CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ユーチューバー

2024-06-29 21:05:54 | 読書感想文とか読み物レビウー
ユーチューバー  作:村上龍

よくわからん小説だった
登場人物それぞれが主人公の短編が四つといった感じなんだが
舞台装置としてのユーチューブ、ないし、ユーチューバーという単語が現れる
まぁ、実際に動画撮ったりというシーンもあるわけだけども、
それが意味するところというのが、
もしかしたら、本人がユーチューブでやってる有象無象を文章に起こしたらこうじゃないかと
実験的にというか、村上龍的ユーチューブにした
そんな感じのように思うのであった

だらだらと、他愛のないというか、とりとめのない
面白いのか、面白くないのかわからない一人語りがずっと撮影されている
だから、会話劇ですらないという感じで、でも
その語り口に奇妙にとらわれて、なんか引き込まれるでもないが
見てしまうといった感じなわけだが、
これはなるほど、確かに文章にするとそういう感じで、
喋っていると、きっと内容はこういうことじゃなく、
喋り方というものでひきつけたりするんだろうなと思わされる
この小説の場合は、書き方でそれをなしていると
まぁそんなかっこいいことを感じて読み終えたのである
だからといって、なんだといったら、何もわからんのだが
まぁ、ふわっとしながらも、面白かった気がすると思って終わる
このユーチューブでよくわからん動画見た後と同じ感覚を
味わったようにも思うのであった

主人公の一人が、結構年のいった小説家というあたり、
自身のことでもあるのか、そうでもないのか、
わからんのだけども、本人はもうちょっとぎらぎらしてそうだから
こんな感じじゃなかろうなと思うが、
語ってる内容には、自身の何かが混じっているようにも思えて
結局、これは、本人がユーチューブでやろうとしたけど、多分当たらないから
小説という形にしたというだけではないか、
いや、私小説を動画にするという試みを思いついたけど
小説家だし、やっぱり小説で書こうと思った結果なのか

あれこれ、しょーもないことを考えつつ読んで
30代だから、40代だか、50代だかわからない女という単語に引き付けられつつ
読み終えたのである、詐欺というのは適切ではないのだが、
なんか、雰囲気があるようなという気分をずっとくすぐられる読書だった
結局なんもないんだけども