CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】空の冒険

2018-05-23 21:00:40 | 読書感想文とか読み物レビウー
空の冒険  作:吉田 修一

半分小説、半分エッセーという短編集でした
全体的に爽やかで、肩肘張らずに読めるというのが
実に素晴らしいという感じで、
これという、強い印象や記憶に残る感じではないけども、
何か、人が生きていたという物語をなぞった
小説として、するりと抜けていくようなものでありました

眠る前に何か決意をして、そのおかげでぐっすり眠れて
さて、目を覚ましてそれがなんだったか気になる

こういう感じの話が、いくつか載っていて
あるなぁと思ったり、そういうことの積み重ねだなぁと感じたり
なんとも穏やかな気分になるのでありました
とりたてて、ざわざわとするようなこともなく、
気付いたら時間が過ぎていて、
その間生きていたんだと
そう思わされるような物語ばかりで、
こういうの好きだなぁと、感嘆したのでありました

エッセーについては、旅エッセーが主体で
各地を旅して、あれやこれやとあったことを連ねている
その土地で出会ったことだとか、思ったことを
丁寧に、そんなに堅苦しくなく書いていて、
パリや、韓国や、そして、ブータンやと
訪れたことを、そこで感じたことを綴っていて、
特にブータンについてのことが、
ここがよかったとか、そういう土地というか、
物質そのものの話ではなくて、空気といえばいいのか、
雰囲気について書いていて
ステキだなと感じたのでありました
外世界を知って、あえて、ああしている
本当かどうかはわからないけども、そういう気持ちがあると
そういうのがブータンの人をいいなと思わせてくれる
これがいいなぁと感じ入ったのでありました

旅に出たくなるというか、
旅先で読みたい文章だったように思うのでありました


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