越境 著:東山彰良
いくつかの連載エッセーをまとめた読み物でした
著者の作品は2つ、3つくらい読んだと思うのだが
青春物、それも、男がただモテたいという欲望のまま、七転八倒している
そういう面白い小説を書く人というイメージで、
なんとなし、年齢近いところかなと思っていたんだが、
どうも10歳も年上だったようで、エッセーの文体が若いそれとは異なるなと
読んでいて吃驚したのでありました
実年齢よりも、作品が大変若いと感じたのである
ま、それはさておき、台湾にルーツを持ちつつも
日本での生活も長く、何人という縛りから抜け出ているようなところがあると
その心持と、実際の境遇とを書いているし、
そうかと思うと、やっぱり、隙あらばモテようとしているという
小説の中の青年たちと同じ心を持ち続けているようで、
いい歳して…と思わなくもないくらいはつらつとしているのが、大変羨ましいとすら思うのであった
台湾ルーツでも、外省人系のようで、そのあたりも複雑なところがあったり、
かといって、大学で大陸にいったときには、いわゆる差別のような
複雑な扱いを感じたというあたりは、凄く興味深いところであった
これは、台湾でも、日本でも、どこにいてもそうなんだろうと思うと
寄る辺ない寂しさのようなものがあるんじゃないか、
そのあたりは、家族という自身のそれがあれば大丈夫というところに帰結しているようだが
そういう生き方もあるんだなと感じ入ったのでありました
国の最小単位が家であることを考えれば、当たり前なのかもしれない
大学で教鞭もとっているようで、
だからなのか、突然例えが高度というか、文学的知識がないとでてこないものが
あれこれとふるまわれるのに驚いたのであるけども、
別にひけらかすとか、そういうのではなく、
本人いわくの、文章を粘着質にひっかきまわしているからこそのそれなのか
書くということについての覚悟を見たようにも思うのである
越境というタイトルの通り、様々な境界を越えていく
超えている存在であるというのが、
意識的かどうかは関係なく、そうであり、
そこで生きているということが、一つの作品のようなものだと思うのであった
いくつかの連載エッセーをまとめた読み物でした
著者の作品は2つ、3つくらい読んだと思うのだが
青春物、それも、男がただモテたいという欲望のまま、七転八倒している
そういう面白い小説を書く人というイメージで、
なんとなし、年齢近いところかなと思っていたんだが、
どうも10歳も年上だったようで、エッセーの文体が若いそれとは異なるなと
読んでいて吃驚したのでありました
実年齢よりも、作品が大変若いと感じたのである
ま、それはさておき、台湾にルーツを持ちつつも
日本での生活も長く、何人という縛りから抜け出ているようなところがあると
その心持と、実際の境遇とを書いているし、
そうかと思うと、やっぱり、隙あらばモテようとしているという
小説の中の青年たちと同じ心を持ち続けているようで、
いい歳して…と思わなくもないくらいはつらつとしているのが、大変羨ましいとすら思うのであった
台湾ルーツでも、外省人系のようで、そのあたりも複雑なところがあったり、
かといって、大学で大陸にいったときには、いわゆる差別のような
複雑な扱いを感じたというあたりは、凄く興味深いところであった
これは、台湾でも、日本でも、どこにいてもそうなんだろうと思うと
寄る辺ない寂しさのようなものがあるんじゃないか、
そのあたりは、家族という自身のそれがあれば大丈夫というところに帰結しているようだが
そういう生き方もあるんだなと感じ入ったのでありました
国の最小単位が家であることを考えれば、当たり前なのかもしれない
大学で教鞭もとっているようで、
だからなのか、突然例えが高度というか、文学的知識がないとでてこないものが
あれこれとふるまわれるのに驚いたのであるけども、
別にひけらかすとか、そういうのではなく、
本人いわくの、文章を粘着質にひっかきまわしているからこそのそれなのか
書くということについての覚悟を見たようにも思うのである
越境というタイトルの通り、様々な境界を越えていく
超えている存在であるというのが、
意識的かどうかは関係なく、そうであり、
そこで生きているということが、一つの作品のようなものだと思うのであった