森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

天地人9回「謙信の死」

2009-03-02 02:29:34 | ドラマ (大河)
 なんか今日はスッキリしているなと思ったら、演出が元の片岡さんに戻っていましたね。と言うことは、あのスッポットライト演出はなしね。ホッとしている方も多いのかもしれません。私もちょっと謙信臨終のシーンで、それをやられたら嫌だなと思っていたのですよ。
それにやっぱり変なところで泣かないと言うのはポイントだとも思いました。久し振りに妻夫木君がカッコよく見えました。

「天地人」は冒頭数分のオープニングガイドが、結構面白いし見応えがありますね。
今回は「たたかう」がテーマ。
たたかい続け、負け知らずだった謙信が勝てなかったものは己の「病」だけだった・・・。

謙信は49歳。自分でもまだまだ倒れるとは思っていなかったのでしょうか。ゆえに真の遺言なく、その後の争いの原因を残してしまったのかも知れません。または二人の子供、家臣を信じきっていたのでしょうか。自分の伝えたかった「義」の意味が分かっていれば、争いなど起きるわけはないと過信していたのかもしれません。

その真実は分からないことですが、謙信が倒れたときの家臣のまとめ方には、やはり景虎にはリーダーとしての貫禄と力が感じられました。寡黙な景勝の分が悪いというか・・・。

でもやはりここで、謙信の思う「義」と言うものが家臣の中に浸透していたら、この先の争いなんかは起こらなかったような気がしました。結局は自分の小さな欲から波が起きてしまうというような感じ。しかも家臣からの小さな波から一枚岩が崩れてしまう構図。人の意思を継ぐということは難しいことなんですね。


くだらない妄想ですが、私がここに男子として存在していたら、迷いなく景勝を押します。確かに見た目の華もなく、人を束ねる「声」も景勝は持ってはいませんが、いくさ場では景虎に劣らない活躍をしているらしいですし、何の問題もないはず。ならば景勝の持っている血脈の正統性を取るのが正義と、私は考えるからです。

優れているか否かなんて、なんの計りをもって判断するのか分からない不確かなもので、判断することこそ危ういと言うものです。

そう思うからこそ、今回のお話、結構面白かったです。


上杉の歴史は、図らずも女が作っちゃたナぐらいは思いましたが、自分達の権力欲で騒いでいる景虎派の男達を黙らせる手段としては仕方がなかったと思います。

が、皮肉にも景虎の中に、もし何かが生まれたとしたら、それは謙信の遺言だと言うその言葉を聞いた瞬間だったのではないかと思ってしまいました。

聡明な景虎は自分自身の力は充分知っていて、しっかり誇りを持っていたと思います。ゆえに分をわきまえ、過剰な欲は持っていなかったと思うのです。謙信の事を心から慕っていましたし。

だからこそ、臨終のその時に謙信が敢て景勝の名を挙げたということに深く傷ついたのではないでしょうか。


いつも思っていることですが、
子供のみならず大人でも、二人いたらうっかり一人だけを褒めてはいけない。もう一人は褒められなかったと言う感覚ではなく貶されたような気持ちになってしまう場合が在るから。同じように一人を選ぶと、もう一人は選ばれなかっただけと思うのではなく、排除されたような寂しさを感じるばあいもある。
そんなことを私は思い出しながら見ていました。


景虎はその後辛そうにしていましたよね。でも彼にはそんな時明るく支えてくれる家臣がいませんでした・・・。


ところで世間ではアカデミー賞効果でまたも「おくりびと」が連日満員らしいです。まだ未見なのが残念ですが、観た人たちが「美しい所作」を褒めていますね。

今日の回復を祈る謙信の館も、とっても美しかったですね。廊下に灯る明かり。山から流れ出てくる清水。岩から噴出すその水の音。
阿部謙信の臨終シーンも見応えがありました。

これで退場。ちょっと寂しいです。









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6 コメント

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こんにちは!! (くみ)
2009-03-02 16:28:52
普通に演出すれば結構いいんじゃないか?と思った今回です。

わたしも家督は正統性から「景勝」だと思います。
置かれた立場から、景虎の周囲には、私利私欲で動くものが近づきやすかったと思うのですよ。
景虎が家督を継いだら、越後から関東一帯すべて北条のもの、ということになりますから。

ま、すべてはちゃんと万が一のことを決めておかなかった謙信さんのせいですが。

ところで以前、松たか子さんのことを書かれていらっしゃいましたね。
わたしも、彼女が演じた、日野富子の少女時代を観て、
「何?何者、この娘??演技上手い!美人!!」
とひきつけられました。
松本幸四郎の娘ときいて、「をを!」と思ったです。
少女時代が終ったら、観るの辞めちゃったですよ。
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こんにちは♪ (ミチ)
2009-03-02 23:53:46
わざわざ兼続を(ぶっきーを)泣かせなくても、今回のラストのように、景勝についていくと決意した目のウルウルのほうがよっぽどグッと来るのにな~と思ってしまいました。
景虎の周りには何でも話せるような若い家臣が見当たりませんよね。
なにやら腹黒そうな人ばかりで。
景虎の今後を知っているせいか、気の毒になってしまいました。
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くみ様 (kiriy)
2009-03-03 09:09:43
>普通に演出すれば結構いいんじゃないか?
言えていますよね~。
私は、シナリオと演出の関係ってどうなっているのか分からない部分があるのですが、兼続が泣くシーンは、何処まで書き込んであるんでしょうね。
スポットライト演出は、一回目は許せても、先週は限界でしたよ。
が、今週ないと分かると、「なんだないのか~」とちょっと思ってしまって、なんかMの心境(笑)

家督の事ですが、くみさんはたぶん私と同じ考えだと思っていました。詳しい理由は述べられてはいませんでしたが、前にはっきり記事内で宣言していましたよね。その時、理由は私と同じなのではと勝手に思ってしまったのですよ

松たか子さんのことですが、やっぱり同じように感じていた方がいらしたのですね~。私もあの後、ちょっと辛かったです。かなり昔になってしまいますが、その時の反省を生かして、子役であまり引っ張らないとNHKは方針を立てているのかナとか、今回の「天地人」を見て思ったりしていました。
でもあのドラマは、他にも萬屋のキンちゃんとか、狂言のあの人(度忘れしちゃった・汗)とか、ルー大柴がいい演技をしていたとか、音楽が良かったとか、物語が変な割には、はまりに嵌ったドラマでした。正直な気持ちを言うと三田さんがイマイチだったほかは・・・と言う所です。
すみません、うっかり熱く語ってしまいました(汗)



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ミチ様 (kiriy)
2009-03-03 09:28:30
こんにちは。こちらにもコメントをありがとうございました。
>景勝についていくと決意した目のウルウルのほうがよっぽどグッと来るのにな~と思ってしまいました。

同感です。

前にタイトルに「泣き虫与六」と言うのがありましたよね。わざわざ、それをタイトルにしたのは、今後も泣き続けるぞとの宣言だったのですね。なんとなく作者(ライターさん)の意図が分かってきましたよ。この戦国を泣きながら生き抜いていった男と言うことなのかと思うのですね。泣きながら如何に「愛」と言う兜を被るようになっていったのか・・・。

これからの景虎との戦いのことを思うと、兼続の号泣は必須の予感。
そこは泣かせるだろ、普通。そして私は感動したい、その涙に。

だから、だからこそ、つまらないところで泣かせないで欲しいと思ってしまうのですよね。

あら、また熱く語ってしまいました(汗)

景虎の周りには北斗の七星たる家臣がいないですよね。もしいたら
「殿、組織って言うのは長より副が実は要なんですよ。長は飾り副は実務で、本当に優秀な人は脇に回ることが大切なんですよ~」と慰めてあげて欲しかったなと思います。
って、またくだらない事言っちゃった(笑)
返信する
花の乱とは懐かしい (haru)
2009-03-03 19:08:05
トラックバックありがとうございました。
謙信の臨終にスポットライトがと思うと私は気が遠くなります。そうならなくて良かったです。御館の乱もスポットライトのもと信長に初音が景勝が勝ちましたと報告して終わってしまうのではないかと密かに心配しています。
ここのコメント欄で、花の乱の話で盛り上がっているのは嬉しいですね。家には銀閣寺前の花の乱展示館で購入した黒字で金の文字で花の乱と書かれた公式Tシャツがあります。確かに、あのときの松たか子さんは綺麗でした。お父さんの松本幸四郎も天狗役で出てました。細川勝元役の野村萬斎ははじめ誰?とか思いましたが、本業が俳優じゃないと聞いて驚きました。彼の成功が、時宗であのお方を主人公にしてしまうことになったのは歴史の皮肉と言ったら言い過ぎでしょうか。団十郎も錦之介もルー大柴も草苅正雄も熱演でしたが、主役の三田佳子がピリッとしなかったですね。確か三田佳子の旦那様が制作総括だったのではなかったかなと思います。大河で忙しい両親のいない三田邸の地下室では…
長くなりましたが、花の乱は太平記とともに地味な中世を題材にし、室町時代のおどろおどろしさをよく表現していたということで私の評価は高いです。また来ます。
http://blog.livedoor.jp/haru1106/
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haru様 (kiriy)
2009-03-04 08:58:53
おはようございます。コメント、ありがとうございます。

「花の乱」は低視聴率で苦しんだ作品だったと思いますが、今回の「天地人」の高視聴率とかを思うと、作品の出来はやはり視聴率のみでは分からないと言うことだとしみじみ思います。

ただ、高視聴率にはそれなりの理由があるなと、それも思います。ブロガーさんたちには突っ込まれてしまうところだと思うのですが、あまり物語が複雑ではなく、単純で分かりやすいとか言うのがポイントのような気がするのです。分かりやすいゆえに感情移入しやすく、感動しやすいと言う構図。意外や涙はその武器だったりして。老いも若きも視聴者に取り込むことこそ、ドラマヒットのポイント。
「花の乱」は、あそこもここもと良いシーンがいっぱいなのに、マニアック的で特に老いの人たちを切り捨ててしまったように思います(我見です)ゆえに低視聴率だったと思うのです。でも、良い作品でしたよね。
>「公式Tシャツ」
そういうものがあったのですね~。そういうものを思わず買ってしまったharuさんは、やっぱりかなりその作品に「愛」があったのですね♪

>大河で忙しい両親のいない三田邸の地下室では…
そうですね~。それを思うとちょっと複雑ですね。

またまた、熱く語ってしまいました。私もまた伺います。よろしくお願いいたします。
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