Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

Campagnolo カンパ ウルトラトルク ベアリング グリスアップ

2017-06-12 20:35:57 | 自転車整備 B.B
Campagnolo カンパニョーロのクランク ウルトラトルクのシールドベアリングの
グリスアップを行います 解り易い様に写真を使いご覧頂きます





今回の整備は友人のロードバイク CARRERA カレラの BB 付近から異音がする
と言う事で自転車を預かりました 前回クランクのベアリングに外からグリスを
押し込みましたがもう一度しっかりとやり直す事にしました




Campagnolo CHORUS のクランクです 前回ベアリングの
隙間から SPIN スピンのグリスを押し込みましたが 一晩考え
ベアリングのシールを外しグリスの入れ換えを行う事にします
ただ私も今迄にした事が無い作業です






ベアリングを触ると有る程度グリスが効きそれ程悪い手応えでは
ありません でもここで妥協はしない方が良いでしょう






まだ手を付けていない左側のクランクから始めます






まず見えているシールらしい物を外す為に 先の細い道具を
用意しました それ程大きな隙間では無いので先の薄い物が
良いかと思います これはソルダーエイドです






他にマイナスドライバーでも使えると思いますが サイズは
2.5×0.35 以下のものが良いでしょう




私もこのベアリングの構造は知らないのですが 怖がっていても
前に進みません やってみます






シールの外側から道具を縦にいれます そこから道具を
寝かせシールを持ち上げます ゆっくりと作業を進めると
シールの一部が持ち上がりました






後は元に戻らない様に気を付けながら 他の部分も
持ち上げて行きます




シールを指でつまみシャフトから抜きます






これは樹脂で出来たリテーナーのケースですね 通常の
ケースと形状が異なりケースの背中が外から見え、それが
防塵シールの役目をしています






この様な形の物です 上の写真が背中で外側です
下の写真が内側でボールを銜えています






ベアリング内部です かなりグリスが汚れています
少しざらついた異物も混ざっている様です




回り具合はグリスを見た程、悪くは無いのですが
この状態を放っては置けません






ベアリング内部を洗浄しましょう 同時にフレームから外した
BB カップやスモールパーツも洗ってしまいましょう





さすがに整備テーブルの上では洗えないので外で行います ベアリング内部の汚れを
残さない様にエアブロワも使いながら洗浄します






パーツクリーナーは KURE 呉の物を選びました スプレー後
直ぐに乾かず適度な乾燥時間が有るのが良いですね






べアリングにスプレーしただけでこれだけクリーナーが
汚れました 器の中の物はリテーナーケースです






ベアリングにクリーナーをスプレーしエアーで飛ばす
これを何度か繰り返しました






リテーナーケースも綺麗に洗い 他のパーツの洗浄も完了です






整備テーブルの上でグリスアップを行いましょう
グリスは Campagnolo カンパの LB-100 を使います






ベアリングケースの中を見るとボールはこれだけしか入っていません
リテーナーだから当然ですがこの隙間に驚きました サイズは確認
出来ませんが個数は 15個です






ではグリスをケース内に充填して行きます ここはこの構造では
有る程度 グリスの量が無ければ防水の効果が望めません 
リテーナーケースとベアリングケースとの間に隙間が出来ない量は
欲しいですね






上からグリスをケース内に押し込む様にグリスを塗布しました








念のために先の細い物でベアリングの隙間等へ確実に
グリスが行き渡る様に押し込んでおきます






次はリテーナーケースを取付けます 樹脂で出来たどうでも良い様な
パーツですがスチールボールを等間隔に配置する大切なパーツです
ギザギザの方がベアリングケースの内側に入ります




これにグリスを沢山盛っても仕方がないので ケース全体に
グリスが馴染む程度にグリスを塗っておきます








リテーナーのケースをシールドベアリングに被せます
方向はギザギザの方が下です でも上手く収まらない・・






スチールボールが色々な所に散らばっていると 当然
リテーナーケースにボールが上手く収まりません 
ボールは概ね等間隔に並べて置く必要が有ります






その様にスチールボールを配置し新たにリテーナーケースを被せ
指先でケースを押えて行くと上手くケースが嵌まります






グリスの入れ換えが終わったベアリングを回してみます
グリスが切れた時のシャラシャラした感覚が消えグリスの
手応えを感じます 何よりグリスが汚れた時のジャリジャリした
感じが消えました




続いて右側も行いますが こちらはチェーンリングも取り外し
そこの整備と並行して行います





自転車に関わって長くなりますが全ての事が解っている訳では有りません むしろ知らない事の方が
多いと思います 今回のメンテナンスもやってみて初めて解る事、感じる事が多く有りました

このクランクのベアリングはシールドと言うほどの防水、防塵対策はされていません ベアリングケースと
リテーナーケースとの隙間が多いのでグリスの充填量を多くして、その内圧で異物の混入を防いだ方が
良さそうです オールドカンパと呼ばれる時代の回転部分を思い出します 組付け時にも BBカップの
内側にも相当量グリスの塗布が必要ですね こんな事が何かの時、皆さんの役に立てば幸いです

前回の記事 【 Campagnolo カンパ ウルトラトルク ベアリングの清掃 】 

次の記事 【 Camagnolo CHORUS チェーンリング脱着 清掃 】 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Campagnolo カンパ ウルトラトルク ベアリングの清掃

2017-06-11 20:35:20 | 自転車整備 B.B
自転車の BB 付近からの異音を解消する為の整備で自転車からクランクを外しました
Campagnolo カンパニョーロのクランク ウルトラトルクですがそのシールドベアリングの
清掃を行ってみます





ロードバイクから取り外した Campagnolo CHORUS のカーボンクランク
これに圧入されたベアリングの整備を行います






ウルトラトルクと言う構造を持ったクランクです






この左側のクランクは BB カップから中々外れなかった方です
指先でベアリングを回してみるとまだグリスの手応えは感じます








ウエスで汚れを拭き取ります この時ベアリングにゴミが
入る様な拭き方はしない方が賢明です シャフトもそれ程
傷んでいる訳ではなさそうです




ベアリングのケースに錆が出ていますここは組付けの時
本来ならグリスを塗っているはずですが 水が回り易い
所なので仕方がないのかな・・ しかしこうなるまでに
クランクの脱着をし、新しいグリスを塗布した方が良いですね






こちらは右側です 基本的な構造は同じです






見た感じ、触った感じも左側とは違います ベアリングはシャラシャラと
回りグリスの手応えを感じません そこにゴミが噛んでいる感触まで
有ります 良い状態では有りません






こちらもウエスで汚れを拭き取りました さてこれから
どうしましょう 本来ならベアリングの打替えなんだと思います



Microlon

しかし出来るだけの事はやってみます Microlon マイクロロンの
メタルトリートメントスプレーです これの本来の用途はテフロンの
塗布ですが、強い浸透力と驚く程の洗浄力が有ります これで
シールドの隙間からベアリング内の清掃を行ってみます
220ml 3800円と言う高価な物です




マイクロロンで清掃するとシャーと良く回る様にはなりました
スプレーは乾燥しテフロンだけが残ります さてここから・・



SPIN



このシールドベアリングですが構造が良く解りません
通常の鋼板やゴムシールドとは少し違う様です
このシールドの隙間からスチールボールが少し見えます
この隙間から SPIN スピンのグリスを押し込んでみます






この方法では多くのグリスが入らないのは今迄の経験で解ります
ボールの表面だけに薄く塗っていれば OK と言う SPIN を選んだのは
そんな理由です 爪楊枝の先を薄く削りこれでグリスを押し込みました




手で確かめるとグリスがボールにまとわり付いている
回り方に変りました でもこれで良いのかな・・






今日は自転車本体には触れなかったですね
この BB 付近からの異音 その原因が解った訳では有りません
出来るだけ丁寧で確実な組み付けをこれから行って行きます





今日はこれで終り自転車はこの様に保管しておきます 今日のベアリングのメンテナンスは
これで良かったのか少し気持ちに引っ掛かります 他の方法も含め一晩良く考えてみます

前回の記事 【 Capagnolo カンパ BBカップの取り外し ウルトラトルク 】

次の記事 【 Campagnolo ウルトラトルク ベアリング グリスアップ 】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Campagnolo カンパ BBカップの取り外し ウルトラトルク

2017-06-10 20:51:00 | 自転車整備 B.B
BB 付近からの音鳴りの為に預ったロードバイク 前回は Campagnolo のクランクを外しました
今回は BB カップを取り外しましょう





友人のロードバイクの BB 付近から異音がするとの事で自転車を預かっています
前回はクランクを外しましたが 今回は BB カップを外します 使われているのは
Campagnolo CHORUS ウルトラトルクです




自転車小屋で作業をしていると 別の友人から
そちらへ行って良いですか?とのメッセージが届き
直ぐにおいでになりました




自転車に乗っているとクランクが緩み抜けて来たので
自宅でクランクを脱着した処、左右同じ方向に取り付けて
しまったらしい 成る程これじゃ乗れないです(笑)






コッタレスクランクの抜き工具を持っていないので
助けて下さいとの事 はい、直ぐにやりますよこれは
今迄数知れずやって来た事です






一旦クランクを外し少し掃除をして四角テーパーに
グリスを塗ってから締め込みました こんな事なら
何時でも来て下さいよ 凄く上品な手土産を持って来て
下さったのがかえって申し訳無かったです 有り難く頂きました



BB カップ



さて予定していた作業を進めます これは右側のカップです
スレッドタイプの JIS 規格のはずです






このカップを外す為の工具は何種類か有りますが
今回は VAR のこのタイプを使います BP-99900








工具をカップに被せモンキーレンチで緩めます JIS 規格の
右側は 逆ネジです  あら固くて緩まないな・・・

ここで BB 小物の規格をおさらいします
B.B小物の規格
JIS      左 正ネジ 右 逆ネジ 巾68mm 
ITA (イタリアン) 左右共 正ネジ 巾70mm
FRE (フレンチ)  左右共 正ネジ 巾68mm  が有ります

ワンの規格もそれぞれ異なり
JIS  1.37X24TPI
ITA  M36X24TPI
FRE  M35X1   となっています






まさかイタリアンと言う事は無いでしょうね 左側は
JIS も ITA も正ネジです こちらを外してみましょう






かなり固い手応えで外れました 最初から最後まで
固かったのでネジの緩め止め剤を使っているのでしょう




部品に書かれている文字は 1.370"×24TPI 間違いなく JIS です








もう一度右側に戻ります VAR の工具は結構滑り易く
スパナタイプの工具に変えます




この工具と言うより BB カップの形状は工具が外に逃げ易いので
工具が外れない様にしっかりと抑えます 工具が外れると自分が
怪我をします 怪我は恥だと思えば良いです






かなり固かったですが無事に外れました BB 小物の
固く締まっているのは良く有る事です




これでハンガー周りの駆動部が取り外せました
この後良く点検します






ハンガーシェルの中を覗いてみます 汚れています




パーツクリーナーを使い内部の掃除をしましょう KURE の
クリーナーは適度な乾燥時間が有り 使い易くて私は気に入っています






フレームにクリーナーがあまり掛らない様に気を付けながら
掃除をします特にネジは念入りに行いました 






ハンガーシェルの内部が綺麗になりました 音鳴りの解消が
目的なのでネジには異物を残したく有りません








クランクを外すと今迄掃除がし難かった所が良く見えます
こんな時に綺麗にしておきます




これは Simple Green 洗剤のシンプルグリーンを薄めた物です
自分の手拭き用に何時も手に届く所に置いています これで汚れを
拭き取ります






その後はワックスを掛けておきます 汚れ落しと共に
カルナバロウが良い艶を与えてくれます 一つ用意
しておくと便利に使えます






少しは綺麗になりました 自転車整備とは違う作業ですが
少し手間を掛ける事で綺麗な自転車になります





鮮やかなピンクの花ですね 明るくて良いです近くの河原で咲いていました

音鳴りの解消の為に預った自転車ですがすでに幾つもの作業にお付き合いを頂いています
一つずつを確実に作業を進めると時間が掛ります あの時にやっておけば良かったと後戻りを
したくありませんしね・・ 次回は一番怪しいクランクのベアリングの状態を見てみます
またお付き合い下さい

前回の作業 【 Campagnolo カンパ ウルトラトルク クランクを外す 】

次の作業 【 Campagnolo カンパウルトラトルク ベアリングの清掃 】

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Campagnoro カンパ ウルトラトルク クランクを外す

2017-06-09 20:19:19 | ロード
自転車の BB 辺りから音が出ると言う事で預かった友人のロードバイク 今回はクランクを外してみます
チェーンホイールは Campagnolo カンパニョーロの CHORUS コーラス ウルトラトルクです





友人のロードバイク CARRERA ERAKLE TS この自転車の BB 付近から音が出ると言う事で預り
ここまでに洗車とオイルアップを済ませています




原因がはっきりしない以上考えられる事をチェック
して行きましょう この ERAKLE TS と言うフレームは
販売年数に依り BB の規格が良く変っています 今回の
フレームは従来のスレッドタイプです



伸び

折角ですからチェーンの伸び具合をチェックしてみます
Shimano シマノの工具です TL-CN42 






チェーンチェッカーで測ってみます あら・・・ 
少し伸びている様ですね




別の道具でも測ってみましょう VAR バールの
チェーンウェアーインジケーターと言う物です CH-049000






当然ですが結果は同じです VAR は 0.075mm 伸びていれば
チェーンの交換時期だと謳っています






0.1mm は伸びていない様です 時期を見て早目にチェーンの
交換はした方が良いでしょうね




クランクの回転具合を見るのにチェーンを外しました










チェーンが邪魔になるのでサドルから吊り上げました






この状態でクランクを回してみます シャラシャラと乾いた
音がして回っています 決して良い状態では有りません






ウルトラトルクはクランクに元から取り付けられた左右の
BB シャフトをシャフトの内部でボルトに依って締め付けられています






そのボルトを 10mm のアーレンキーで緩めます








ハンガーシェルの中心付近に有るボルトをアーレンキーだけで
緩めるにはかなり大きな物が要ります 小さなアーレンキーしか
無いのでモンキーレンチと併用し作業を進めています ※ ネジは正ネジです






ネジが最後まで緩みましたが出て来ないのでドライバーで
持ち出しました




取り外したフィキシングボルトです 左右のクランクは
これだけで結合されています






クランクを引き抜くのは左側からです 引っ張れば
抜けるはずですが随分と固いです 抜けそうな気がしません




先程外したボルトを少しねじ込み 差し込んだアーレンキーの
頭をプラハンマーで叩いてみます 悪くない手応えです






BB カップから少しクランクが抜けて来ました




それでもまだ少し固いので無理をしない程度に
フレームとクランクの間に物を入れ少し捏ねます








何とか外す事が出来ました シールドベアリングに少し
錆が出ていたのでベアリングケースが少し膨れたのかも
分らないですね




BB カップの様子です 茶色く見えるのは錆の跡でしょうね
穴の奥に見ているのが右側のシャフトです








これは右側ですこちらにはクランクの抜け止めの
ピンが装着されています これを先の細い物を使い
持ち上げます






反対側にも同じ物が有ります それを同じ様に持ち上げると
この様なピンが外れます








右側も固い時は 左側から何かを突っ込み叩きます
何かと言っても何でも良い訳では有りません
これは水道の給水パイプで サイズが13mm のパイプに
ソケットと言う継手を取付けています ソケットの外径は
24mm でこの大きさがピッタリです シャフトに傷を付ける
ことも無く良いと思います






左側のカップから給水パイプを差し込みプラハンマーで
軽く叩きます








これで右側のクランクも抜けました





これで左右のクランクが外れました 固着と言う訳では有りませんでしたが
固くて外れなくなる前の適度な時期に 脱着とグリスの塗布はした方が良い部分ですね
次回は BB カップを取り外します 是非お付き合い下さい

前回の記事 【 ロードバイク 正確なポジション測定 】

次の作業 【 Campagnolo カンパ BBカップの取り外し ウルトラトルク 】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

木製 自転車立て 作り置き

2017-06-08 20:44:04 | よもやま話
自分で作る木製の自転車用スタンド 昨年から随分作りましたが人気が有り
自転車小屋に置いておくと誰かが持って行って使ってくれます 少し時間が
有ったので追加で作ってみました






木製の自転車スタンドは昨年、試しに作ってみると
中々使い勝手が良く友人や知人の間で使ってくれています
今回も材料と時間が有ったので作っておきます 木材を
必要寸法に切り組立てています




この段階で後で色が塗れない部分の塗装をしておきます






何度か重ね塗りをして乾燥させました マスキングテープを
剥します






塗装は途中でペーパーを掛け表面を滑らかにしながら塗ったので
綺麗な塗装が出来ています ここはタイヤが当るので滑らかな
方が良いですね マスキングの甘い所から塗料が回っています
マスキングの重要性は良く解っていながらのおおちゃくな仕事
反省しないといけません






自転車に合せて組立てていきます ホイールの巾に合せて
作るとしっかりと自立するスタンドになります






ARAYA アラヤのピスト用ディスクホイールは幅が広く 
それにも使える汎用性の高い物を作ると 巾の狭いホイールでは
自転車が傾いて不安定になります 今回は巾を狭くしました






表面に在庫が有った透明のニスを塗りましたが 少し貧弱な
感じがしたのでニスを買ってきました 作る物にも依りますが
多少色が付いている方が良いですね




アラヤのピスト用ディスクホイールに合せて作った左側と
今回自分の自転車に合せて作った物です






この色の違いは以前の物は上のライトオーク 
今回買って来たのが下のメープルと言う色です




どちらのスタンドもしっかりと自転車は自立しています




金属が主材の自転車と木材の組み合わせは好きでは
無かったのですが これに関しては便利なので良いかな





作るのもかなり慣れて来たので合間の時間で作れる様になりました
木材はなるべく余った端材を使いますが 塗料は無くなれば買う事になり
案外塗料代に喰われますね また誰かが欲しいって言うんだろうか・・(笑)

このスタンドの作り方 【 木製 自転車用スタンドの作り方 】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする