森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

鎌倉殿の13人 第44回「審判の日」

2022-11-23 09:35:09 | ドラマ (大河)

例えば、秋の紅葉の赤や黄色のグラデーションをしみじみと美しいと感動するのは、実は少々の年齢を重ねる必要があったのだとか、または花の美しさに惹かれ花追い人をやりたくなるのも、また同じだったりするのだと、思ったり気がつかれたことはないでしょうか。

冒頭で、「ああ、今日は『審判の日』、雪の日の鶴岡八幡宮かしら。」と思った時に、私はその「秋の紅葉」と「花追い人」の感覚を、思い出したのです。

ワクワクと言ったら、内容的に不謹慎ですが、冒頭でそれを感じ、ふと何故昔見た「草燃える」ではそれを感じなかったのかと思ったら、それは重ねた年輪に寄るものなのではないかと思ったのでした。

もちろん、三谷氏は言うかもしれません。

「それは僕の物語が面白いからですよ。」と。

確かに。

だけどやっぱりそれだけではないような気がするのです。

「草燃える」は意外と好きな大河ドラマでした。だけど今も良く覚えているのは、頼朝と政子の略奪婚のような形で結ばれたシーンとか、義時とその妻茜のシーンとか、なんとなくロマンチックや切ないようなシーンばかり。

三浦も畠山も和田もみんな出ていたというのに・・・。

時を重ねて、私は鎌倉の御家人たちにようやく目を向け、その生きざまにドキドキしたりワクワクしたりする術を身に着けたのではないかと感じたのです。

だけどその中で、鶴岡八幡宮の実朝最後のシーンは、割と覚えている方で、実はこのシーンがずっとドラマには関係なく好きなのです。

大銀杏の陰で、身をひそめる公暁。

ドクンドクンドクン・・・・。

ハァハァハァ・・・・。

その胸の音が、静かな雪の階段に響きそうな、吐く息遣いが白い霧になり視界を遮る、そんな世界・・・・

そこに実朝は厳かに、静かにやってきます。

深々と雪が降っていて・・・・。

 

今回はそこまでは行きませんでした。

でもこの短い1時間も満たない間に、私は何回「えっ ?」「ええ~!!」「えー?どうなるの?」と思った事でしょう。

実朝の運命は決まっている。悲しい事だけれど。それが歴史の物語だから。

だけどそこに至る道のドラマが本当に凄まじく、そして素晴らしかったですね。

冒頭に感じた、不謹慎ながらのワクワクと言う感覚は、間違いではなかったと思いました。

 

最初は、black義時ではなかった・・・。

なんとしても実朝を助けようとしていたと思います。

だけどあの実朝の鎌倉を捨てると言う言葉を聞いた時に、義時は完全に闇落ちでしたね。

今までも相当修羅の道だったと思うのにと、小栗氏もインタビューで言っていましたね。でも、

「ここから先は修羅の道だ。」と「ここから先」と言うのですからね。「じゃあ今までは?」と突っ込まれた視聴者の方はたくさんいらしたと思います。

 

しかし事態の流れで、そうなって行ってしまった今までの粛清とは違って、自分の意思で、主君である鎌倉殿の危機を敢えて見逃し、そしてそれを実行した公暁を、その場で切ると言う計画。

つまり義時は、はっきりと源氏の直系の血を絶やすと決意し源氏を心の中で切ったのだと思います。

鎌倉殿は、何も源氏と北条の血の者ではなくてもいいのだと、そのような考え方もあったのだと義時に教えてくれたのは実朝だったわけで、なんという皮肉な事かと思ってしまいます。

ただこの決意を時房に告げ

「ついて来てくれるか。」と言うと

「もちろんです。」と即答。

一瞬の間もありません。

義時にとって、この時房は本当にありがたい存在ですね。

 

兄の真実を知って、公暁の憎しみの心を知った実朝は彼に会いに行きます。

そこで心を割っての話し合い。

手に手を取って、「共に鎌倉を北条から取り戻そう。」とか言うじゃないですか。

さっき捨てると言ったじゃないの ?

つまり自分は大御所になり、新しい新御所と政治の中心を西にオイオイは移し、そして公暁には鎌倉の番人にでもなって貰う・・・。

何となく足利がやったような事かなってな感じ ?

だからこの「鎌倉」と言うのは、政権という事なのでしょう。

この時私も騙されて、「じゃあ、ここで二人は和解し、心を通じ合わせるのね。えっー、じゃあ、実朝は誰に ?」

などと、一瞬思ってしまったのですが、そうはならなかったのです。

公暁の憎しみの塊は、母の説得でも解けず、実朝の心を割った話し合いにも響きませんでした。

「騙されるものか・・・・・」はなにげに悲しいセリフでした。

 

権力の手中を目の前にした仲章は油断しましたね。

義時が自分に刺客を放ってくることは予想して、トゥは捉えられてしまいました。

勝ち誇った顔をして、「絶対に吐かせてみせます。」と、何か楽しみにしていてねみたいな感じで、彼は自分の絶対勝利を信じて疑ってなかったと思います。

彼の油断は、自分の抹殺以外に、他に何が起きているのかを知る事が出来なかった事だと思います。

 

私は普通に公暁の暗殺計画を知って、仲章に何か良い事を言って(歴史的には白い犬の夢のお告げを信じて、腹痛と言う仮病を使って帰ってしまうですよね。)、自分の役割を押し付けるのかと、このドラマを見るまで思っていました。だけどそこに居て公暁を切り捨てるというし、どうするのかと思っていたら、まさかまさかの仲章、自分から。

やーい、ざまあみろ・・・・・・いやいやいや、そのようなダークな心のうちはバラシてはいけませんね(^_^;)

 

しかし思わずそんな気持ちにさせた源仲章、生田斗真は素晴らしかったです。

 

書ききれないから書かないわけですが、今回もどのシーンも良かったです。

・三浦の嘘の見破り方 !

これ、前からやっていたわけですよね。

以前の分を録画して取っておくと言う習慣がないものですから、今は確かめようがないのですが、遡って確かめてみたいですよね。総集編に期待です^^

 

・政子とつつじ、ふたりの母の心情。

・「手も握ってませんから。」「そんな事はどうでも良い。」
 のえ、可哀想に思いました。義時、奥さんは大事にしなきゃね。

・「太郎の我儘」に世間様は萌えたようですが、私はさほど^^

 父もターゲットだったと知った時の、彼の動揺シーンの方が好き。

・しかしなんで、この先排除されるかもしれない男に、ベラベラと先の計画話すかねと思った次第。

・運慶の仏像前でのチーム北条のコメディシーンは癒されました。

・運慶の仕事は、ヨーロッパでは普通にやられていた工房と言う考え方ですよね。

彼が出てくると、夏に「運慶展」に行ってて良かったと思ってしまいます。

さりげなく自慢。

記事のリンクを貼ろうとしましたが、あまり運慶の作品の感想もなかったので止めました。

12神将像は見たのですよ。有益な資料が見つかったら、また追記しておこうと思います。

 

 


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