CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

お盆休みに台湾旅行 16 夜の龍山寺再び

2019-11-12 21:27:22 | お盆休みに台湾旅行(2019)


タクシーで台湾鉄道の台南站まで戻り、
そこから電車で高鐵の台南まで移動します

相変わらずの賑わいというか、この古い駅舎でわいわいなってるのが
なかなかステキというか、海外に来た感じがして好きなのであるが、
さて、いまいち時刻表とか確かめてこなかったので
いつ電車が来るのかというのが、いまいちよくわかってなくて
ちょっとだけ困ったのでありました
なんとなしプラットフォームはわかったんだが、
その電車がどれなのか、見ていると、
違うほうへいくやつばかり来る、ひょっとして30分とか待たないといけないのか?
不安に思って、駅員に身振り手振りで聞いてみたが、
この場で待て的なことを言われて終わるだけ、
まぁ、15分くらい待ったらやってきたので
なんてことはなかったのだが、こういう時にスマホとか持ってないと
往生してしまいますな


まぁ、これは反対側の電車なんですけども、
無事やってきた電車で高鐵駅まで戻り、
そこからは自由席でそれぞればらばらに席を確保して無事乗車完了
2時間ほどで無事台北までと、移動できたのでありました

さて、台北まで戻ったが、まだ時間も早いしなぁということで、
夜市見るがてら、昨夜に続いて龍山寺を訪れることに、
まぁ、前日に安全を確認したので、
慣れない母を連れて行こうという話だったのであるが、
昨日に比べて、帰りが早かったので無事、
開門している夜の龍山寺に入ることができたのでありました


堂々の風格である

中は夜になると雰囲気がまた抜群によいなと微笑ましい気分になる

こういうのがまた、いいなぁ

夜なのに、随分と賑わっていまして、
暗い最中、うろうろと祈りをささげる人や
我々のように物見遊山の人もちらほら見えて面白い



仏さん写真は、正直知識がないので、
これが誰それといえないのが残念なんだが、
やっぱり、どこいっても、同じではなくて
興味深いことこのうえないのである
一時期、台湾を知るためにと道教について調べていたが
遠回りというか、まるで違う道を歩んでいたと反省しきりである
面白かったからいいんだが、神様の名前がまるで覚えられない



昼間でも、堂内は薄暗いからこの迫力はママなのであるけども、
夜だと一層に神々しいというか、赤と黄という中華文化的色合いが
実によいと思えるのでありました
夜は、黄金と黒、そして灯火の色が素晴らしいと
誰が言い当てたか忘れましたが、まさにそれが堪能できたのであります
黄金の茶室に通ずるものがあるわ


昨夜見た猫、どうもここの住人というか、主だったようである
ふてぶてしい感じだが、撮られなれているのか、
次々やってくる観光客にポーズをとるでもないが、
おすまししていたのが素晴らしいところである


出てきて、なんかはしゃいでいる若い人なんかもいて
観光地でもあり、宗教地でもありと
不思議を堪能したのでありました
さて、次は夜市を堪能しに出かけるのである

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【読書】死にゆく者の祈り

2019-11-11 21:16:57 | 読書感想文とか読み物レビウー
死にゆく者の祈り  作:中山 七里

教誨師を主人公にした、冤罪かもしれない事件の
お話でありました
以前に、教誨師そのものの本を読んだこともあって、
このテーマは面白いなと思いつつ読んだのだけども
お坊さんという立場で、事件を解決していくというのが
思いのほか面白くてよかった
説得手段が、説法というあたりが斬新だと感じたけども、
まぁ、そればっかりクローズアップされたわけでなく、
作中でも揶揄されたとおり、
坊主が探偵のまねごとをしているというそれなんだが
なかなか楽しかったのでありました

自分が教誨する相手が死刑囚なのはわかっていたけども、
そこに、命の恩人とも呼ぶべき同級生がいた

このあたりが残酷な物語なのでありますけども、
死刑と確定したそれに不審をもち、
その真相をと踏み込んでいく様が、
坊主や、教誨という目的からは逸脱し、
それは破戒ですらあるというのが、
非常に重たく響いてよかったのでありました
主人公本人にも、仏門に入りたいと願うだけの何かがあって
そことの乖離というか、未だ俗世から離れていない
その辛さみたいなのが、実にいい塩梅で伝わってきて
非常によかったのでありました

オチはちょっと、やりすぎというか、出来すぎというか、
ドラマチックすぎるんじゃないかと思ってしまったんだけども、
それはおいといて、説法なんかから滲み出てくる
世の中普遍の何かが面白くて
悪い奴といいきれない、でも、そうなってしまった、
その原因がなんなのか、そこに対しての犠牲という懺悔は
必要かどうかとか、
いや、なかなか考えさせられて面白かったのでありました

ある種、独りよがりを正すといってもよかったような
その絶妙な触れ幅が妙味でありました
楽しく読めてよかった一冊であります

いだてん  東京流れ者

2019-11-10 20:46:38 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「いだてん」
視聴完了しました
すっかり政治劇になってきた、
これはこれで俄然面白いと思ってみてるわけですが、
裏側のどたばたというのは、とても面白い
今まさに、これが行われている最中ではないかと
思ってしまったりすると、さらに楽しめると思うのであります

政治的な乗り換えといえばいいのか、
切ったはったにも近いそれこれが、
すぐにぎらぎら行われていくというのが面白くて、
いかにもな描き方ながら、妙に納得してしまうのが
このドラマのいいところでありましょう
結局、見たいものを見せてくれたらと
それだけの話なんだなと、改めて思うところである

クセのある爺ばっかり出てくるなぁというのもアレだが、
代々木に強引にもっていった、そして、NHKがあそこに出来た理由が
さらっと開陳されて、それが一番驚きでありました
そうか、それであんなところにあるのか、前回も大きな地図で、
ちゃっかりNHKとか書いてるなと思ってたけど
伏線というほどではないが、兆しではあったのかと納得であります

なかなかいい説得方針だと思いつつも、
アメリカもバカではないから、金を要求してきたりと
このあたり、金がだんだんとたまってきた日本というのが
アメリカから見て、保護相手ではなく、たかる相手に変わったと
そんなところだったのか、なんとも楽しく見られたのでありました

しれっと、五りんの方は金栗先生と会っているし、
だんだんと、ドラマが終わりに向ってきている感じがよろしく
このドラマに限っては、前回とかあんまり気にせず
今から見ても大丈夫そうな気がするから
もうちょっと、広告とかしたほうがいいんじゃないかと
ちょっと感じたりしながら、近代というか、現代編が
なかなか面白く楽しみになってきたのでありました

それはそれとして、落語家に寄席に出したいとか言わせたのは
どうかなと思うが、にやにやしてしまったのである
素人にしちゃうまいねぇみたいな顔が凄いよかった
談春さんは、悪い噂も多いが、嫌いじゃない役者だなぁ、いや、落語家だけどもさ

【映画】ビューティフルマインド

2019-11-08 21:16:40 | ドラマ映画テレビ感想
数学っぽい映画が見たい
そう思って調べたら、これが名作だというので
じっくりと見入ったのでありますが
危なかった、あまりに見入って、精神をもってかれるところだった
それほどまでに、結構衝撃的な内容で
慄いたというお話であります

戦中から戦後にかけての天才数学者の一人である、
ジョン・ナッシュの人生を描いた映像作品でありました
凄い感動して見終わったんだけども、
まぁ、こういうのにありがちな、実際とはだいぶ違うという話に触れて
ちょっとがっかりしてしまうくらい、
映画は見事で面白かったのでありました
悩むというではないが、天才だからこその悩みというべきか、
物凄く怖いそれが、見ているこっちももっていかれそうなくらい
衝撃的で興味深かったのであります

現実と数学の向こう側の区別がつかない恐怖といえばいいのか、
頭がいいがゆえに、そういうことがおきるんだろうかなと
思わされるくらいの凄まじさが、後半唐突でもなく、
いや、前半で描かれていた様々なことがらが、
ある瞬間から逆転する、その事実が凄い恐ろしいお話で
自身の身に降りかかったら、それはどうしたらいいんだろうと
恐怖を覚えて仕方ない内容だったのでありました

しかし、それをなんとか克服するというか、
付き合っていく苦難の日々、それを支える人たちというのが
凄くよくて、最終的に大感動するに至ったのでありました
正直、序盤で、ちょっと退屈だなとか思ってしまっていたんだが、
秘密が暴露されてからの急展開と、その苦悩の日々に釘付けとなってしまい
なんとも、面白くて仕方ないと思ったのでありました
凄い作品というものは、こういう力があるんだな

明るい気分になれて、凄くよかったと
感心しきりだったんだけども、
あの時代、あるいは、今の時代もそうかもしれんが
数学者という生き方は、本当に大変だったんだろうと
思い知らされたようでもあるのでした
イミテーションゲームにも通ずるものがあったわ

【読書】真面目にマリファナの話をしよう

2019-11-07 21:29:13 | 読書感想文とか読み物レビウー
真面目にマリファナの話をしよう  著:佐久間 裕美子

タイトルの通り、真面目にマリファナについて
取材、調査した内容をまとめた本でした

まるでアングラなそれではなく、
そもそも、なぜアングラ扱いになってしまっているのか、
マリファナとはなんなのかというところを
その歴史的経緯を主軸、様々書いていて、大変面白かった
現在は、カンナビスという医療用の名前で知られているんだそうで、
マリファナとか、リーフとか、ポットとか、ガンジャとか、
そういった俗称ではないものが、きちんと、臨床実験を経て、
なんらかの効能が認められるというところまで
きているんだというお話でありました

癌や、認知症、鬱病なんかに効能が認めらつつあるんだそうで、
医療薬としての役目に脚光が当たっているという
現状は、大変興味深いところでありました
なんとなし、モルヒネみたいな扱いかなと
勝手に思っていましたが、
実際に薬効があるというところまできているのだそうで、
そうなると、自然由来の薬品という立場になるから
まるで様相が違うなとも思ったところ

そんな情勢なので、様々な国や、アメリカの州で解禁されてきており、
その勢いのまま、ビジネスになると、栽培や流通についても
だんだんと整備が進んできたというのが
なかなか興味深いところでありました
日陰者扱いだった頃は、趣味家というか、どうしてもという人が、
なんとか自分たちで楽しもうと、こっそり栽培してきたという
栽培に関する知識の薄さが問題だったようだけども
今は、栽培技術も確立されつつあるとか
もう、産業としての下地ができてきている印象を受けた

もっとも、あくまでも医療への使い道という部分でのクローズアップというか
解放が主であるというのが重要なところで、
嗜好品としてのそれはどうなのか、それは、アルコールやタバコと
どれくらい違うんだろうかなんていうのには
あまり触れられていなかったので、常習性というところについては、
やっぱり危ないんじゃないかなとも思ったりするところ

歴史的には、これを麻薬としたほうが都合がよい勢力が、
一時期アメリカの偉い人たちに多かったというのが実際だと
そういう解説の本でありまして、
どこまで本当かわからないけども、
様々な利権やら、通俗的な倫理みたいなものに振り回されて、
マリファナ=悪という図式が確固たるものとして
支持され続けてきたという歴史が面白かった

この話が本当というか、もっと凄いスピードで進んでいるというならば、
近々、日本でも解禁というか、そういった話になるのかなと
おぼろげながらに感じたりしつつ、でも、日本人と大麻というのは
あまりあわないものなのかもなぁと、なんとなし感じたりしたのでありました

まぁ、その割には、結構捕まっている人がいるので
なんともいえんのだけども、
酔っ払いが増えるというのはよくないと考えれば
禁止のままでもよいのかと、考えたりもするのである

【読書】のっけから失礼します

2019-11-06 20:46:53 | 読書感想文とか読み物レビウー
のっけから失礼します  著:三浦 しをん

よく考えたら、小説を一冊も読んだことない気がする
舟を編むとか、有名作家だと知っているのに、
初めて手に取ったのが本作、エッセーでありました
知り合いの読書家から、作品と本人のギャップが酷いと
褒めた話を聞いていたので読んだんだが
女性作家のこういったエッセーは、色々違いはあれども
非常に面白い、なんというか、コメディ要素が素晴らしいなと
感心しきりでありました

そんなわけで、なんか、お洒落雑誌で連載していた内容を
まとめた一冊だったようなのでありまして、
その雑誌のカラーと違うということも
そもそも、自分で相当に言い訳しつつ、でも、やっぱり
書きたいことを書いている、そして自虐がそこはかとなく漂う
そういう繰り返しなんだが、なかなか楽しかったのでありました
あくまで文章上であろうけども、
見事なヲタク女という生き様が、はればれというか、
赤裸々というか、そのまま書かれていて
共感とか、驚嘆とか、そういうのを味わいつくしたように
思うのでありました、いやー、これは酷い、面白い、ずるい

ノンジャンルというか、自分がどう思ったか
どう生きているかという日常を綴っているだけで、
何か大きな得るものはなく、むしろ、失っていく人の姿を見ているような
作品そのものがドキュメンタリといっても過言ではない、
なんとも、悲喜こもごもを味わえる内容でありました
自堕落といっていいのか、もっと違うものなのか、
思うところと、世間との乖離や剥離というものを
とても感じつつ、それを回りだけでなく
自身も騙して、なんとか生きている、いや、肯定していると
そういう生き様、いや、これは、ブラックユーモアというジャンルなのか
違うな、そういう、一人つっこみを延々と繰り返したくなるような
素晴らしい内容に腹を抱えて笑ったのでありました

年齢が近しいということもあるからか、
でも、まだ、モテたいという気持ちが成仏していないあたりの
この未練が、怨念ではないが、何か別のものを育ててしまった、
心内に怪物を宿したような、まぁ、でも
しょーもないことばっかり書いてあるんだけども、
その味わい深い示唆、言い訳、逃避が
とても心地よく読めてただただ、安穏と楽しめた一冊でありました

妄想はとても大切だ、想像力は人間を豊かにしてくれる

お盆休みに台湾旅行 15 台南阿霞飯店で夕食

2019-11-05 20:50:36 | お盆休みに台湾旅行(2019)

安平の剣獅子をかたどった噴水

さて、安平老街めぐりもとりあえず堪能したので、
そろそろ夕食のために移動しようとタクシーを捕まえる
場所は、出発地でもあった林百貨店の近く、
とりあえず、林百貨店に立ち寄って、お土産を買ったりしたのだが
メインは、そこから15分ほど北上したところにある
阿霞飯店(アーシェファンテン)であります
台南随一のレストランとして有名なそれ、
今回の旅のメインといっても過言ではない、
伝わらない言葉で、なんとか予約できたのでそこへ向うのであります




とりあえずいく道すがら、成功廟があるのでお参り、
日本にもゆかりのある鄭成功を祭ったそれでありますが
前きたときに、この母親の像はあったかな、
日本人の母親という伝承にならったものなんだろうが、とりあえず撮影
また、移動移動

ちょっと移動時間が読めていなくて、随分早く到着してしまい
まだ、お店が開いていないので、仕方なくというか
せっかくだからと周辺のお寺めぐりをすることに




天壇と北極殿
どれがどこのだったか、もう覚えていないんだが、
この周辺にある有名史跡というか、廟を眺めて、とはいえ、
特に何かやることがあるわけでもないので、手持ち無沙汰にしつつ
なんとか、予約時間の17時に、いよいよ入店であります


阿霞飯店 台南で蟹おこわといえば、このお店というくらいの名店である

それを知ってか知らずか、蟹のごっつい置物があった

4人いるので、本当は、一品ずつあれこれ選びたいと思っていたのだけども、
無理やり予約をしていれてもらった都合もあって、
おすすめのコースを頼むことに、1人800元くらいで、もう少し高いの頼めばよかったと
後悔したんだが、それでも、結構なボリュームを堪能できたのであります
正直、食レポなんぞできる力はないので、
さらっと、写真並べるだけで御勘弁を


カラスミ

海老

前菜盛り合わせ

まずはこのあたりが、ばたばたっと出てきた
一家揃って、酒飲みではないため、カラスミの良し悪しが
よくわかっていなかったんだが、かなり分厚くて、味の濃いそれに満足でありました
海老と前菜は、よくよく中華料理屋で堪能できそうなそれながら、
やっぱり海老はいいねぇと、日本人らしく楽しんだのであります
殻をむくのが面倒くさいが、美味しいので文句いえない



田鰻の炒め物
メインの前なんだが、これが正直一番美味かった
田鰻の焼そばみたいなのが、台南で食べられると聞いていたものの
食する機会がなかったのでありますが、
この田鰻、凄まじく美味い、コリコリといえばいいのか、
思ったよりも歯ごたえのある切り身は、噛み切れないそれではないけど、
歯ごたえを凄く楽しめてよかった、味付けも素朴なんだが、
いくらでも食べられそうな魅力にあふれておりました、
これだけおかわりしてもいいなと思うほどであったのですけども、
台南は、まだまだ食べたいものが一杯だと痛感したのである

あと、写真撮り忘れたけども、蟹のスープもあったのですが
これはまぁ、それなりにといったところ、
本当は蟹おこわと被るから、豚肉のスープを頼んだんだが
うまいこと伝わらず、蟹スープになったんだけども、まぁよし、美味かったし


そして、楽しみにしていた、蟹おこわ
来て、正直に思ったところは、意外と小さいな
四人でわけるには、まぁ、ご飯の量からするとちょうどよいくらいなんだけど、
もうちょっとボリュームというか、なんかあってもよかったかなと、
これは期待値が高かったせいもあって、残念とまではいわないが
ちょっと物足りない感じでありました

とはいえ、味はしっかり美味しくて、蟹をほじるのが面倒という以外は
素晴らしいことこの上ない食べ物でありました
これが、蟹おこわかと、満足したのでありますが
期待するほどではないかな、それより田鰻かななどと思ったりしてしまうのである
値段考えたら、安上がりな感想だなぁ



あとは、山盛りの甘味モノ
白玉的なものが浮いている杏仁豆腐ではないが、なんか、そういうものと、
りんご、グアバ、西瓜の果物であります
これはまぁ、そういうものだよなと、可もなく不可もなく
口直しにはよかったという感じでありました

まぁ、文句をいう必要はない、ただただ満足であったのは間違いないのだが、
蟹おこわよりも、田鰻、
それを身をもって知った食事となったのでありました


ちなみにお茶は冷たいのをペットボトルで貰いました
基本的にお茶は頼まないと出てこないよね、台湾でわ

楽しめたのでよしとして、そろそろ台北へ戻ります

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【読書】傑作はまだ

2019-11-04 21:35:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
傑作はまだ  作:瀬尾 まいこ

奇妙な父子の物語でした
ファンタジーというわけではないのだけども、
現代社会を舞台にしつつ、世俗と離れても案外生きていられるなと、
その日暮らしを続けていた作家のもとに、
十数年前に一度だけ関係した女性との間に出来た子供がやってくると、
まぁそんなふりだしの物語だったんだが、
この世俗から離れている作家のおっさんというか、爺さんというか、中年が、
息子を通して、無理やり世間に放り込まれていくような
そんな物語でありました

正直なところ、こんな生き方をしている人間が、
物語内に出てくる、人間の深層を描くような小説を書けるものか?と
そんなことばかりが気になって仕方なかったんだが、
よくよく考えると、引きこもりで芥川賞とった人がいたなと、
もしかしたら、ああいう人がモデルなんだろうかなどと、
あまり物語と関係ないところが気にかかってしまった

ハートウォーミングというほどでもないんだが、
ほんわかとしつつも、なんだか始終よい話で、
起伏はさほどなく、小説家がだんだんと世間に馴染んでいく姿が
ちょっと面白いと思えたりしたわけなんだけども、
なんとなし、これを切欠にして、
この小説家は、小説が書けなくなるんじゃないかと
妙な心配をしてしまったり、やっぱり、あんまり本筋を読んでないと
反省してしまう読書となったわい

オチ部分は、結構いい話しというか、
そんな込み入った事情とかもなく、割と自然な形で、
そういういきさつがあったのかなんて思えたりして
ほのぼのと終えられるのはよくて、
なんとも、さらりと読めて、のほほんとできた
そんな刺激というのではない、
ぬるま湯に浸かるような読書ができたのでありました
肩肘はらなくてよいというのが
よかったように思うのである

いだてん  おれについてこい!

2019-11-03 22:11:08 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「いだてん」
視聴完了しました
いろいろ騒ぎがあったので、どうなってしまうかと
はらはらしながら見てたんだが、
まぁドラマとしてはそういう感じだろうなと
編集いかんはよくわからんのでおいときつつ
でも、当時のひどい有様、鬼の大松の悪行というか
いや、教練内容がありあり面白く描かれておりました
結構、いい話だったから、余計な情報でつぶれてしまうというか
なんか、もったいないなぁ

さて、きわめて政治的というか、
これまでと打って変わっての内容になったのが
ちょっと面白かったところ
割と、政治劇の様相を急に帯び始めて、なかなか大変だなと
正直なところ、あんなに描いて大丈夫か、
関係者、結構生きてるだろうと
ひやひやしてしまったんだが
まぁ、そういうのは、下衆の勘繰りみたいなもんで
大した話じゃないんでしょう
でも、ああいう、カネの匂いというべきか、
そういう輩が集まってきたり、あれこれ頭数だけ揃ったりというのが
なかなか、生々しくて面白かったのであります
痛烈な批判というわけではないが、
今も、ああいったごたごたが続いている
まさにという感じじゃねぇかねぇと
笑わせてもらえる、戯作というか、戯曲というか
そういう内容だと思ったのでありました

まーちゃんの思想も、正直なところ
あのオリンピック私物化という思想はどうなんだと
落ち着いて考えたら、どっちもどっちだなという感じが
なかなか面白かったんだが、
下手に現場を知っていて、自分のやりたいことがある人というのは
推進力にもなるけど、軋轢も半端ねぇなと
ありていな人間ドラマが見られたようで満足でありました

都知事が板挟みというか、大変になってくんだなぁと
しみじみ思わされたのでありますけども
なかなか、当日までどたばたしそうな感じが
非常に面白いと思えたので、次週も楽しみで仕方ないのでありました
変な横槍というか、あれこれ、ならんといいけどなぁ

【映画】ハリウッド・コレクション:想い出のスティーヴ・マックィーン

2019-11-01 20:58:54 | ドラマ映画テレビ感想
正直、映画というジャンルではない、
ドキュメンタリー映像作品であります
年齢的に、私よりもかなり上の世代にとっての
ヒーローだと思うんだが、親父の影響で私もかなり好きな俳優である
スティーヴ・マックィーンについての生涯を語った映像でした

若い頃からかなりの札付きの悪だったけども、
ちょっとしたきっかけで、俳優、演技をするということの面白さに気付き、
ある種真面目に、ぎらぎらと出世のためにと、
そのキャラクタのまま、俳優業に目覚めたといういきさつから、
なんとか、自分のキャラクタの殻を破ろうと
様々に取り組んでは失敗したり、
上昇思考がゆえに喧嘩も山ほどしたりと
大変だった男の姿が描かれていました

アクションスターとして、その姿とアクション演技によって
地位を築いていきつつあったけども、
どうしても、より大きなスターダムとなるために
そういうテレビ俳優的なものでは終わらず
大きな、大俳優になりたいという気持ちがあったのか、
理知的な役にも挑戦して、物凄く失敗していたりというあたりが
非常に興味深くて面白かったのでありました

この時代というか、やはり、俳優という職業は
どうしてもそうしたくなる恐怖心に付きまとわれるものなんだろうか、
マリリン・モンローもそうだったと聞くに
色々考えさせられるのであります

よくいえば、やんちゃ、というまま、スターにもなり、
成功を収めていくのだけども、子供を持ったことで
何か大きな変化が訪れていたという
人並みな部分というのが、随分魅力的だと感じたのであります
前の奥さんがコメンタリーで話していたのだけども、
子煩悩な部分があったというのには
なんか、微笑ましいものを感じたのでありました
それがまた、人間味というか、何かに影響していたのかもとも
思わされたのである

荒野の七人、大脱走、シンシナティキッドなんてあたりで
かなりの地位を築いていたけども、その後、
栄光のルマンで見事に失敗して、ほぼ廃業状態となって、
それでもカムバックして、見事、タワーリングインフェルノで
不動の地位を手に入れたと
そのあたりが大変面白かったんだが、ここで
人生が一区切りしたみたいになってというのも
なかなか興味深いところでありました

自分がやりたいことを、やりたいようにやっていたとも
とれる感じではあるものの、レーサーのようなことというか
もはやレーサーという時代を過ごしていたり、
なんともマックィーンという人生を走り抜けていった感じが
凄い魅力的に見えたのでありました

個人的にゲッタウェイのアリマグローとの関係が好きだったので
どっかで出てこないかなと思っていたけども、
そこは、やはり前妻に遠慮したのか出てこずの内容だったけども
孤児院に寄付をしていたくだりだとか、
人間臭さが出ているエピソードが聞けて、凄く楽しかったと思えたのでありました
好きな俳優なんてのは、なかなかできてこないもんだが、
マックィーンは別物だなんて、信じて今も生きてるのである