CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】再起動

2018-05-01 21:44:28 | 読書感想文とか読み物レビウー
再起動  作:岡本 学

面白い小説でありました
個人的な気分というか、思考と凄く親和性が高いというか
こういう考え方してしまうなぁと自分自身を思いかえりながら、
システムについて特化した小説で
楽しく読み終えたのであります

情報システム的な処理方法と世界観が、
神を創っているように思われる、
神はプログラマーだろうかしらねと思わされるような
この感じを小説で見せてくれたという感じで、
ああ、あるような、ないようなと
特に深く感動や感心するものではないのだけども
設定と、シナリオがとても楽しかったのでありました

二本の小説が収録されていまして、
一本目がタイトル作であります
登場人物と、それらが織り成す人間関係なんかは
正直、まぁそういうものですよねと
その程度の感慨しか覚えなかったのでありますが
宗教の立ち上げや、教義を設定するというあたりが
なんとも面白くて、この教義に少し惹かれるというか
ああ、そういうのは時代にあいそうだなと
思わされたりして衝撃だったのでありました

指示待ちでよいので、競争とかしないで
もくもくと生きていきたいという望みというか
ある種の悩みを抱えた人たちへの最適解として
再起動なる概念を吹聴して、宗教法人化するという物語なわけで、
この立ち上げが、なんだか楽しくてというあたりが
仕事の一番の醍醐味部分だと思うんだが
まさにそれを文章で説明しているだけで済ませて、
それよりも、教義がどうであろうか、その立ち上げと説明が
この小説内で一番面白いと思えるのが凄いなと
自分の読み方がまずいんだろうかとも思いつつ、
この信者たちの必死さや不気味さというのが手に取るようにわかるといえばいいか
相棒であったクォーターなる人物の存在なんかも含めて
実に狭い、閉じこもった世界なのに
自分に寄り添ってくるではないが、なんか理解しやすいと思えて
怖いような面白いようなと感じたのでありました

もう一本も、扱っているテーマは似たところがあり
自分ひとりだけが楽しむための相撲ゲームを作った男が
ある日、そのゲーム内で新人力士が連勝してしまうという事件が起きて
と、そんなお話なのでありますけども、
ここで神である自分がゲームに介在するというか
神もわからないことがあるといえばいいか、
ちょっとしたリンクもあったりなかったりしながら
一人遊びに昂じる男を楽しむ小説のようもであり
なんだか、難しいことを示唆しているようでもありといったものを
楽しめたのであります

どちらも、扱いたいテーマはわかるのだけども
それがまだ、がっつりと伝わってこないもやもやさみたいなのもあって
個人的には凄い楽しかったのでありました
こういう考え方は好きだなぁ、そういう風に受け止めたのである


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