「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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日本が壊されぬように。 日本国憲法第1条ー自民党改憲草案の問題点 象徴天皇制を否定するのか

2013-08-01 19:15:33 | 国政レベルでなすべきこと

 8月1日から、自民党改憲草案(日本国憲法改正草案 平成24年4月27日http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf  http://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/kenpou_qa.pdf )を一日一条ずつ、その問題点を考えていきたいと思います。(8月31日までで、31条を終わらせるのをひとつの目標とします。31条まででも、日本国憲法の重要な基本部分はカバーできます。)

 自民党改憲草案は、日本の危機を感じさせる案です。「自民党壊憲草案」というひとがいましたが、申し訳ないですが、言い得ていると思います。
 日本国憲法96条改正を主張するような勉強不足の政治家、法律を知らない政治家に、日本を絶対に壊されたくない思いです。
 

 一小児科医師として、また、法律を学ぶ一法科大学院生として、不偏不党の立場から、憲法学の視点をもって分析をして行きます。自分の憲法学のベースは、故芦部信喜先生です。
 日本を守りたい一心で、一日一条ずつ進めたいと思っています。まだまだ学ぶ過程の初学の身であり、考えが至らぬ点は、ご指摘をいただけましたら幸いです。

 なお、自民党改憲草案の口語訳は、http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-1372.html を参照させていただだくことを考えています。この場を借り、感謝申し上げます。


 では、まず、第一章天皇 一条から


*********
*現行憲法

(天皇の地位と国民主権)
第一条  天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。


*自民党改憲草案

(天皇)
第一条 天皇は、日本国の元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であって、その地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。

*********

 自民党改憲案では、いきなり、「元首」の登場です。


 自民党による元首としたことの説明は、以下。
「Q4 「日本国憲法改正草案」では、天皇を「元首」と明記していますが、これについてどのような議論があったのですか?

憲法改正草案では、1 条で、天皇が元首であることを明記しました。
元首とは、英語では Head of State であり、国の第一人者を意味します。明 治憲法には、天皇が元首であるとの規定が存在していました。また、外交儀礼上でも、天皇は元首として扱われています。
したがって、我が国において、天皇が元首であることは紛れもない事実ですが、それ をあえて規定するかどうかという点で、議論がありました。
自民党内の議論では、元首として規定することの賛成論が大多数でした。反対論とし ては、世俗の地位である「元首」をあえて規定することにより、かえって天皇の地位を 軽んずることになるといった意見がありました。反対論にも採るべきものがありました が、多数の意見を採用して、天皇を元首と規定することとしました。」
(自民党 日本国憲法改正草案 Q&A 7ページhttp://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/kenpou_qa.pdf


 自民党内の議論が足りていないと思います。
 
 現行憲法で、「象徴」という言葉を選んだのは、「「象徴」とは、法的に特定的な意味を持たない言葉であり、憲法制定時の議論からは、国民が天皇の権力性を「必要以上に」考えるおそれがないよう、あえてそのような言葉が選択された」(貴族院帝国憲法憲法改正案特別委員会9・11国務大臣・金森徳次郎)ことがうかがわれます。

 憲法学者芦部信喜先生も、「わが国では、元首という概念自体が何らかの実質的な権限を含むものと一般的に考えられてきたので、天皇を元首と解すると、認証ないし接受の意味が実質化し、拡大するおそれがあるところに、問題がある。」(『憲法』5版 岩波書店 48ページ)と指摘されています。

 認証:一定の行為が正規の手続で成立したことを公に証明する行為

 接受:接見する事実上の行為



 自民党改憲案では、「象徴」という言葉を「元首」に変えて、なんらかの実質的な意味を天皇に与えて行こうとする意図があるのではないかと考えます。
 すなわち、明治憲法における天皇は、「統治権の総覧者であって、国家のすべての作用を統括する権限を有するとされた」(『憲法』5版 岩波書店 45ページ)わけですが、形式的・儀礼的な権能としての現在の象徴天皇制としての有り様から、明治憲法下の体制に時代を巻き戻したい意図でもあるのでしょうか?
 もし、自民党に、そのような意図や、象徴天皇制を否定する意図があるなら、その必要性までわかりやすく、国民に説明すべきと考えます。

以上

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麻生副総理は、「だれも気づかないで変わった。」手口を、今回の憲法改正論議で使おうとしてないか。

2013-08-01 18:22:48 | 国政レベルでなすべきこと

 麻生氏は、ご自身のご発言を撤回されたとのことです。

 その理由は、周りが誤解したから。

 本来、誤解があるのであれば、まずは、自分の言を信じ、その誤解を解く努力をすべきではないでしょうか。

 例えば、今回の場合、「最も民主的と言われたワイマール憲法下でヒトラー政権が誕生した事実」があるというのであれば、では、具体的にどのような憲法であれば、ナチス台頭を防ぐことができるのかを述べるべきでしょう。
 現行日本国憲法と自民党憲法改正案、どちらがナチス台頭の二の舞や、それに類似した不幸を日本に生まなくさせることに有効に機能するというのか、「落ち着いて議論する」などという抽象論で済ますのではなく、具体的な考えを述べていただきたかった。



 麻生氏は、「憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。」とご発言された。



 「なんら議論ないまま」、今取沙汰されている自民党改憲案では、現行憲法の重要文言が置き換えられています。
 麻生氏をはじめ政権を担う人たちは、「だれも気づかないで変わった。」その手口を、今回の憲法改正論議において、使おうとしていませんか?


 
 
 憲法の重要文言の置き換えの例

(現行憲法)      (自民党改憲案)

 象徴天皇     ⇒  元首天皇

 公共の福祉    ⇒  公益及び公の秩序

 改正発議要件 
   3分の2    ⇒  過半数

 拷問
 絶対にこれを禁ずる⇒  禁止する

 などなど。
             

 私は、警告します。
 国民にとってみれば、上記の置き換えを、憲法改憲がなされた後に気づいたとしたならば、致命的な打撃を受けることになると思います。
 
 「最も民主的と言われたワイマール憲法下でヒトラー政権が誕生した事実」から、何を学んだのだと、後世のひとはいうことになるでしょう。



****時事ドットコム(2013/08/01)******
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2013080100794
麻生氏のコメント全文


 麻生太郎副総理兼財務相が1日発表したコメント全文は次の通り。

 7月29日の国家基本問題研究所月例研究会における私のナチス政権に関する発言が、私の真意と異なり誤解を招いたことは遺憾である。
 私は、憲法改正については、落ち着いて議論することが極めて重要であると考えている。この点を強調する趣旨で、同研究会においては、喧騒(けんそう)にまぎれて十分な国民的理解および議論のないまま進んでしまったあしき例として、ナチス政権下のワイマール憲法にかかる経緯を挙げたところである。私がナチスおよびワイマール憲法にかかる経緯について、極めて否定的にとらえていることは、私の発言全体から明らかである。ただし、この例示が、誤解を招く結果となったので、ナチス政権を例示として挙げたことは撤回したい。(2013/08/01-18:04)
************************



問題となった発言詳細
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/dd04f13ae263edaff5dd8e771bc0e471

*****朝日新聞(2013/08/01)******
http://www.asahi.com/politics/update/0801/TKY201307310772.html

麻生副総理の憲法改正めぐる発言の詳細


 麻生太郎副総理が29日、東京都内でのシンポジウムでナチス政権を引き合いにした発言は次の通り。

 僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。

 そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないところであって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けていますが、その上で、どう運営していくかは、かかって皆さん方が投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持(きょうじ)であったり、そうしたものが最終的に決めていく。

 私どもは、周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっていると認識していますから、それなりに予算で対応しておりますし、事実、若い人の意識は、今回の世論調査でも、20代、30代の方が、極めて前向き。一番足りないのは50代、60代。ここに一番多いけど。ここが一番問題なんです。私らから言ったら。なんとなくいい思いをした世代。バブルの時代でいい思いをした世代が、ところが、今の20代、30代は、バブルでいい思いなんて一つもしていないですから。記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況ですよ。

 この人たちの方が、よほどしゃべっていて現実的。50代、60代、一番頼りないと思う。しゃべっていて。おれたちの世代になると、戦前、戦後の不況を知っているから、結構しゃべる。しかし、そうじゃない。

 しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。どこが問題なのか。きちっと、書いて、おれたちは(自民党憲法改正草案を)作ったよ。べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、いろんな意見を何十時間もかけて、作り上げた。そういった思いが、我々にある。

 そのときに喧々諤々(けんけんがくがく)、やりあった。30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。自民党の部会で怒鳴りあいもなく。『ちょっと待ってください、違うんじゃないですか』と言うと、『そうか』と。偉い人が『ちょっと待て』と。『しかし、君ね』と、偉かったというべきか、元大臣が、30代の若い当選2回ぐらいの若い国会議員に、『そうか、そういう考え方もあるんだな』ということを聞けるところが、自民党のすごいところだなと。何回か参加してそう思いました。

 ぜひ、そういう中で作られた。ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。

 靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。

 何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。いろんな日がある。大祭の日だってある。8月15日だけに限っていくから、また話が込み入る。日露戦争に勝った日でも行けって。といったおかげで、えらい物議をかもしたこともありますが。

 僕は4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからと、靖国神社に連れて行かれた。それが、初めて靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、毎年1回、必ず行っていますが、わーわー騒ぎになったのは、いつからですか。

 昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。

 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない。

*************************

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麻生副総理の「ナチスに学べ」に関する発言の詳細

2013-08-01 03:00:00 | シチズンシップ教育
 朝日新聞が、さらなる詳細を伝えて下さっています。

 ネットが便利なところのひとつは、発言の全文を追うことを可能たらしめてくれるところです。

 自民党改憲案の問題点を、今後、分析をしていきます。
 危機感からです。

 以下のご発言によると、改憲案作成にあたって、自民党内でよくご議論されたようですが、本当に憲法学者ら専門家に話や意見を聴いてつくられたのか、自民党改憲案に存在する問題点の多さからすると大いに疑問です。


*****朝日新聞(2013/08/01)******
http://www.asahi.com/politics/update/0801/TKY201307310772.html

麻生副総理の憲法改正めぐる発言の詳細


 麻生太郎副総理が29日、東京都内でのシンポジウムでナチス政権を引き合いにした発言は次の通り。

 僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。

 そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないところであって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けていますが、その上で、どう運営していくかは、かかって皆さん方が投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持(きょうじ)であったり、そうしたものが最終的に決めていく。

 私どもは、周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっていると認識していますから、それなりに予算で対応しておりますし、事実、若い人の意識は、今回の世論調査でも、20代、30代の方が、極めて前向き。一番足りないのは50代、60代。ここに一番多いけど。ここが一番問題なんです。私らから言ったら。なんとなくいい思いをした世代。バブルの時代でいい思いをした世代が、ところが、今の20代、30代は、バブルでいい思いなんて一つもしていないですから。記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況ですよ。

 この人たちの方が、よほどしゃべっていて現実的。50代、60代、一番頼りないと思う。しゃべっていて。おれたちの世代になると、戦前、戦後の不況を知っているから、結構しゃべる。しかし、そうじゃない。

 しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。どこが問題なのか。きちっと、書いて、おれたちは(自民党憲法改正草案を)作ったよ。べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、いろんな意見を何十時間もかけて、作り上げた。そういった思いが、我々にある。

 そのときに喧々諤々(けんけんがくがく)、やりあった。30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。自民党の部会で怒鳴りあいもなく。『ちょっと待ってください、違うんじゃないですか』と言うと、『そうか』と。偉い人が『ちょっと待て』と。『しかし、君ね』と、偉かったというべきか、元大臣が、30代の若い当選2回ぐらいの若い国会議員に、『そうか、そういう考え方もあるんだな』ということを聞けるところが、自民党のすごいところだなと。何回か参加してそう思いました。

 ぜひ、そういう中で作られた。ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。

 靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。

 何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。いろんな日がある。大祭の日だってある。8月15日だけに限っていくから、また話が込み入る。日露戦争に勝った日でも行けって。といったおかげで、えらい物議をかもしたこともありますが。

 僕は4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからと、靖国神社に連れて行かれた。それが、初めて靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、毎年1回、必ず行っていますが、わーわー騒ぎになったのは、いつからですか。

 昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。

 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない
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