CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】エンド・オブ・ライフ

2020-09-01 20:53:39 | 読書感想文とか読み物レビウー
エンド・オブ・ライフ  著:佐々涼子

ノンフィクションでした
終末医療、特に在宅介護、看護についての実録で、
京都のそういった医療従事者が、自らも癌を患い、
患者となって過ごす姿を追いかけた内容でした

医療従事者が大きな軸になっているのだけども、
彼が携わった、過去の患者たちとのやりとりや思い出、
在宅介護という現場の思い出語りと、その介護を続けてきた男の終末が
交互に語られていくという構成になっていて、
人生の終末について、深く考えさせられる本でありました
独身で、なんて本を読んでしまったんだ俺わ…

誰にでも当たり前に訪れる死について、
癌など、終末、予後といったものが予見できる状況の患者が
最期を自宅で過ごす、家族の介護で過ごすということ
それが贅沢というべきなのか、
幸せというべきなのか、
生きることの意味とは何か、家族とは何かを考えさせられる
様々な場面、あるいは、家族の姿が描かれていて
えもいわれぬ感傷を覚えたのであります

別れの辛さというものも沁みてくるのだが、
死が間近にせまる人と接することで、覚悟のような、
死に対する一種の馴れのようなものが生まれて、
慟哭をするものの受け入れられるといった感情が生まれてくる
そんな姿も見てとれたのでありました
それでも、日々弱っていく姿というのを観る、まさに終末が近づいてきたという
そんな予感がする数日とかは、どんな気持ちであろうか
それは、この本では言葉が少なく、決して語られていないのでわからないが
想像にあまりあるといった感想を抱くのでありました

死が間近に迫ったときに、次はないという旅行に出る家族、
それが、遠い海水浴であったり、ディズニーランドであったりと
その日になって、具合が悪くなっているけども
それでも強行する、その覚悟と意志と、その先にあるものの予感が
辛いとも思えるし、そうだからこそ、
その瞬間が大切なものになり、それが生きた、あるいは死ぬということに
意味を与えているかのようにも見えるのでありました

死に意味があるのか、
生きることに意味があるのかと
同意であり、あまり根をつめる内容ではないと思いつつも、
一個の生命として、少なからず家族がいるとすれば
離別のときがどこかでやってきて、その悲しみがどれほどか
想像するだけでも恐ろしいと思えてならないのだが

自身が死ぬということもまた、
一種の恐怖を伴うのかもしれないと考えたのでありました

一人、独身なんだけども、元カノに最低限の介護を託した男の話が
ちょっとだけ載っていて、そういう生き方もまた、
考えさせられるものがあるなと思ったりしたのでありましたとさ
一人で死ぬことの何が怖いのだろうか、
そもそも、怖いというものなのか、この感情わと
考えさせられるばかりである


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