CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】濱地健三郎の呪える事件簿

2024-06-10 20:55:52 | 読書感想文とか読み物レビウー
濱地健三郎の呪える事件簿  作:有栖川有栖

シリーズであります
相変わらず怪しげなものが視えるので、それを退治するという
一風変わった探偵が、ちょっと視えるようになってきた助手と
様々な事件を解決するという物語
オカルトであり、心霊現象が主なんだけども、それを使った思考や方法が
極めてロジカルなので、どうにもおかしな推理小説になっているのが
なんとも病みつきになる感じで、
今回もそれを楽しんだのでありました

相変わらず、視えるものがよくわからないものであるのだけど、
その正体をどうと考えるか、その推理が面白くて
辻褄だけ聞いていればそういうことかなどと
納得してしまいそうになる話しばかり、
特に情念というか、悲しみだとかの想いが残るという現象が多くて
それが悪さをしたり、ただの興味本位であったり、あるいは一種の善意であったり
でも、そこに幽霊のようなものとして残って、
ただ同じ動作を繰り返しているだけという、実に不気味なんだけども
そういう霊的なものはありそうだよなという感じが
読んでいて違和感というか、しらけを呼ばない絶妙さをもって描かれていると
個人的には楽しくて仕方ない

呪いをかけるといったことが、とうとう商売になりつつあるような
そういう輩も出てきたりとかして、ある種異能バトルみたいな
漫画のような展開もと考えるのだけど
やっぱり、そういうアクション的なそれではなくて、
あくまでも読んで、推理してという、推理小説の骨が小説にしっかりと刻み込まれているので
なんだかんだ、会話劇のようなそれも、楽しく、登場人物の考えを
あれこれ思うことで楽しめるよい小説だと思うのであった

今回は、どの怪異も存念みたいなものがありそうで
理解の範疇だったけども、過去作の全く理解ができない化け物も
また期待してしまうのだが、いよいよ推理小説フォーマットではなくなるから
難しいんだろうなと思ったりする

しかし、濱地さんは結局いくつなんだ