「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

政治における「動詞」と「形容詞」

2010-06-03 10:01:56 | シチズンシップ教育
本日、朝日新聞『天声人語』において、政治についての興味深い文章が出ていました。

*****エピソード*****
 中曽根元首相がかつて、新党さきがけの代表幹事だったころの鳩山首相に辛口の注文をつけた。「政治は、美しいとか、キラリと光るとか、形容詞でやるのでなく、動詞でやるものだ」と。
 鳩山さんは、「行動の前に哲学的な形容詞を大事にするべきではないか」と反論していた。
***************

 その事実をもとに、筆者は、「形容詞を欠く政治はやせ細った代物だろう。とはいえ動詞なき政治は絵に描いた餅にすぎない。」と述べています。

 二宮尊徳も、どうようなことを述べていました。
 「道徳なき経済は犯罪である。経済なき道徳は寝言である。」
 経済、道徳のそれぞれの箇所に、政治という言葉が入りそうです。

 私は、政治において、「動詞」は必要条件であるが、十分条件ではないと思います。
 「動詞」の積み重ねは、欠かせないものです。
 ただ、その「動詞」を積み重ねた先に、何が見えてくるかの、理念を描いた「形容詞」を伴わなくてはならないはずです。

 いままでの政治は、「動詞」に偏重してきたのではないでしょうか。
 「動詞」は、区民参加のもとで創り上げ、区民の声を多く反映した「形容詞」をつけて仕上げるべきです。

 「動詞」と「形容詞」のバランスを見ながら、中央区政を進めて行きたいものです。

******天声人語*****
2010年6月3日(木)付

 去年9月の小欄で、中曽根元首相がかつて、新党さきがけの代表幹事だったころの鳩山首相に辛口の注文をつけた話を書いた。「政治は、美しいとか、キラリと光るとか、形容詞でやるのでなく、動詞でやるものだ」と▼鳩山さんは、「行動の前に哲学的な形容詞を大事にするべきではないか」と反論していた。たしかに、形容詞を欠く政治はやせ細った代物だろう。とはいえ動詞なき政治は絵に描いた餅にすぎない。中曽根さんの指摘は、この日を見通していたようでもある▼甘い感傷を詩歌にうたう人を「星菫(せいきん)派」などと呼ぶ。辞意を表明した民主党の両院議員総会での演説も、鳩山さんは持ち味を発揮していた。「ヒヨドリがそろそろ自宅に戻って来いよと……」などと言って総理大臣を辞める人も珍しい▼普天間への真摯(しんし)な「思い」も繰り返した。それが国民に分かってもらえなかったと嘆くが、多くの人は分かっている。「思い」を果たすために、米国とまともに交渉した痕跡さえないことに失望しているのだ。へなへなと萎(しお)れて沖縄を裏切った▼元首相の吉田茂に逸話がある。新聞記者にコップの水をかけた吉田が、さる貴い人から「気持ちはわかります」と言われたそうだ。「水をかけたいと思うだけなら、誰でも思います」と吉田は答えたという。「大事なのは、水をかけることでございます」▼小沢幹事長もポストを去る。「小鳩」に代わる新体制には、甘い言葉よりも簡潔でゆるぎない「動詞」がほしい。二人羽織を終演させれば、主語も一つになるはずである。
*****以上*****
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子宮頸がん予防ワクチンの重要性

2010-06-03 02:05:38 | 医療
 医師会主催の子宮頸がん予防ワクチンの講演会に参加してきました。
 講師は、東京慈恵会医科大学産婦人科講師、こころとからだの元気プラザ診療部長 小田瑞恵先生でした。

 一般の方の知識として、お伝えすべきポイントを書きます。

①「子宮頸がん」とは、子宮の入り口付近にできるがんです。「子宮がん」には、二種類あるうちのひとつで、もうひとつが「子宮体がん」です。

②その「子宮頸がん」の原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因です。HPVは、皮膚や粘膜に存在するごくありふれたウイルスです。100種類以上ありますが、そのうちの15種類が、「発がん性」をもっています。

③「発がん性HPV」は性交渉により感染します。ただし、HPVは、STDには、ふくまれません。

④「発がん性HPV」に感染しても、多くは、自然に排除されます。ごく一部ががん化します。

⑤子宮頸がん予防ワクチン(商品名サーバリックス グラクソスミスクライン株式会社製)で、予防できる「発がん性HPV」は、16型と18型の二種類です。この二種類が、「子宮頸がん」の六割の原因をしめています。(全部の「発がん性HPV」を予防できるわけではありません。)

⑥ワクチンとともに、子宮頸がん検診を受けることが、「子宮頸がん」予防には大切です。

⑦性交渉が、すでにある場合でも、発がん性HPVを自然排除している場合もあります。何度も感染しますので、次のウイルス感染をふせぐ意味で、ワクチンは大切です。ただし、ワクチンでは、感染している「発がん性HPV」を排除したり、子宮頸がんや前がん病変の進行を遅らせることはできません。

⑧接種は、半年間に3回接種します。妊婦には、接種することなく、出産後をまちます。
 (初回、初回から一ヵ月後に二回目、初回から六ヶ月後に三回目)
 上腕三角筋に、筋肉注射。

⑨ワクチン接種にともなう重篤な副作用はありません。

以上

 本区でも、子宮頸がん予防ワクチンの公費負担を早期に実現することが大切です。
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鳩山由紀夫首相 あいさつ 全文(2日民主党両院議員総会)

2010-06-03 01:29:17 | 政策・マニフェスト

 鳩山由紀夫首相の2日の民主党両院議員総会での発言全文を掲載します。
 発言された内容に、共感する部分が多くありました。
 私が、重要と思う部分に、下線を引いています。

 鳩山氏が目指された「駐留なき安保」「東アジア共同体」「地域主権」「あたらしい公共」「クリーンな政治」は、日本にとってとても大切な課題であると認識しています。

*****以下、全文*****

 お集まりのみなさんありがとうございます。そして国民の皆さんありがとうございました。昨年の暑い夏の戦いの結果、日本の政治の歴史は大きく変わった。国民の判断は決して間違っていなかった。若く素晴らしい国会議員がすくすくと育ち、国会の中で活動を続けています。国民の判断のおかげであります。

 政権交代によって国民の皆さんの暮らしが必ず良くなるとの確信の下で、皆さんにお選びいただき、首相として今日までまいりました。皆さん方と協力して「日本の歴史を変えよう。官僚任せの政治ではなく、政治主導国民が主役になる政治をつくろう」と思いながら今日まで頑張ってきたつもりであります。

 今日お集まりの国会議員と一緒に、国民のために予算をつくれたことを誇りに思っています。子ども手当、高校無償化も始まっています。子どもにやさしい、未来に魅力ある日本に変えていこう。決して間違っていないと確信をしています。産業を活性化しなくてはいけない。特に1次産業が厳しい。農業の戸別所得補償制度がスタートしています。1次産業が2次産業、3次産業とあわせて再生する日も近いと確信しています。

 さまざまな変化が国民の暮らしに起きています。水俣病もそうです。医療崩壊が始まっている地域をなんとかしないといけない。医療費をわずかですが増やすことができたのも国民の意思だと思っています。

 残念なことに、私たち政権与党の姿が国民の心に映っていません。徐々に聞く耳を持たなくなってしまった。そのことは残念でならないし、不徳の致すところと思っています。その原因を二つだけ申し上げます。

 一つは普天間(飛行場移設)の問題でしょう。徳之島の皆さんにもご迷惑をお掛けしております。ただ、本当に沖縄の外に米軍基地をできる限り移すため努力しないといけない。沖縄の中に基地を求めることがあたりまえではないだろうと、半年間努力してまいりましたが、結果として、できませんでした。これからも県外に移すよう努力することは言うまでもありませんが、一方で北朝鮮が韓国の哨戒艦を沈没させる事案が起きています。

 日米の信頼関係を保つことが東アジアの平和のために不可欠との思いで、残念ながら沖縄に負担をお願いせざるを得なくなりました。沖縄の皆さんにもご迷惑をお掛けしています。

 社民党さんに政権離脱という厳しい思いをさせたことが残念でなりません。国民新党とともに一緒に今まで仕事をさせていただいた。これからもできる限りの協力をと、申し上げたい。さらに沖縄の皆さんにも、できる限り県外に米軍基地を少しずつでも移すことができるよう、新しい政権として努力していくことが大切だと思います

 「社民党より日米を重視した。けしからん」との思いも分からないではありません。日米の信頼を何としても維持していかなければいけないという悲痛な思いを、ぜひご理解願いたいと思います。

 いつかは日本の平和を日本人自身でつくりあげていくときを、求めないといけない。米国に依存を続けて良いとは思いません。ここをぜひご理解いただき、鳩山の「少しでも県外に」との思いをご理解願えればと思います。その中に私は普天間問題の本質があると思っています

 あなた方の時代に、日本の平和を日本人自身で見詰めることができる環境をつくることを、日米同盟の重要性は言うまでもありませんが、一方でも模索していきたい

 社民党を政権離脱という厳しい道に追い込んでしまった厳しい責任は負わないといけない。

 いまひとつは「政治とカネ」の問題でした。自民党を飛び出し、さきがけ、さらには民主党をつくってきたのも「自民党政治ではダメだ。もっとお金にクリーンな政治をつくらねば」との思いでした。結果として自分自身の政治資金規正法違反の問題で大変なご迷惑をおかけしたことは申し訳ない。なぜクリーンであるはずの民主党の代表がこんな事件に巻き込まれるのかと、お怒りになったことと思います。そのような「政治とカネ」の問題に決別する民主党を取り戻したいと思っております。皆さんいかがでしょうか。

 私自身も、この職を引かせていただくことになりますが、小沢(一郎)幹事長にも政治資金規正法の議論があるのは周知のことと思います。先般、2度ほど幹事長ともご相談しながら「私も引きます。幹事長も恐縮ですが、幹事長の職を引いていただきたい。そのことによって新しい民主党、よりクリーンな民主党をつくりあげることができる」と申し上げました。幹事長も「分かった」と申されたのでございます。

 小林千代美議員にも責めを負っていただきたい。高い壇上から申し上げるのも恐縮ですが、クリーンな民主党に戻そうではありませんか。そのための努力を皆さんにお願いします。

 そうなれば必ず、国民の皆さんがまた民主党に対して聞く耳を持ってくれる。国民の皆さんの声が通る新しい政権に生まれ変わると。

 しばしば宇宙人だと言われております。勝手に解釈すれば、今から5年、10年、20年先の姿を国民に申し上げている姿が、そう映っているのではないかと思います

 例えば地域主権。原口(一博総務)大臣が先頭を切って「国が上というのはおかしい。地方が主役になる日本にならなきゃならない」と。国会議員や官僚が威張っていた中央集権の世の中に風穴があいた。一括交付金など大きな変化ができつつある。5年、10年たてば「こういうことだったのか」と分かってくれると

 「新しい公共」もそうです。今までの仕事を「公」に開くことをやろうじゃありませんか。国民の皆さんが主役になる、そういう政治をつくりあげることができる。まだ「新しい公共」自体がなじみが薄くてよく分からないと思われているかもしれません。官僚独占ではなく、できるだけ民ができるように変えていく、そういう力を貸していただきたいと思います

 東アジア共同体もそうです。必ずその時代がくるんです。国境を感じなくなる時代をつくっていく

 新しい民主党の、新しい政権を皆さんでおつくりいただきたい。

 韓国の済州島に行って、ホテルの部屋の先にテラスがありました。テラスに1羽のヒヨドリが飛んでまいりました。わが家のヒヨドリが飛んできたと勝手に解釈して、この鳥も「早く自宅に戻ってこいよ」と招いているように感じたところであります。

 雨の日には雨の中を、風の日には風の中を自然に歩けるように、国民の未来を見詰めながら、対話の中で新しい時代をつかみ取っていこうではありませんか。

 そのことを申し上げながら、ふつつかな私ではありますが、8カ月余り先頭を立って歩ませてもらったことに感謝を申し上げ、国民の皆さんへのメッセージとさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

*****以上******

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