「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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行政法1-2 条例が国の法令に違反するかどうかの判断方法

2013-08-25 20:19:04 | シチズンシップ教育
徳島公安条例事件 最大判昭和50年9月10日
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=51070&hanreiKbn=02

 判決文で、「条例が国の法令に違反するかどうかの判断方法」を示した部分。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319115841786889.pdf


地方自治法一四条一項は、普通地方公共団体は法令に違反しない限り において同法(旧)二条二項の事務に関し条例を制定することができる、と規定している から、普通地方公共団体の制定する条例が国の法令に違反する場合には効力を有し ないことは明らかであるが、条例が国の法令に違反するかどうかは、両者の対象事 項と規定文言を対比するのみでなく、それぞれの趣旨、目的、内容及び効果を比較 し、両者の間に矛盾牴触があるかどうかによつてこれを決しなければならない。

例 えば、

1、ある事項について国の法令中にこれを規律する明文の規定がない場合でも、

当該法令全体からみて、右規定の欠如が特に当該事項についていかなる規制をも施 すことなく放置すべきものとする趣旨であると解されるときは、

→これについて規律 を設ける条例の規定は国の法令に違反することとなりうるし、

逆に、

2、特定事項につ いてこれを規律する国の法令と条例とが併存する場合でも、

(1)後者が前者とは別の目 的に基づく規律を意図するものであり、その適用によつて前者の規定の意図する目 的と効果をなんら阻害することがないときや、

(2)両者が同一の目的に出たものであつ ても、

国の法令が必ずしもその規定によつて全国的に一律に同一内容の規制を施す 趣旨ではなく、

それぞれの普通地方公共団体において、その地方の実情に応じて、 別段の規制を施すことを容認する趣旨であると解されるときは、

  国の法令と条例との間にはなんらの矛盾牴触はなく、条例が国の法令に違反する問題は生じえないのである。




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行政法1-1行政立法とは?

2013-08-25 19:28:23 | シチズンシップ教育
*行政立法(内容で分類)

○法規命令:国民の権利義務に関する事項に関する定め
      
      委任命令:法律からの委任が、個別具体的授権が必要。
     
      執行命令:法律を動かしていくための、専門的技術的な事項、一般的授権でよい。


○行政規則:国民の権利義務に関しないもの
   
      例)庁舎管理規則


 ⇒根拠
 憲法第七十三条  内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
  六  この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
 
 ○全部留保説


*条例 

⇒根拠

 憲法
第九十四条  地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

 地方自治法
第十四条  1項 普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。(→法令:憲法、法律、命令、規則)

第九十六条  1項 普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。
 一号 条例を設け又は改廃すること。

 
*幼児接見不許可事件 最判平成3年7月9日

 監獄法
http://www.houko.com/00/01/M41/028.HTM
 第50条 接見ノ立会、信書ノ検閲其他接見及ヒ信書ニ関スル制限ハ法務省令ヲ以テ之ヲ定ム

 監獄法施行規則(平成3年法務省令22号による改正前のもの)
120条:14歳未満ノ者ニハ在監者ト接見ヲ為スコトヲ許サス

 




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憲法25条自民案問題点 もったいない25条の2~4。まともな憲法案にこそ入れるべき条項。

2013-08-25 11:28:51 | 国政レベルでなすべきこと
 一日一条ずつの自民党憲法草案の問題点の考察。
 8月25日は、25条。
 ひとつの目標として、31日までに31条が近づいて来ました。ラストスパートといったところですが、重要条項が続きます!

 
 本日25条、おそらく、「生存権」という名と共に、社会科でも何度も出てきて、最も親しみの持てる条項ではないでしょうか。

 その分、とても重要な条項です。

 25条から、26、27、28と社会権が保障されています。


 社会権とはなにか、憲法学者の故芦部先生の解説を読みます。


 「日本国憲法は、生存権(25条)、教育を受ける権利(26条)、勤労の権利(27条)、労働基本権(28条)という社会権を保障している。社会権は、20世紀になって、社会国家(福祉国家)の理念に基づき、とくに社会的・経済的弱者を保護し実質的平等を実現するために保障されるに至った人権である。その内容は、国民が人間に値する生活を営むことを保障するものであり、法的にみると、それは国に対して一定の行為を要求する権利(作為請求権)である。この点で、国の介入の排除を目的とする権利(不作為請求権)である自由権とは性質をことにする。もっとも、社会権にも自由権的側面がある。

 社会権が保障されたことにより、国は社会国家として国民の社会権の実現に努力すべき義務を負う。たとえば、憲法25条2項が、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と規定するのは、その趣旨である。」

(『憲法第5版』岩波書店 258頁)



******************************
日本国憲法
第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。



自民党案
(生存権等)
第二十五条 全て国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、国民生活のあらゆる側面において、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。


(環境保全の責務)
第二十五条の二 国は、国民と協力して、国民が良好な環境を享受することができるようにその保全に努めなければならない。〔新設〕


(在外国民の保護)
第二十五条の三 国は、国外において緊急事態が生じたときは、在外国民の保護に努めなければならない。〔新設〕

(犯罪被害者等への配慮)
第二十五条の四 国は、犯罪被害者及びその家族の人権及び処遇に配慮しなければならない。〔新設〕
***************************************


 自民党案は、日本国憲法とほぼ同じといえるでしょうか。
 憲法「すべての生活部面」が自民案「国民生活のあらゆる側面」となっています。
 これも同じとみてよいでしょうか。
 内容が狭まっていなければよいと思います。

 あと、自民党案では、25条の2、25条の3、25条の4が新設されています。

 これら新設された内容は、方向性としてはよいと思います。
 文面は、検討の余地が多分にあり。自民案は、すべて文言が弱すぎる。そのような文面で、本当に国は、それら新たな人権を守る気があるのかと思いたくなる。
 例えば、自民党案25条の4「犯罪被害者及びその家族の人権及び処遇に配慮」ではなく、犯罪被害者及びその家族の人権及び処遇を「保障する」レベルまでの表現はほしいと思います。


 もし、文面がきちんと直されたと仮定しても、ただ、とても、とても残念なのは、自民案全体が、これまで述べてきましたように

〇憲法を、国家を縛る最高法規から、国民を縛る法律に変えていること

〇人権規定に根本的な誤りがあること
 「公共の福祉」による人権間の調整ではなく、「公益及び公の秩序」による強制であること

〇表現の自由が否定されていること

〇戦争の放棄が否定されていること

〇象徴天皇制が否定されていること

〇結局、大日本帝国憲法への回帰の方向であること

 など、根本的な誤りがあって、憲法と呼べるものではないため、実現不可能であります。
 よって、これら新設条項も同時に、死文化される運命にあります。
 万万が一、自民党案が通ったとしても、25条の2、25条の3、25条の4は、国民のために機能はしないことが考えられます。自民党案は、人権規定に根本的な誤りがあるからです。


 自民案に頼るのではなく、これら条文の文面をよく練り、適正手続きのもと、憲法に入れていくべきか、法律の規定を充実させることで済むのか、議論を深めることこそが求められていると思います

 一番やってはならない選択肢は、これら条文に飛びついて、自民党案の負の部分に目をつぶってしまうことです。一旦、これらを含めて自民党案で改憲させておいて、後ほど、これら条項を削除する手口が用いられることまで、私達国民は、念頭に置いておくべきです。
 言っておきます。自民案は21条において、表現の自由が否定されています。改憲のハードルは、とても低く設定されています。正しい情報が伝えられることなく、次なる改憲も容易です。情報がまともに伝わらないことをよいことに、国に不都合な条文はすぐに削除されることでしょう
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