CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】赤猫異聞

2019-07-09 21:02:17 | 読書感想文とか読み物レビウー
赤猫異聞  作:浅田 次郎

そうだろな、こうだろうな
そう思いながら読んで、やっぱりそうかと
合点しながら、感動した小説でした
人情話と、落語のように例えたくなる話で、
大変面白く読み終えたのであります
色々、今というか、考え方によってツッコミはあろうけども、
そうじゃなく、徹頭徹尾人情話として見事でありました

江戸末期、話としては明治に入ったすぐ、
本当にあったのか知らないのですが、
江戸の牢獄近くで火事が起きて
囚人たちを解放つという大事があった
そこで行われた人情のそれこれが綴られた物語でありました

それぞれ、何をもって罪とされたかという部分もあるが、
それぞれに、思いと解き放ちのあとどうするかの選択肢があるのに、
最善のところに落ち着いたというお話なんだが、
それがどうしてなったか、神のご加護としかいいようのないそれだが、
そういう奇跡を起こすのは
やはり人間なのだ、人情なんだと
思わされるばかりの物語でありました
感動的だけど、泣かされるそれではない
よい涙を流せる内容であったと思うのであります

何がということもない、
さほど、これと語ることもない、
ただ読んで、感じるだけでいいと
そんなお話であったと思いつつ、
この絶妙な人情話というのがさすが、浅田次郎だなと
感服したというか、非常に満足した
読書であったのでした

もっと語りたい気もするが蛇足になってしまう