CLASS3103 三十三組

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【読書】ミスター・グッド・ドクターをさがして

2017-09-07 21:36:42 | 読書感想文とか読み物レビウー
ミスター・グッド・ドクターをさがして  作:東山 彰良

最近作家読みしてばかりいます
その内の一人、何回か前の直木賞を受賞した
東山さんの小説でした
てっきりまた、台湾系の物語かと思っていたら
思いもよらず医療系、しかも、医療転職コンサルタントという
なかなか珍しい、さりとて、本当にこんなことありそうなと
裏社会めいたものと繋がったり、そうでもなかったりする世界を
ありあり描いていて、コミカルで堪能できました

主人公は女性で、蓮っ葉という言葉はまた違う気がするけども、
向こうっ気の強い、肝の据わった女なんだけども、
内実というか、男性、ともすれば恋愛めいたことには
思いっきり女臭いといったらいいんだろうか、
本当に、女ってこんな風なんだろうかと
ちょっとわからない部分もありつつ
悪友とともに、ガラの悪い会話を繰り広げながら、
ろくでもない医者との話が繰り広げられているといった具合でありました

最初のうちはなかなか楽しいというか、
笑って読める内容だったりしたのでありますが、
話が進むにつれて、だんだんとというか、
唐突に重たい話になって、さらに、人死にが関わってきて
しかも、その死が、医療系小説だからとかいう理由と
ほとんど関係ないというか、もうなんともはや、
サスペンス、あるいはバイオレンスといった具合になって
衝撃的なのでありました
おかげで、後半読みとめられなかった、
あっという間に読みきらされてしまったのであります

扱う内容が、女性に関わる問題のようにも思えるけども
その実、怒りというものについて書いてあったように読めて
なかなか興味深い内容でありました
主人公からして、読み終わって気付くと
常に不機嫌というか、何か憤っているという感じがして、
いや、物語としてはさほどにそうではないんだけども
なぜかしら、そういう人物に見えてしまうと
不思議な感覚に陥ったのであります
その怒りが、最終章で爆発するように炸裂してと
このあたりが鮮やかで、はったりもきいていて面白かったのでありますが
なかなか、楽しんで読める小説だったと思うのでありました

面白い物語を読んだ
医者という仕事も大変だな、いや、これが本当ならば


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