CLASS3103 三十三組

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【読書】辞書になった男 ケンボー先生と山田先生

2014-08-06 20:34:21 | 読書感想文とか読み物レビウー
辞書になった男 ケンボー先生と山田先生  著:佐々木 健一

予備知識もなく読みました
NHKでドキュメンタリにもなっていた御題で、
その書籍版ということでありました
番組は知らないので、その内容はわかりませんが、
この本に書かれていたことは、
壮絶といったらいいのか、凄い世界があったものだと
これこそドキュメンタリという感じで
面白く読めました

そもそも、辞書の成り立ちなんて
まったく気にもしたことがなかったので、
その舞台裏というか、辞書の作られ方というのに驚き、
さらには、辞書にスタンダートラインがあって、
その二つの巨頭が、それぞれ数奇な運命をたどっていたとか
まぁ、ドキュメンタリすぎて出来すぎじゃないかしらと
疑ってしまうほどのドラマ性に喝采でありました
世の中、知らないところで、凄いドラマがあるんだ
そういう、ドキュメンタリならではの感激と感動が
この本から読み取れたのであります

ちょっと書き手も、そう思っていたのかしらと
こちらが面食らうほど、唐突に文章が激しくというか
熱くなる部分があるのですが、なんだろうか、
下手なミステリを読むよりも、よほどに面白い
二人の隠された過去が、二人が作った辞書の
凡例や、見出し語からわかるなんていう
もう、どんなトリックだよそれと
つっこみたくなるほどでありました

正直、辞書ブームなるものがあって、
新解さんなんていう言葉が流行っていたなんて
まったく知らなかった私には、
それすらも新鮮でありまして、さらには、
辞書の数だけ、そこに巾があるというのが衝撃でありました
本の中にあった、辞書というのはどれも一緒という
そんな批評が、批評ではなく、それが当たり前だと
私なんか思っていたので、
ここに描かれていた個性については、
その如何はともかく、凄いことだと感動したのでありました

どちらの辞書も読んだことがないので、
その辞書それに対しては、なんら言葉を持ちませんが、
ここに書かれていた二人の先生の偏屈とは違う、
狂気すらも感じる生き方と、仕事に対して
畏敬を覚えたのでありますところ
特に、ケンボー先生にいたっては、
これはもう完全に病気だ、そういう感じで恐怖すら漂いました
反面、山田先生が人間臭いのが、なんというか
人間臭すぎるんじゃないかと、こういう人が
辞書作って、偏るんじゃないかしらなんて
あれこれ考えさせられたり
さりとて、そこに至るまでをこの本で知るほどに
面白いと感じたりで、
非常に読み応えのある、よい本であったと
メモっておくのでありましたとさ

とりあえず自分の手持ち辞書が、該当のではなかったけど、
序文を初めて読んで感激した次第であります


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