我が手の太陽 作:石田夏穂
溶接工を主人公にした、人間の尊厳、いや、個人の誇りの話し
読んでて辛くなるような感じで、
常に重くのしかかってくる何かを感じての読書になって
なかなかに重たくてよかった
主人公の不安があらゆる角度から照らされているようで、
理由が百も千もあげられそうな感じすらあるのが、
悩みゆく人の心にとどめを刺すような鋭さをもって書かれていて危ない
溶接工という仕事への誇りが、
やがて増長や傲慢と繋がっているようでもあり、
そのために、衰えを認めるということ、
それを直接には一切語らないが、そう思っていそうなこと、
そしてそれを理由に降りようとしていること
そのすべてが、この傲慢という階段の上にいるからではないかというところ
色々と考えてしまうと、まるで、最初から間違っていたかのように
自身を否定してしまいそうな不安というのが
ずっと、間接的に描かれ続けるという地獄で、大変重いのである
読み手における地獄という意味である
これが、誰にでもありそうな、
気づけばそこに誇りと自信があり、それによって他人を下げてしまう
あるいは苛立ってしまうというのは、何にでも起きることだから
そこを描いているとするには、いかにもわかりやすすぎて
鼻白むところであるけど、
その恐怖がどう表れるか、それに飲まれるかというところが興味深い描写で
ラストシーンは、はたして救いなのかどうなのかと
そもそも、あの検査員はと思ったりすると
とても楽しいというか、こういうおとぎ話がありそうだなと
現代版のそれとして読むと、なお面白いと
感じ入ったのでありました
溶接工を主人公にした、人間の尊厳、いや、個人の誇りの話し
読んでて辛くなるような感じで、
常に重くのしかかってくる何かを感じての読書になって
なかなかに重たくてよかった
主人公の不安があらゆる角度から照らされているようで、
理由が百も千もあげられそうな感じすらあるのが、
悩みゆく人の心にとどめを刺すような鋭さをもって書かれていて危ない
溶接工という仕事への誇りが、
やがて増長や傲慢と繋がっているようでもあり、
そのために、衰えを認めるということ、
それを直接には一切語らないが、そう思っていそうなこと、
そしてそれを理由に降りようとしていること
そのすべてが、この傲慢という階段の上にいるからではないかというところ
色々と考えてしまうと、まるで、最初から間違っていたかのように
自身を否定してしまいそうな不安というのが
ずっと、間接的に描かれ続けるという地獄で、大変重いのである
読み手における地獄という意味である
これが、誰にでもありそうな、
気づけばそこに誇りと自信があり、それによって他人を下げてしまう
あるいは苛立ってしまうというのは、何にでも起きることだから
そこを描いているとするには、いかにもわかりやすすぎて
鼻白むところであるけど、
その恐怖がどう表れるか、それに飲まれるかというところが興味深い描写で
ラストシーンは、はたして救いなのかどうなのかと
そもそも、あの検査員はと思ったりすると
とても楽しいというか、こういうおとぎ話がありそうだなと
現代版のそれとして読むと、なお面白いと
感じ入ったのでありました