路 作:吉田 修一
台湾新幹線開通に向けてのプロジェクト、
それに関わった人や、その周辺の生活といったものを描いた
企業、経済モノではない、人間味あふれる小説でありました
舞台装置として、台湾新幹線があるだけで、
日台の交流といえばいいか、もっというと、
日台という枠組みもあまり関係のない、
つまるところの、男女、あるいは、人生という話が
緩やかな起伏の物語で描かれていて
しんみりでもないが、静かな感動を覚えた作品でありました
読んでよかった
いくつかの、人間関係を少しずつ描きながら、
それぞれが、台湾新幹線に引かれるように重なってきて、
全員が、それぞれの次の道へと進みだすと
そういった群像劇のような印象の小説でありました
日本からの導入にも、相当のすったもんだがあったんだなと
それをうかがわせる内容もあったりして、
当時の関係者の喜びもさることながら、
日欧合作という荒業となった、きわめて難しい開発状況も
少しずつ、じっくりと改善しているといった
現地スタッフの大変さが滲み出てくるようで興味深いところ
そこにかかわりつつ、何かしら、台湾への思いいれがある
あるいは、台湾に馴染んでくる人なんかが出てきたり
逆に、台湾新幹線によって、高雄の田舎が発展しだしたり、
それによって職を得たりといったことも
当然、あったのだろうし、このような風景だったのかもと
思わせるような物語で、なんとも感動的に思えてならないのでありました
開通の頃には、まだまだ、湾生の人も数多くいたと思われて、
その一人が、ずっと帰ることのできなかった台灣へ
この機会に戻るといったドキュメンタリめいたものもあったりして、
これがまた、凄い感動的で、わけもなく泣かされてしまったのであります
想像力がたくましすぎて、別段泣かせる場面じゃないのに、
大いに泣いてしまうのが、自分の弱いところである
でも、相当の年月が過ぎて、今やっとという
その感激は、ひとしおであろうと、やっぱり思ってしまうのだなぁ
この人も、人生の終末に思うところが昇華されたかのようで
素晴らしいなぁと、羨ましいとは違うけども
本当によかったなんて、思わされるところに落ち着いたり
で、読後感よろしく、感動していたのでありました
このほかにも、ゆったりと関係が進んだり戻ったりする男女があったり、
綺麗な別れが描かれていたりと、ともかく、大きな事件ではないけども
ひとつひとつが、人生の岐路だと思われるシーンに思えて
自分もこういうのの積み重ねに生きてるだろうかと
考えさせられたりしたのでありました
ともかく、よかった、なんだか、ただただ感動したのである
台湾というだけで、贔屓にしすぎている感は否めないけど、いいのだ
台湾新幹線開通に向けてのプロジェクト、
それに関わった人や、その周辺の生活といったものを描いた
企業、経済モノではない、人間味あふれる小説でありました
舞台装置として、台湾新幹線があるだけで、
日台の交流といえばいいか、もっというと、
日台という枠組みもあまり関係のない、
つまるところの、男女、あるいは、人生という話が
緩やかな起伏の物語で描かれていて
しんみりでもないが、静かな感動を覚えた作品でありました
読んでよかった
いくつかの、人間関係を少しずつ描きながら、
それぞれが、台湾新幹線に引かれるように重なってきて、
全員が、それぞれの次の道へと進みだすと
そういった群像劇のような印象の小説でありました
日本からの導入にも、相当のすったもんだがあったんだなと
それをうかがわせる内容もあったりして、
当時の関係者の喜びもさることながら、
日欧合作という荒業となった、きわめて難しい開発状況も
少しずつ、じっくりと改善しているといった
現地スタッフの大変さが滲み出てくるようで興味深いところ
そこにかかわりつつ、何かしら、台湾への思いいれがある
あるいは、台湾に馴染んでくる人なんかが出てきたり
逆に、台湾新幹線によって、高雄の田舎が発展しだしたり、
それによって職を得たりといったことも
当然、あったのだろうし、このような風景だったのかもと
思わせるような物語で、なんとも感動的に思えてならないのでありました
開通の頃には、まだまだ、湾生の人も数多くいたと思われて、
その一人が、ずっと帰ることのできなかった台灣へ
この機会に戻るといったドキュメンタリめいたものもあったりして、
これがまた、凄い感動的で、わけもなく泣かされてしまったのであります
想像力がたくましすぎて、別段泣かせる場面じゃないのに、
大いに泣いてしまうのが、自分の弱いところである
でも、相当の年月が過ぎて、今やっとという
その感激は、ひとしおであろうと、やっぱり思ってしまうのだなぁ
この人も、人生の終末に思うところが昇華されたかのようで
素晴らしいなぁと、羨ましいとは違うけども
本当によかったなんて、思わされるところに落ち着いたり
で、読後感よろしく、感動していたのでありました
このほかにも、ゆったりと関係が進んだり戻ったりする男女があったり、
綺麗な別れが描かれていたりと、ともかく、大きな事件ではないけども
ひとつひとつが、人生の岐路だと思われるシーンに思えて
自分もこういうのの積み重ねに生きてるだろうかと
考えさせられたりしたのでありました
ともかく、よかった、なんだか、ただただ感動したのである
台湾というだけで、贔屓にしすぎている感は否めないけど、いいのだ