CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【映画】マッドマックス:フュリオサ

2024-06-11 21:12:20 | ドラマ映画テレビ感想
珍しく映画づいている最近だが、
これは映画館で見ないといけないやつだろうと、
怒りのデスロードをテレビでしか見ていないという残念な経験から
楽しみにして見に行ったのである
期待通り、大変楽しかった

荒廃した世界で、一人の少女が生きて復讐を誓う
そんなお話だったわけだが、正直マッドマックスシリーズというのを
そもそもよく理解していないので、原作的なものが存在するのかしないのか、
どういうコンテンツなのか、わからんが、
まぁそんなことはどうでもいい、V8を讃えよ!的な感じだと思ってたんだが、
V8感はだいぶ少ないというか控えめで、
フュリオサの復讐劇のみといっても過言ではないくらい、
フュリオサが、ちっちゃい頃から大きくなるまで、
ひたすらアクションに次ぐアクションしてて、大したもんだなと感心して見たのである

喋れない設定というのは、子役の演技をアクション全振りにしたからなんだろうと
勝手に推察してしまうわけだが、それにしたって、
あんな大変なアクションを、ぱぱっとやっちゃうのが凄いと
日本で、女子役にこういうジャンルないよなと羨ましく思うのである
やがて立派なアクション女優になるんだとしたら、本当、凄いいいなぁ

メタ的なことはさておき、話しは全く複雑でもないし、
相変わらずわけのわからない世紀末的なガソリンで動く車とバイクのような何かが
火を噴き、火を浴びといった感じで、大爆発してて大変楽しいのだけども
これがまた、色々なシーンの組み合わせといっていいのか
単純に長いはずなんだけど、その時間とか、飽きを感じさせないすばらしさで
ずっとこのわけのわからない戦闘(アクション)が続いたらいいのに…、いや、続くわ
という感じであっけに取られて見ていたのでありました

敵が空飛びだしたり、その飛び方がバカっぽいようで、ものすごく理にかなってるし
ウォーボーイは相変わらず死にまくるしと、大変よろしいわけだけども
今回の敵役がしつこい奴で、最終的にはなるほどというオチが用意されていたけども
それにしても、なんか、映画の敵としては残念だったように感じてしまったのである
凄い嫌な奴といっていいと思うんだが、
最近流行なのか、やたら逃げるし死なないというのが、フラストレーションがたまってしかたない
その割にすっきりする死にざまでもないというのが
なんとも、惜しいというでもないが、こういう映画にほしい炭酸的なスカッとさが
足らないと思えたのでありました
でも、人間理解が進んだとみるべきか、嫌な奴というのの精緻なトレースが見事すぎて
本当、こういう人いるなというのがまざまざ思い浮かべられてすごく感心したのである
馬鹿っぽいのに、賢いというか、強いというのがまた
イライラさせるというか、なんというか、凄い

と、まぁ、狂気あふれる世界観を堪能して、
シリアスに復讐を描いているので、まったく笑うシーンというのは存在しないはずだが
なんか、笑いに近い面白いを端々から受け取ってしまう
ステキな作品だったと思うのである
やっぱ、世紀末感というのが映画だからこそ、最高に馬鹿っぽいけどリアルで楽しいのだな

【読書】濱地健三郎の呪える事件簿

2024-06-10 20:55:52 | 読書感想文とか読み物レビウー
濱地健三郎の呪える事件簿  作:有栖川有栖

シリーズであります
相変わらず怪しげなものが視えるので、それを退治するという
一風変わった探偵が、ちょっと視えるようになってきた助手と
様々な事件を解決するという物語
オカルトであり、心霊現象が主なんだけども、それを使った思考や方法が
極めてロジカルなので、どうにもおかしな推理小説になっているのが
なんとも病みつきになる感じで、
今回もそれを楽しんだのでありました

相変わらず、視えるものがよくわからないものであるのだけど、
その正体をどうと考えるか、その推理が面白くて
辻褄だけ聞いていればそういうことかなどと
納得してしまいそうになる話しばかり、
特に情念というか、悲しみだとかの想いが残るという現象が多くて
それが悪さをしたり、ただの興味本位であったり、あるいは一種の善意であったり
でも、そこに幽霊のようなものとして残って、
ただ同じ動作を繰り返しているだけという、実に不気味なんだけども
そういう霊的なものはありそうだよなという感じが
読んでいて違和感というか、しらけを呼ばない絶妙さをもって描かれていると
個人的には楽しくて仕方ない

呪いをかけるといったことが、とうとう商売になりつつあるような
そういう輩も出てきたりとかして、ある種異能バトルみたいな
漫画のような展開もと考えるのだけど
やっぱり、そういうアクション的なそれではなくて、
あくまでも読んで、推理してという、推理小説の骨が小説にしっかりと刻み込まれているので
なんだかんだ、会話劇のようなそれも、楽しく、登場人物の考えを
あれこれ思うことで楽しめるよい小説だと思うのであった

今回は、どの怪異も存念みたいなものがありそうで
理解の範疇だったけども、過去作の全く理解ができない化け物も
また期待してしまうのだが、いよいよ推理小説フォーマットではなくなるから
難しいんだろうなと思ったりする

しかし、濱地さんは結局いくつなんだ

光る君へ  雪の舞うころ

2024-06-09 21:36:46 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「光る君へ」
視聴完了しました
越前で、思った以上に父上がしっかりしているのが
結構驚きでありました
ああいう能力はないと思っていたんだが、ちゃんとしてるしできるもんなんだな
ただの学者さんではなかったのかと、改めて見直したといった感じである
でも、あれができるなら、もうちょっと都で出世できたんじゃないかと
思わなくもないが、まぁ、物語上いいのだ

さて、もっぱら気になっていた、謎の宋人と思っていたら日本語喋るやつの
出自と経緯がわかってきて、これは、この地を離れる頃に殺されるなと
嫌な予感を覚えてしまったわけだけども、
頑張って自分の道を拓こうと、まひろを篭絡しようと暗躍することを主人に誓ったり
どうにもよろしくない星回りだなと思って見守ったのである
そして、実によいタイミングで、未来の旦那様がやってきて、
実際にそのルートも開けてきたのが楽しみなところ
まひろには絶対あの方が幸せだよなと思うんだが、
あの当時で、すでに、3人だか4人だかの妻がいるということは
妾という扱いなのか?だとすると、道長の妾を蹴ったという身分でどうなんだと
思ったり考えたりしたんだが、
妻にといっていたということは、先妻たちはすでにいないということなんだろうか
わからんな、面白そうだし、来週の父上のリアクションがよさそうだったので
それは次週の楽しみにとっておこう

さて、とりあえず一見宋の方に理がありそうな感じだけど、
一筋縄ではいかないのは間違いないところの様子で、
越前には越前なりの正義があったとしているのは
いい話しだなと思ってしまうのである
こういうのを差配することこそ、国守の仕事なのは疑いのないところなので、
はたして、父上にうまくさばけるのか、楽しみでならんのである
別に前の役人が私腹を肥やす事だけをしていたわけでもなく、
あれこれ考えたうえでのという、日本古式ゆかしい事情のくみ取りであったと
伺い知れたのはよかったと思うのである
いや、政治的にそれでいいのか、よくないのかというのは
地方政治の大変重厚な問題であるな

とりあえず通事がわかりやすく悪いやつだったというのがわかって、
前週の感想で、通事の翻訳がおかしいとかいう意見を見たので
それが本当だったのか、
とすると、周明が喋ってるときも、訳が出てこないときは怪しいと思った方がいいのかもと
こういうのも楽しいし面白いなと感心したのであった
次週も楽しみであるが、越前編は割と早めに終わるんだろうか

【ドラマ】VRおじさんの初恋

2024-06-08 20:51:58 | ドラマ映画テレビ感想
NHKよるドラ枠でありました
漫画原作だったようなのだが、知らないので再現度は不明ながら
純粋にドラマとしてすごく楽しんだ
なんなら、最終話、いや、最終週は泣いたわ

VRをやっているおじさん二人が、
VR内では可愛い女の子アバターで、それ同士で恋愛的なといっていいのか、
これは恋愛ドラマだったか?というと、そういう概念でもない
けど、何かしら慈しむという心があったから、
これは慈愛とか、愛情の物語だったのではないかとも
思ったり考えたりしたわけだけども、
同性愛とかそういうことではない、超えたものを取り扱っていたと
結構深く考える内容でもありました

ドラマとして、VR世界を現実の役者でやるというのが
試みとして凄い面白い、こういう小劇場向けっぽいのも
ドラマにして面白くなってしまうんだと、映像の勝利を見た気すらして
凄く楽しかったわけなんだけども、
ある種のコスプレ感が、VR世界っぽさに繋がっていたのか、
これまた、VRゲームやったことないからわからんのだけど
こういうもんかと納得して見てしまったので
ある意味幸せだったのかもしれない、実際のVR世界はこうじゃないような気がしてならんというか
おそらくは、アバターのないインターネッツを楽しんできた自分には
なんとなし理解できそうなそれだわと思うのだけども
まぁ、それはそれ

序盤のVR内での恋情(ここは間違いなく恋愛だった)の描き方が
戸惑い含めて凄い面白かったし、それがVRと現実をちょろちょろクロスするのが
序盤は笑いだと思ってみていたんだけども、
そうではなくて、その純粋さみたいなのが後半に繋がっていって
これが情愛を超えたものになっていくようで興味深かったのである
性愛ではない、誰かのためにどうにかしようという気持ち
これはどこにでも沸くそれだから、自然だし、流行の言葉でいえば尊いだろうしなと
深く感動したのでありました

現実世界でも、少しずつ解決があり、親子の情も扱っていたり
偏屈な人間が解けていく、そのために気持ちを向けたというシーンが続くのが
なにせ気持ちがよくて、塀内さんのおせっかいおばさんキャラが最高にいい味出してて
なんというか、全体的に辛い部分もあるはずなのに、凄く優しい世界になってて
心地よく見終えたのでありました
ラストがあっけないというか、そんな感じなんだとエピローグが長い物語を見たような気分でもあったが、
それこそが重要だったなと、よくできた物語を見たと
大変満足した思いをメモっておくのである

とてもよかった、なっちゃんが母親役というのもしみじみだが、上手い演技がすごくよかった
弥十郎さんはいわんやである

将棋ウォーズ2級で右四間飛車左美濃(2022)をとる

2024-06-07 22:02:11 | 将棋

右四間飛車左美濃

これも後々追加されたエフェクトだったけど、棋譜見たら2級の時に取ったのが最後だった
みんな大好き右四間飛車で、囲いは左美濃にしたらもう完璧と
そのまんまの戦法である
ただ、自身の棋譜ながらも、画像のタイミングで飛車振るのは極めてよろしくなくて
このあと8筋で角交換挑まれたら、右四間飛車である意味がまったくないのでは?と思うので
気を付けたいところ

結構手数を使って囲い良し、攻め形良しとなっているので、
ここからどう勝つも何も、ひたすら4筋を飛角銀桂で集中砲火して粉砕していく
ここまで整っていたら後退はあり得ないので、ともかく攻める、ひたすら攻め倒すと
緩手を許さない気構えが何より重要だと思う

囲いは左美濃がとても固いので安心とか思いがちなんだが、
角道を開けている都合上、最初の攻撃で色々とくずせなかった場合に
7筋の歩が上がったところを攻められて、
7六の地点に桂馬とか置かれるようになると一気に死筋に入るので
くれぐれも気を付けたい
ともかく先手で攻め倒して、一気に寄せられなかったら死ぬという覚悟が
この戦法のだいご味のように思う

【読書】わたしの容れもの

2024-06-05 21:05:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
わたしの容れもの  著:角田光代

いいタイトルだなーと感心しながら読んだ
どこかで連載していたエッセーだと思われる
40を過ぎて、体のあちこちに不具合がという状況を
嘆くではなく、はかなむでもなく、
ただそういうものを受け入れて、また、かつてはそう思わなかったことに
気づいたら至っている、なっているという不思議について
つらつら書いていて、なんとなし、共感してしまう
そういう楽しい読み物でありました

作家生活として、9時5時という働き方を実践していたそうで
本書の途中で、それをやめよう、そういう時期がきたのかもと書いていたので
今は違うのか、はたまた、続いているのか
そこはわからないのだけども、スケジュールを組むというか
時間を決めて仕事をするというのは大切なことなんだなと
説教じみたことではなく、しずしず染みてくるようでとてもよかった
その働き方によって、忙しすぎるときをちゃんと過ごせたという
気持ちの良い感想がまた、なんというか、とてもよかったなと思わされるのであった
休息はとても大事だし、ずっと仕事とか、ずっと遊んでるとか
やっぱりそういうのはだめなんだろうと思わされるのである
人にもよりそうではあるが

別の本でも読んだけども、ジョギングやら、色々と体を動かすことをしだしたと
そういうのも載っているんだが、若いころは何もしていないのにだるいと思って
動くことをしなかったというのは、体力を惜しんでいたという観察が面白くて
年を取ってから、体力はある内に使わないとと
意識がシフトして、動いているみたいな感じが、
なんというか面白いなと思わされたのである
実際、年食うと体にいいからという理由ではあるけど
運動しだすようになるよな、不思議なものである

あとは、二日酔いのお話やら、やたら健康の話しが多くて
これはタイトルにある容れものである、体のことだから当たり前なんだが
その妙なおかしみというのが、なんとも肩ひじ張ってないけど
にやにや笑える記述で実に素晴らしいなと感心したのであった
男女の差はあれども、年を食うというのはこういうことだよなという
細かなことの筆致が見事だと思うのでありました

小説家のエッセーは本当、読みやすいし面白いから好きだなと
改めて作風と違うものを堪能したとメモっておくのである

【ドラマ】鬼平犯科帳 本所・桜屋敷

2024-06-04 21:02:15 | ドラマ映画テレビ感想
先日見た映画の前日譚を、なんとテレビでやってたらしく
知らないで見逃してたんだが、幸い、KBS京都でやってくれたので
ありがたく見終えたのでありました
そうか、これ見てから映画見たかったなと思ったんだが
まぁ、それはそれ、二本を通しで撮っていたんだなと思うと
時代劇の火がまだ消えてない内にという焦りみたいなものも感じたわけだが
それはそれとして、新しい鬼平世界を堪能したのでありました

話しとしては、本所に鬼平が帰ってきて、
火盗の頭になったというあたりからの話しで、
敵役でもないが、いい盗人役でマツケンが出てたりして
やたら豪華なのがすごくよかった
殺陣に関しては、マツケンがやられるというのが新鮮な気がしたんだけども
考えてみれば、結構なお年なので大変であったろうと思いつつも
いわゆる、暴れん坊殺陣ではないそれだったので
安心しながら見たわけだが、まぁ、そこはさておいて
とりあえずは、鬼平のキャラを見せる、その一点であった話しだと
見ていてほれぼれしたのである

血闘の方でも思ったことだが、やっぱり、本所の鉄が華奢というか、
上品すぎて違うなーと思ってしまうのだが、
精一杯に演じられていたので、その内年齢を重ねて貫禄が出てくると
若い頃の役ながら、その若さが追いつくんじゃないかと期待したくなる感じであった

しかし、今回の話しは、どことなく梅安先生案件みたいな感じで、
女が独特の悪となり、その憐憫ではない救われないものを描いていて
凄く気まずいが、面白い内容で見入ってしまった
まだ、鬼平を掴み切れてないせいか、いまいち、女の迫力に鬼平が負けているといってはアレだが、
通じないというところのやるせなさが、ちょっと足らないように見えてしまったけども
まぁ、それはそれとして、かつての知った女がそうなってしまったという
その悲惨さと、その末であるというところが、見事に演じられていたので
女優さんがすげぇなと感心したのである
梅安の妹みたいだったわ、本当、池波先生はああいう女性の描き方が上手すぎるのか、
それをやる女優さんも見事に演じ切って、実に花のある物語になるなと感激するほどでありました

結構派手な殺陣が多いし、見せ場、見せ方も大きいので
見ごたえがあるのだけども、もうちょっとこなれて
さらにばっさばっさな殺陣を見たいなと思うところ
後ろの敵の刃を、かついだ形で裁くというのが素敵ではあるが
そういうのの他に、鬼平らしく、ばさばさと、雑魚を叩いて落としていく
テンポのいいそれを見たいなとも思ったりしつつ
新しい鬼平の殺陣を形にしてほしいなと
やっぱりいいものを見たと思ったので
なんとしても続けてほしいと書き留めて、念を送っておくのである
役者も若くそろえたんだから、なにとぞ続編を

【読書】ブルーハワイ

2024-06-03 20:49:47 | 読書感想文とか読み物レビウー
ブルーハワイ  作:青山七恵

イヤミスではないんだが、ちょっと嫌な気持ちになる短編集だった
いや、表題作だけがそれで、あとはそうでもなかったか
表題作も、オチはなんだかあっけらかんとしているというか
なんだかなーという感じで、からりと笑えるので
そこまで嫌でもなかったか
そんな感じで、読んでると気持ちがぶれぶれする短編でありました

少し不思議話しといっていいのか、
もしかするとSFなのか?といった感じの不思議な話しも含めて、
なんとなし、わだかまる毎日と、戸惑いの連続
そんな感じで、日ごろのささいな鬱憤みたいなものが、
破裂するわけではなく、一定量たまったら、なんか違うことになった
みたいな感じで、主人公がだいたい、ちょっと嫌な気持ちになるんだが
そのあとの展開で、それどころではない、とまではいわないが
なんか、その気持ちではないところへと移動してしまう
そんな話しで、ある意味前向きの変化を見てるみたいで
楽しいとも思えたのである

「わたしのばあちゃん」という短編が、本当に短いうえに、
ちょっとした精神錯乱の結果みたいな内容で、
読んでて大丈夫かと思ったんだが、
いつから想像上のおばあちゃんだったか、わからないまま、
でも、そういう風に、想像と実際とが曖昧になることは
多々あるなとも思ったりして、なんか、妙に記憶に残ったのであった
少し怖かった

光る君へ  越前の出会い

2024-06-02 20:48:53 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「光る君へ」
視聴完了しました
新章突入とはまさにといった感じで、
先週から続く、宋人とのあれこれだったわけだが、
ちょっとしたミステリまでやるつもりなのかという展開が面白いのだけども
はたしてはたして

とりあえず序盤は、越前のあれこれを紹介かねてといった感じで、
なるほどなと情勢なんかが把握できたわけだが、
基本的に宋の人感を強めるために、中国語で喋るというのが
ドラマとして、演出としてはいいんだが、視聴者に優しくないよなと思ったりするところ
まぁ、こればっかりやるわけにはいかんだろうから、
さくさくこの件は片付けられそうだなとメタなことを考えてしまうんだが
そうかと思ったら、大切な役のはずの通事が死ぬという展開で、
どうなってしまうんだと思ったら、薬師が日本語しゃべりだすとか
いや、そもそも、日本という言い方をあの時代するか?という問題もあるよなと
違和感を覚えたりしていたんだが、まぁ些事である

そんな越前のあれと並行して、都の方もなんだかんだとばたばたしていて
まだ伊周が問題起こすんだとあっけにとられるほどだったわけだが、
母上に死なれてと、悲しいことは悲しいわけだが、
なんというか栄華が枯れていく様というのを見たように思うのである
そうかと思えば、その家からすると役に立たなかったといわれても仕方ない中宮様が
とうとう懐妊をぶっちゃけて、はたしてどうなるやら

というか、この頃の政治ってこんなことばっかりなのかと
むしろ、ちゃんとやろうとてんやわんやしている越前の方が
よほど政治のように思ったりもしたんだが
今も案外似たようなものなんだろうかと
国の形というものを考えたりするのであった
まぁ、そういうドラマじゃないんだけどもな

そういや、鍼で大声出すっていうのは
流石に違うんじゃないかと思ってしまったんだが
そういうのもあるんだろうか、お灸ならわかるんだけどなぁ

【読書】我が手の太陽

2024-06-01 21:01:06 | 読書感想文とか読み物レビウー
我が手の太陽  作:石田夏穂

溶接工を主人公にした、人間の尊厳、いや、個人の誇りの話し
読んでて辛くなるような感じで、
常に重くのしかかってくる何かを感じての読書になって
なかなかに重たくてよかった
主人公の不安があらゆる角度から照らされているようで、
理由が百も千もあげられそうな感じすらあるのが、
悩みゆく人の心にとどめを刺すような鋭さをもって書かれていて危ない

溶接工という仕事への誇りが、
やがて増長や傲慢と繋がっているようでもあり、
そのために、衰えを認めるということ、
それを直接には一切語らないが、そう思っていそうなこと、
そしてそれを理由に降りようとしていること
そのすべてが、この傲慢という階段の上にいるからではないかというところ
色々と考えてしまうと、まるで、最初から間違っていたかのように
自身を否定してしまいそうな不安というのが
ずっと、間接的に描かれ続けるという地獄で、大変重いのである
読み手における地獄という意味である

これが、誰にでもありそうな、
気づけばそこに誇りと自信があり、それによって他人を下げてしまう
あるいは苛立ってしまうというのは、何にでも起きることだから
そこを描いているとするには、いかにもわかりやすすぎて
鼻白むところであるけど、
その恐怖がどう表れるか、それに飲まれるかというところが興味深い描写で
ラストシーンは、はたして救いなのかどうなのかと
そもそも、あの検査員はと思ったりすると
とても楽しいというか、こういうおとぎ話がありそうだなと
現代版のそれとして読むと、なお面白いと
感じ入ったのでありました