CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

決戦、壇ノ浦

2005-09-05 08:33:40 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ義経が
前半というか、また、清盛逝去に続いて
大きな節目を迎えておりました
壇ノ浦の戦い

面白かった

もう、一言でよいかもだよと
思ったりしつつ、大変見ごたえのある
船戦でありました
史実というか、わたしが知ってる戦場の通り
前半は平家が押して
後半潮の流れが変わって源氏が勝つ
そして、神器とともに都は海の底に・・・

あの「波の下に都があります」というのは
本当、察するに余りある切なさで
たまりませんでした
分かってるけど、やっぱあのお約束は重要であります
安徳帝の幼さもあいまって
酷い話だなぁとせつせつ思いながらも
感激であります

で、それはそれとして
平家方最期の武将とでも言うべき
知盛のすばらしい最期
その直前の宗盛の情けなさとの対比で
死に様とはこう見せるのだといわんばかりに
身体へ錨を巻いて海へと沈み
また、台詞がよかった、かっこよすぎた
よい役者からどんどん死んでいくので
すげぇ切ないのであります

その前の義経との一騎打ちも面白かったんだが
久しぶりに天狗っぽさが出ててよかったですね
あれくらい絵巻物みたいな雰囲気があると
殺陣も面白いなぁと見ておりました
しかし、知盛は殺陣もうまかったなぁ
あの長刀のふりっぷりは凄かった
肩とかに矢刺さってても強いのなんのってのがね
少し納得いかなかったのが、義経の長刀を斬ってから
なぜか付き合って、長刀を捨てたところなんだが
あれはわざわざ捨てなくても長刀持ってれば
勝ったと思うんだけどなぁと、余計なことも考えつつ
武者ブリが立派でありました

で、女どもの自殺風景もさておき
神器は海の底へと消えて
やっぱ、あれは回収できなかったんだよなぁと
思ったのだが、はたしてどうなのか
それを次回以降で確かめたいと思います

景時とはもう、だめなほど
凄い険悪になったし、楽しみであります
いよいよこれから、義経が追われていくのねと
年末まで楽しんでいきたいと思います

悲しみよこんにちは

2005-09-01 08:44:52 | 読書感想文とか読み物レビウー
洋物を読みました
もしかしたら洋物読むの俺、初めてじゃないか?
とか思いつつ、ルイスキャロルの不思議の国のアリスを
読んでいたとか思い出しつつ
今回は、フランス人と思われます
フランソワーズ・サガン 悲しみよこんにちは
原題「Bonjour Tristesse」

古本屋で3冊買うと100円になるという
ステキなイベントがあって、我猫と蒼き狼は
手に入れていたんだが、もう1冊何にしようと
考えた挙句、適当に手に取ったのがこれ
どうやら、サガンさんという人が18歳の時に書いたらしい
ステキなけだるい小説であります

サガンさんという人がどれくらいの作家なのか
わたくし、またく知識なしで読んで書いておるわけですが
18の女の子がはたしてこれを考えていて
大丈夫かと心配するような内容でもあり
面白かったのであります、天才は凄いな18でこれかよ
そういう感想も持ちました、物語のレベルが違うわ

内容は、ぐーたらな父と娘のところに
父の愛人がいて、父を慕う女性がいて
その女性が理知的でステキで否の打ち所が無い
すばらしい女性だというのに
思春期だからか、その女性を許せない主人公である娘が
愛人を使って、父を篭絡し理知的な女性を追い出す
そんなことを考え付いて実行に移したら
ちょっとしゃれにならんぞ、おいという
凄いことになっちゃった
悲しみよこんにちは♪

と、そんな物語であります(多分違う)
かなり短い小説なので、さらさらっと読めるし
何より難しい哲学が出てくるわけでなく
18の女の子が考えついたことが、生々しく描かれていて
読みやすいのであります
内容も、盛り上がるというよりは、じわじわと進んでいく
独特のテンションで、場面ごとに右往左往する
まだ固まっていない主人公の若さが
その文体からあふれているようで面白かったです
凄いな18歳

そんな具合で、まぁ、オチの部分が秀逸だったと
個人的にはとても思うのだが
倦怠感というか、絶望感というか
どうしようもない具合と、ささいなことから
とんでもないことに発展してしまうリアルさが
幼稚さが残酷で取り返しがつかないといった
子供から大人の憐憫みたいなものが
見えたような気がするとか
ものすげぇ誉めてますが、夏の夜に読むには
うってつけでありました
もう秋になりつつあるから、だめですけどね(ぉぃ

女を主人公にする
この女が少女だったり女だったりしつつ
物語が揺れるのがとても面白い作品でありました
特に誰に萌えるとかなかったのが至極残念ではありますが

てなわけで、もう読書感想文とか書いている人
さすがにいないだろうと思いつつも
読んでいないなら、芥川の短編をいくつか読むよりは
ずっと面白いし、なにより国語の先生の
意表をつける気がするのでどうぞー

と上記まで書いてから調べてみたら
いやー、サガンで調べるとJ2の鳥栖が出てくるばっかりだが
見つけたよ、おいおい有名な作家なんじゃないかと
驚きであります
彼女自身の生涯の一部をそこで見ましたが
この作品で描かれた、どうしようもない側に少しだけ
身を置いたのか、アルコール依存症とか
そんなのになりつつ、振れる一生を送っていた様子
それを思うと、その人が最初に、こんな若い時分に、
書いた小説だと思うと、それだけでまた違う見方ができます
潜在的な風景とか
色々あるんだろうが、なかなか興味深いですね、しみじみ