのか
なるほどなぁなんて感動したのでありました

他人を慮るというか、理解するというのは
同化意識のようなものがというあたりも
この共鳴という考え方が素晴らしくてもう
感動と感激をいっぺんに味わったと
そういうお話でありましたとさ