CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】道教の歴史

2017-10-28 17:00:19 | 読書感想文とか読み物レビウー
道教の歴史  著:横手 裕

だんだん本格的な道教の本を読むようになってきた昨今、
この本では、道教の歴史を中国史とともに勉強するようなテキストで、
正直内容の3分の1くらいが、文献と道士の名前なので、
読んだというか、なんというかという感じなんだけども
中国史における道教の立ち位置というのが
非常に興味深くて、なかなか勉強になったのであります
とはいえ、流し読んだという読み方なので
ほとんど覚えていない
残念読書なんだけども、よかったのだ

始まりは秦、漢の頃にといったところで、
文献的には、前漢あたりが妥当なようで、
後漢のあたり、三国志で有名な黄布党や、漢中の張魯なんかが、
宗教の団体というか、教団の体裁を整えだしたんだそうで、
そこから、様々な王朝とついたり離れたりしながら、
道教の興隆があったというお話でありました

時の権力者、特に中国史では、それぞれの皇帝が贔屓にしたかどうか
それが大変重要だったようで、それによって、
道士が凄い品官で雇われたり、人臣の位を極めたり
そうかと思うと、迫害された自殺に追い込まれたり、
くっついたり、離れたりが極端で
非常に面白いのでありました
政治と宗教は、古代から離れられない何かなのかもしれないと
思わされるところでありました

また、唐以降になってくると、仏教がやってきて、
儒教、道教、仏教が三教として崇められ、
影響しあいという感じになって、
道教の教義やしきたりに、密教的なものが現れたり、
それぞれの代表者が、それぞれの宗教を弾圧して
焚書ならぬ、焚経を行ったりしながら、
こなれていったというお話なのであります

中国における宗教というのは、
根強くあったと思うのだが、時々に知識人がそれらを否定する、
特に道教における神仙の思想については、
そういう世迷いごとで人心を乱すとして強く否定して、
怪しい呪術やら、迷信というのを忌避するということが
たくさんあったようであります
この感じは今も中国に根強くあるように思えたりするんだが
興味深い内容であります

遼、金、元、そして明、清なんていうそれぞれと
様々に付き合いつつ、現代に入り、文化大革命という弾圧を経てと
このあたりのドラマチックな流れが非常に面白かった
さらには、その総長を巡って争いでもないが、
誰が正統かで諍いがあったり、弾圧から逃れるため台湾へ渡った人たちもまた、
それぞれで争いが起こったりとかしているようで
現代の道教についても大変興味がわいたのでありました
あんなにいっぱい寺院というか、廟があったわけだが、
それぞれが、どういう関わりで、どういうものなのか
物凄く不思議に思えたのでありました

まだまだわからないことばかりながら
歴史とともにあった宗教というのが
ひとつ、新しい世界を見せてくれたようで
楽しく読み終えたのであります、面白い、勉強をして面白いと
初めて思ったという感じなのかもしれない