CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】むかしむかしあるところに、死体がありました。

2019-07-24 21:06:16 | 読書感想文とか読み物レビウー
むかしむかしあるところに、死体がありました。  作:青柳 碧人

よく知られた昔話をモチーフにした殺人事件もの小説でありました
完全に推理小説の体で面白かった
ふざけた感じの表紙なんだが、読み終わると
これほど見事にこの小説を現した表紙はないだろうと思うほど
見事なんだが、まぁ、なんというかな、
読み終えた自分も、こんな顔してんじゃないかと
そう感じた次第であります
表紙は検索でもして見てほしい

さて、どの昔話も残念なというか
残酷な殺人事件とセットになっていまして、
もう、まともな目で、これらの昔話を楽しめないと
慟哭してしまいそうになるほどなんだけども、
鶴の恩返しの古典的な叙述トリックをふまえた内容が
非常に面白くてよかったのであります
というか、どれも、むかしばなし風にすることで
推理小説のパロディというか、
そういう楽しみを全面に出していて、
なんというかな、ずるい小説だったとも感じるのでありました

推理小説マニア向けの小説というジャンルが
ひょっとしたら流行してんじゃないかと
最近、そういうタイプのを何冊か読んだのを思い出して
その亜種であるなと感じたのだけども、
ばかばかしくも面白いトリックというか、
内容に、楽しく過ごせたのでありました
特にこれというすごい話は一つもないんだが
読んで、だれかと、あれ読んだ?的な話をしたい
そういった小説だったと思うのでありました

西洋童話を題材で同じパターンでやれそうだけども、
その二番煎じはさほど読みたいと思わないというか
この出オチ感が見事だと思うのでありました