CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】わたしの容れもの

2024-06-05 21:05:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
わたしの容れもの  著:角田光代

いいタイトルだなーと感心しながら読んだ
どこかで連載していたエッセーだと思われる
40を過ぎて、体のあちこちに不具合がという状況を
嘆くではなく、はかなむでもなく、
ただそういうものを受け入れて、また、かつてはそう思わなかったことに
気づいたら至っている、なっているという不思議について
つらつら書いていて、なんとなし、共感してしまう
そういう楽しい読み物でありました

作家生活として、9時5時という働き方を実践していたそうで
本書の途中で、それをやめよう、そういう時期がきたのかもと書いていたので
今は違うのか、はたまた、続いているのか
そこはわからないのだけども、スケジュールを組むというか
時間を決めて仕事をするというのは大切なことなんだなと
説教じみたことではなく、しずしず染みてくるようでとてもよかった
その働き方によって、忙しすぎるときをちゃんと過ごせたという
気持ちの良い感想がまた、なんというか、とてもよかったなと思わされるのであった
休息はとても大事だし、ずっと仕事とか、ずっと遊んでるとか
やっぱりそういうのはだめなんだろうと思わされるのである
人にもよりそうではあるが

別の本でも読んだけども、ジョギングやら、色々と体を動かすことをしだしたと
そういうのも載っているんだが、若いころは何もしていないのにだるいと思って
動くことをしなかったというのは、体力を惜しんでいたという観察が面白くて
年を取ってから、体力はある内に使わないとと
意識がシフトして、動いているみたいな感じが、
なんというか面白いなと思わされたのである
実際、年食うと体にいいからという理由ではあるけど
運動しだすようになるよな、不思議なものである

あとは、二日酔いのお話やら、やたら健康の話しが多くて
これはタイトルにある容れものである、体のことだから当たり前なんだが
その妙なおかしみというのが、なんとも肩ひじ張ってないけど
にやにや笑える記述で実に素晴らしいなと感心したのであった
男女の差はあれども、年を食うというのはこういうことだよなという
細かなことの筆致が見事だと思うのでありました

小説家のエッセーは本当、読みやすいし面白いから好きだなと
改めて作風と違うものを堪能したとメモっておくのである