司法試験の問題は、社会で解決すべき課題を鋭くとりあげていることが多々あります。( 国会議員、官僚の皆様には、毎年の司法試験問題に目を通し、問題点の把握に努めていただきたいと思います。)
本年2013年の司法試験、選択科目である租税法の問題ですが、その好例と思います。
見て行きます。
租税法第一問は、裁判員制度における施策の不十分な点をもとに作成されています。
仕事や家事の時間を割いて裁判員制度に国民は参加します。
問題文を一部抜粋しますが、言葉が悪いですが、“半ば強制的”に裁判員に私たちはならねばなりません。
「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(以下「裁判員法」という。司法試験用法文を参照。)
の下で,裁判員候補者及び裁判員は期日に出頭する義務を負い,裁判員は審理に立ち会う職務を担
う。裁判員は,特別な知識,能力,経験等を要件とせず国民一般から無作為に抽出された者の中か
ら選任され,一定の事由に該当しない限りは,その辞退を申し立てることができない。正当な理由
がなく出頭しないときは過料に処することとされている。また,裁判員は,独立してその職権を行
うこととされている。」
わざわざ、時間をつくり、やりくりしているひとが多い中、その費用に、税金がかけれる仕組みです。
すなわち、所得税法9条(下記参照)の非課税所得の対象の規定に、裁判員への支給したものが入っていません。
よって、「裁判員候補者及び裁判員として支給を受けた旅費,日当及び宿泊料」に、現行法は課税しておるところですが、
その裁判員裁判の職務の重要性と負担の大きさを考慮して、「非課税」の処置をとるべきではないでしょうか。
(旅費はもともと課税されていないかもしれません。)
私自身、租税法を学びだしたところであり、このあたりにも問題意識をもち、学びたいと思っています。
(なにを隠そう、この件の指摘は、最初、租税法の先生からでした。)
******2013司法試験*******
http://www.moj.go.jp/content/000111060.pdf
[租税法]
〔第1問〕(配点:40)
S市に住むAは,S地方裁判所から,裁判員候補者として呼出しを受けた。Aは,職場の上司で
あるBに対し,「このたび,裁判所から呼出しがありました。休暇を取らせてください。」と依頼し
た。Bは,「了解しました。大事なことですから,安心して行きなさい。」と応じた。
裁判員を選任する手続の期日は,平成25年1月21日(月曜日)に指定されていた。
同日の朝,Aは,自宅からバスと電車を乗り継いで,S地方裁判所に出頭した。当日の手続によりAは裁判員
に選任され,直ちに翌日から公判が開始されることになった。Aの自宅からS地方裁判所まではか
なりの距離があり,交通機関の乗換えの便も悪かったため,帰宅はかなり遅くなったが,Aは何と
かその日のうちに自宅に戻った。
Aは帰宅後,裁判員に選任されたことをBに電話で説明し,さらに休暇を取得した。S地方裁判
所でAの合議体が取り扱うこととなった事件は,連日開廷の下で審理が行われ,平成25年1月2
5日(金曜日)に判決が言い渡された。この間のAの裁判員としての職務従事日数は計4日である。
Aは,自宅とS地方裁判所の間を連日往復することに体調面で不安があったこと,期日が連続して
いたこと,及び,同居する老親の同意を得られたことから,裁判員としてS地方裁判所に通ってい
た間,S地方裁判所付近のビジネスホテルで3泊し,ホテル代を支出した。
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(以下「裁判員法」という。司法試験用法文を参照。)
の下で,裁判員候補者及び裁判員は期日に出頭する義務を負い,裁判員は審理に立ち会う職務を担
う。裁判員は,特別な知識,能力,経験等を要件とせず国民一般から無作為に抽出された者の中か
ら選任され,一定の事由に該当しない限りは,その辞退を申し立てることができない。正当な理由
がなく出頭しないときは過料に処することとされている。また,裁判員は,独立してその職権を行
うこととされている。
裁判員候補者や裁判員である者には,裁判員法において,旅費,日当及び宿泊料を支給すること
とされている(裁判員法第11条,第29条第2項)。Aは,平成25年2月に,裁判員法に基づ
き,裁判員候補者として出頭したことにつき旅費及び日当の支給を,裁判員として出頭し計4日間
職務に従事したことにつき旅費,日当及び宿泊料の支給を,それぞれ銀行振込によって受けた。
〔設問〕
Aが裁判員候補者及び裁判員として支給を受けた旅費,日当及び宿泊料,並びに,Aが支出し
たホテル代は,所得税法の適用上,どのように扱われるか。
所得税法の根拠条文を摘示して説明しなさい。
*****試験問題 第一問 以上******
念のため、問題文の関連条文
(旅費、日当及び宿泊料)
第十一条 裁判員及び補充裁判員には、最高裁判所規則で定めるところにより、旅費、日当及び宿泊料を支給する。
(裁判員候補者の出頭義務、旅費等)
第二十九条 呼出しを受けた裁判員候補者は、裁判員等選任手続の期日に出頭しなければならない。
2 裁判所の呼出しに応じて裁判員等選任手続の期日に出頭した裁判員候補者には、最高裁判所規則で定めるところにより、旅費、日当及び宿泊料を支給する。
3 地方裁判所は、裁判所の呼出しに応じて裁判員等選任手続の期日に出頭した裁判員候補者については、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判員候補者名簿から消除しなければならない。ただし、第三十四条第七項の規定による不選任の決定があった裁判員候補者については、この限りでない。
所得税法上の関連条文
(非課税所得)
第九条 次に掲げる所得については、所得税を課さない。
一 当座預金の利子(政令で定めるものを除く。)
二 学校教育法第一条 (学校の範囲)に規定する小学校、中学校、高等学校若しくは中等教育学校又は同法第七十六条 (特別支援学校の部別)に規定する特別支援学校の小学部、中学部若しくは高等部の児童又は生徒が、その学校の長の指導を受けて預入し又は信託した預貯金(前号に規定するものを除く。)又は合同運用信託で政令で定めるものの利子又は収益の分配
三 恩給、年金その他これらに準ずる給付で次に掲げるもの
イ 恩給法 (大正十二年法律第四十八号)に規定する増加恩給(これに併給される普通恩給を含む。)及び傷病賜金その他公務上又は業務上の事由による負傷又は疾病に基因して受けるこれらに準ずる給付で政令で定めるもの
ロ 遺族の受ける恩給及び年金(死亡した者の勤務に基づいて支給されるものに限る。)
ハ 条例の規定により地方公共団体が精神又は身体に障害のある者に関して実施する共済制度で政令で定めるものに基づいて受ける給付
四 給与所得を有する者が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行をし、若しくは転任に伴う転居のための旅行をした場合又は就職若しくは退職をした者若しくは死亡による退職をした者の遺族がこれらに伴う転居のための旅行をした場合に、その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるもの
五 給与所得を有する者で通勤するもの(以下この号において「通勤者」という。)がその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとして通常の給与に加算して受ける通勤手当(これに類するものを含む。)のうち、一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分として政令で定めるもの
六 給与所得を有する者がその使用者から受ける金銭以外の物(経済的な利益を含む。)でその職務の性質上欠くことのできないものとして政令で定めるもの
七 国外で勤務する居住者の受ける給与のうち、その勤務により国内で勤務した場合に受けるべき通常の給与に加算して受ける在勤手当(これに類する特別の手当を含む。)で政令で定めるもの
八 外国政府、外国の地方公共団体又は政令で定める国際機関に勤務する者で政令で定める要件を備えるものがその勤務により受ける俸給、給料、賃金、歳費、賞与及びこれらの性質を有する給与(外国政府又は外国の地方公共団体に勤務する者が受けるこれらの給与については、その外国がその国において勤務する日本国の国家公務員又は地方公務員で当該政令で定める要件に準ずる要件を備えるものが受けるこれらの給与について所得税に相当する税を課さない場合に限る。)
九 自己又はその配偶者その他の親族が生活の用に供する家具、じゆう器、衣服その他の資産で政令で定めるものの譲渡による所得
十 資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合における国税通則法第二条第十号 (定義)に規定する強制換価手続による資産の譲渡による所得その他これに類するものとして政令で定める所得(第三十三条第二項第一号(譲渡所得に含まれない所得)の規定に該当するものを除く。)
十一 オープン型の証券投資信託の収益の分配のうち、信託財産の元本の払戻しに相当する部分として政令で定めるもの
十二 皇室経済法 (昭和二十二年法律第四号)第四条第一項 (内廷費)及び第六条第一項 (皇族費)の規定により受ける給付
十三 次に掲げる年金又は金品
イ 文化功労者年金法 (昭和二十六年法律第百二十五号)第三条第一項 (年金)の規定による年金
ロ 日本学士院から恩賜賞又は日本学士院賞として交付される金品
ハ 日本芸術院から恩賜賞又は日本芸術院賞として交付される金品
ニ 学術若しくは芸術に関する顕著な貢献を表彰するものとして又は顕著な価値がある学術に関する研究を奨励するものとして国、地方公共団体又は財務大臣の指定する団体若しくは基金から交付される金品(給与その他対価の性質を有するものを除く。)で財務大臣の指定するもの
ホ ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品
ヘ 外国、国際機関、国際団体又は財務大臣の指定する外国の団体若しくは基金から交付される金品でイからホまでに掲げる年金又は金品に類するもの(給与その他対価の性質を有するものを除く。)のうち財務大臣の指定するもの
十四 オリンピック競技大会又はパラリンピック競技大会において特に優秀な成績を収めた者を表彰するものとして財団法人日本オリンピック委員会(平成元年八月七日に財団法人日本オリンピック委員会という名称で設立された法人をいう。)、財団法人日本障害者スポーツ協会(昭和四十年五月二十四日に財団法人日本身体障害者スポーツ協会という名称で設立された法人をいう。)その他これらの法人に加盟している団体であつて政令で定めるものから交付される金品で財務大臣が指定するもの
十五 学資に充てるため給付される金品(給与その他対価の性質を有するものを除く。)及び扶養義務者相互間において扶養義務を履行するため給付される金品
十六 相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するもの(相続税法 (昭和二十五年法律第七十三号)の規定により相続、遺贈又は個人からの贈与により取得したものとみなされるものを含む。)
十七 保険業法 (平成七年法律第百五号)第二条第四項 (定義)に規定する損害保険会社又は同条第九項 に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約に基づき支払を受ける保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)で、心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するものその他の政令で定めるもの
十八 公職選挙法 (昭和二十五年法律第百号)の適用を受ける選挙に係る公職の候補者が選挙運動に関し法人からの贈与により取得した金銭、物品その他の財産上の利益で、同法第百八十九条 (選挙運動に関する収入及び支出の報告書の提出)の規定による報告がされたもの
2 次に掲げる金額は、この法律の規定の適用については、ないものとみなす。
一 前項第九号に規定する資産の譲渡による収入金額がその資産の第三十三条第三項に規定する取得費及びその譲渡に要した費用の合計額(以下この項において「取得費等の金額」という。)に満たない場合におけるその不足額
二 前項第十号に規定する資産の譲渡による収入金額がその資産の取得費等の金額又は第三十二条第三項(山林所得の金額の計算)に規定する必要経費に満たない場合におけるその不足額
以上
本年2013年の司法試験、選択科目である租税法の問題ですが、その好例と思います。
見て行きます。
租税法第一問は、裁判員制度における施策の不十分な点をもとに作成されています。
仕事や家事の時間を割いて裁判員制度に国民は参加します。
問題文を一部抜粋しますが、言葉が悪いですが、“半ば強制的”に裁判員に私たちはならねばなりません。
「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(以下「裁判員法」という。司法試験用法文を参照。)
の下で,裁判員候補者及び裁判員は期日に出頭する義務を負い,裁判員は審理に立ち会う職務を担
う。裁判員は,特別な知識,能力,経験等を要件とせず国民一般から無作為に抽出された者の中か
ら選任され,一定の事由に該当しない限りは,その辞退を申し立てることができない。正当な理由
がなく出頭しないときは過料に処することとされている。また,裁判員は,独立してその職権を行
うこととされている。」
わざわざ、時間をつくり、やりくりしているひとが多い中、その費用に、税金がかけれる仕組みです。
すなわち、所得税法9条(下記参照)の非課税所得の対象の規定に、裁判員への支給したものが入っていません。
よって、「裁判員候補者及び裁判員として支給を受けた旅費,日当及び宿泊料」に、現行法は課税しておるところですが、
その裁判員裁判の職務の重要性と負担の大きさを考慮して、「非課税」の処置をとるべきではないでしょうか。
(旅費はもともと課税されていないかもしれません。)
私自身、租税法を学びだしたところであり、このあたりにも問題意識をもち、学びたいと思っています。
(なにを隠そう、この件の指摘は、最初、租税法の先生からでした。)
******2013司法試験*******
http://www.moj.go.jp/content/000111060.pdf
[租税法]
〔第1問〕(配点:40)
S市に住むAは,S地方裁判所から,裁判員候補者として呼出しを受けた。Aは,職場の上司で
あるBに対し,「このたび,裁判所から呼出しがありました。休暇を取らせてください。」と依頼し
た。Bは,「了解しました。大事なことですから,安心して行きなさい。」と応じた。
裁判員を選任する手続の期日は,平成25年1月21日(月曜日)に指定されていた。
同日の朝,Aは,自宅からバスと電車を乗り継いで,S地方裁判所に出頭した。当日の手続によりAは裁判員
に選任され,直ちに翌日から公判が開始されることになった。Aの自宅からS地方裁判所まではか
なりの距離があり,交通機関の乗換えの便も悪かったため,帰宅はかなり遅くなったが,Aは何と
かその日のうちに自宅に戻った。
Aは帰宅後,裁判員に選任されたことをBに電話で説明し,さらに休暇を取得した。S地方裁判
所でAの合議体が取り扱うこととなった事件は,連日開廷の下で審理が行われ,平成25年1月2
5日(金曜日)に判決が言い渡された。この間のAの裁判員としての職務従事日数は計4日である。
Aは,自宅とS地方裁判所の間を連日往復することに体調面で不安があったこと,期日が連続して
いたこと,及び,同居する老親の同意を得られたことから,裁判員としてS地方裁判所に通ってい
た間,S地方裁判所付近のビジネスホテルで3泊し,ホテル代を支出した。
裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(以下「裁判員法」という。司法試験用法文を参照。)
の下で,裁判員候補者及び裁判員は期日に出頭する義務を負い,裁判員は審理に立ち会う職務を担
う。裁判員は,特別な知識,能力,経験等を要件とせず国民一般から無作為に抽出された者の中か
ら選任され,一定の事由に該当しない限りは,その辞退を申し立てることができない。正当な理由
がなく出頭しないときは過料に処することとされている。また,裁判員は,独立してその職権を行
うこととされている。
裁判員候補者や裁判員である者には,裁判員法において,旅費,日当及び宿泊料を支給すること
とされている(裁判員法第11条,第29条第2項)。Aは,平成25年2月に,裁判員法に基づ
き,裁判員候補者として出頭したことにつき旅費及び日当の支給を,裁判員として出頭し計4日間
職務に従事したことにつき旅費,日当及び宿泊料の支給を,それぞれ銀行振込によって受けた。
〔設問〕
Aが裁判員候補者及び裁判員として支給を受けた旅費,日当及び宿泊料,並びに,Aが支出し
たホテル代は,所得税法の適用上,どのように扱われるか。
所得税法の根拠条文を摘示して説明しなさい。
*****試験問題 第一問 以上******
念のため、問題文の関連条文
(旅費、日当及び宿泊料)
第十一条 裁判員及び補充裁判員には、最高裁判所規則で定めるところにより、旅費、日当及び宿泊料を支給する。
(裁判員候補者の出頭義務、旅費等)
第二十九条 呼出しを受けた裁判員候補者は、裁判員等選任手続の期日に出頭しなければならない。
2 裁判所の呼出しに応じて裁判員等選任手続の期日に出頭した裁判員候補者には、最高裁判所規則で定めるところにより、旅費、日当及び宿泊料を支給する。
3 地方裁判所は、裁判所の呼出しに応じて裁判員等選任手続の期日に出頭した裁判員候補者については、最高裁判所規則で定めるところにより、裁判員候補者名簿から消除しなければならない。ただし、第三十四条第七項の規定による不選任の決定があった裁判員候補者については、この限りでない。
所得税法上の関連条文
(非課税所得)
第九条 次に掲げる所得については、所得税を課さない。
一 当座預金の利子(政令で定めるものを除く。)
二 学校教育法第一条 (学校の範囲)に規定する小学校、中学校、高等学校若しくは中等教育学校又は同法第七十六条 (特別支援学校の部別)に規定する特別支援学校の小学部、中学部若しくは高等部の児童又は生徒が、その学校の長の指導を受けて預入し又は信託した預貯金(前号に規定するものを除く。)又は合同運用信託で政令で定めるものの利子又は収益の分配
三 恩給、年金その他これらに準ずる給付で次に掲げるもの
イ 恩給法 (大正十二年法律第四十八号)に規定する増加恩給(これに併給される普通恩給を含む。)及び傷病賜金その他公務上又は業務上の事由による負傷又は疾病に基因して受けるこれらに準ずる給付で政令で定めるもの
ロ 遺族の受ける恩給及び年金(死亡した者の勤務に基づいて支給されるものに限る。)
ハ 条例の規定により地方公共団体が精神又は身体に障害のある者に関して実施する共済制度で政令で定めるものに基づいて受ける給付
四 給与所得を有する者が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行をし、若しくは転任に伴う転居のための旅行をした場合又は就職若しくは退職をした者若しくは死亡による退職をした者の遺族がこれらに伴う転居のための旅行をした場合に、その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるもの
五 給与所得を有する者で通勤するもの(以下この号において「通勤者」という。)がその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとして通常の給与に加算して受ける通勤手当(これに類するものを含む。)のうち、一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分として政令で定めるもの
六 給与所得を有する者がその使用者から受ける金銭以外の物(経済的な利益を含む。)でその職務の性質上欠くことのできないものとして政令で定めるもの
七 国外で勤務する居住者の受ける給与のうち、その勤務により国内で勤務した場合に受けるべき通常の給与に加算して受ける在勤手当(これに類する特別の手当を含む。)で政令で定めるもの
八 外国政府、外国の地方公共団体又は政令で定める国際機関に勤務する者で政令で定める要件を備えるものがその勤務により受ける俸給、給料、賃金、歳費、賞与及びこれらの性質を有する給与(外国政府又は外国の地方公共団体に勤務する者が受けるこれらの給与については、その外国がその国において勤務する日本国の国家公務員又は地方公務員で当該政令で定める要件に準ずる要件を備えるものが受けるこれらの給与について所得税に相当する税を課さない場合に限る。)
九 自己又はその配偶者その他の親族が生活の用に供する家具、じゆう器、衣服その他の資産で政令で定めるものの譲渡による所得
十 資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合における国税通則法第二条第十号 (定義)に規定する強制換価手続による資産の譲渡による所得その他これに類するものとして政令で定める所得(第三十三条第二項第一号(譲渡所得に含まれない所得)の規定に該当するものを除く。)
十一 オープン型の証券投資信託の収益の分配のうち、信託財産の元本の払戻しに相当する部分として政令で定めるもの
十二 皇室経済法 (昭和二十二年法律第四号)第四条第一項 (内廷費)及び第六条第一項 (皇族費)の規定により受ける給付
十三 次に掲げる年金又は金品
イ 文化功労者年金法 (昭和二十六年法律第百二十五号)第三条第一項 (年金)の規定による年金
ロ 日本学士院から恩賜賞又は日本学士院賞として交付される金品
ハ 日本芸術院から恩賜賞又は日本芸術院賞として交付される金品
ニ 学術若しくは芸術に関する顕著な貢献を表彰するものとして又は顕著な価値がある学術に関する研究を奨励するものとして国、地方公共団体又は財務大臣の指定する団体若しくは基金から交付される金品(給与その他対価の性質を有するものを除く。)で財務大臣の指定するもの
ホ ノーベル基金からノーベル賞として交付される金品
ヘ 外国、国際機関、国際団体又は財務大臣の指定する外国の団体若しくは基金から交付される金品でイからホまでに掲げる年金又は金品に類するもの(給与その他対価の性質を有するものを除く。)のうち財務大臣の指定するもの
十四 オリンピック競技大会又はパラリンピック競技大会において特に優秀な成績を収めた者を表彰するものとして財団法人日本オリンピック委員会(平成元年八月七日に財団法人日本オリンピック委員会という名称で設立された法人をいう。)、財団法人日本障害者スポーツ協会(昭和四十年五月二十四日に財団法人日本身体障害者スポーツ協会という名称で設立された法人をいう。)その他これらの法人に加盟している団体であつて政令で定めるものから交付される金品で財務大臣が指定するもの
十五 学資に充てるため給付される金品(給与その他対価の性質を有するものを除く。)及び扶養義務者相互間において扶養義務を履行するため給付される金品
十六 相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するもの(相続税法 (昭和二十五年法律第七十三号)の規定により相続、遺贈又は個人からの贈与により取得したものとみなされるものを含む。)
十七 保険業法 (平成七年法律第百五号)第二条第四項 (定義)に規定する損害保険会社又は同条第九項 に規定する外国損害保険会社等の締結した保険契約に基づき支払を受ける保険金及び損害賠償金(これらに類するものを含む。)で、心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するものその他の政令で定めるもの
十八 公職選挙法 (昭和二十五年法律第百号)の適用を受ける選挙に係る公職の候補者が選挙運動に関し法人からの贈与により取得した金銭、物品その他の財産上の利益で、同法第百八十九条 (選挙運動に関する収入及び支出の報告書の提出)の規定による報告がされたもの
2 次に掲げる金額は、この法律の規定の適用については、ないものとみなす。
一 前項第九号に規定する資産の譲渡による収入金額がその資産の第三十三条第三項に規定する取得費及びその譲渡に要した費用の合計額(以下この項において「取得費等の金額」という。)に満たない場合におけるその不足額
二 前項第十号に規定する資産の譲渡による収入金額がその資産の取得費等の金額又は第三十二条第三項(山林所得の金額の計算)に規定する必要経費に満たない場合におけるその不足額
以上