「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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実際に発言を聞き直しましたが、麻生氏は「ナチスの手口を学ぶ」発言を真意としてされています。

2013-08-02 18:19:20 | シチズンシップ教育

小坂和輝 同感。政治家なら誤解を解くべき。@G_D_Greenberg 麻生発言をツイート。各方面から「文脈は真意は異なる」との指摘受けた。ただ、だとしたら、海外から異議が唱えられても、しっかりと反論するべきだろう。「真意は違うが誤解を与えるなら撤回する」は卑怯だし、国際外交には通用しない。

田原総一朗 ‏@namatahara   
麻生さんの失言が大問題になっている。麻生さんは「私の真意と異なり誤解を招いた事は遺憾」だと釈明している。しかし、ワイマール憲法を潰したヒトラーについて「あの手口に学んだらどうかね」と言う言い方に、釈明などあり得ない。欧米なら大臣を辞めるだけでなく、議員辞職ものである。

東京新聞政治部 ‏@tokyoseijibu  
麻生太郎財務相の「ナチに学べ」発言は、例えが不適切だったというのに加え、改憲は「こっそり」やった方がいいとも取れる部分が不適切との指摘が多いようです。やはり憲法問題は、国民全体で深く、じっくり議論をしていく必要があるということでしょう。




 麻生氏の発言は、「文脈と真意は異なる」と分析する方もおられるようですが、実際の発言を聞き直しました。

*****麻生氏発言*****
昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。(会場拍手)いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。(会場笑い、拍手)

 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない。
***************



⇒報道ステーション2013/07/31
http://www.dailymotion.com/video/x12kcx8_8-1-%E5%A0%B1%E3%82%B9%E3%83%86-%E9%BA%BB%E7%94%9F%E5%A4%A7%E8%87%A3%E3%81%AE%E3%83%8A%E3%83%81%E3%82%B9%E7%99%BA%E8%A8%80-%E9%9F%B3%E5%A3%B0%E3%81%A7%E5%85%A8%E6%96%87%E6%A4%9C%E8%A8%BC_news#.Ufrs1_7Jdh8.twitter


 
 麻生氏の発言の問題部分を実際に聞きました。

 

  撤回文において、麻生氏は、「私がナチスおよびワイマール憲法にかかる経緯について、極めて否定的にとらえていることは、私の発言全体から明らかである。」と述べられていますが、麻生氏は、ナチスおよびワイマール憲法にかかる経緯について、「肯定的」にとらえて発言されています。





 麻生氏がその発言しようとした真意:ナチスの手口を学ぶ

 麻生氏の実際の発言:ナチスの手口を学ぶ

 に間違いないと思います。



 麻生氏は、「ナチスの手口を学ぶ」ことを真意として持ちながら、「ナチスの手口を学ぶ」ことを言おうと頭の中で考え、「ナチスの手口を学ぶ」と実際に発言され、会場の聴衆も違和感なくその発言を受け入れている。

 一連の過程に思い違い、錯誤はなく、確かに、「ナチスの手口を学ぶ」ことを「肯定的」にとらえ、発言されている心証を私は持ちました。

 
 

 麻生氏は、実際に間違いなく真意を持って公の場で、「ナチスの手口を学ぶ」ことを「肯定的」にとらえるご発言されたわけですから、けむに巻くように発言を撤回するのではなく(撤回文にあるような周囲の誤解が問題ではない。)、きちんと説明や謝罪(それで許されない場合は進退にけじめをつける)をすべきであると考えます
 
 
 

問題となった発言詳細
http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/dd04f13ae263edaff5dd8e771bc0e471 

*****朝日新聞(2013/08/01)******
http://www.asahi.com/politics/update/0801/TKY201307310772.html 

麻生副総理の憲法改正めぐる発言の詳細


 麻生太郎副総理が29日、東京都内でのシンポジウムでナチス政権を引き合いにした発言は次の通り。

 僕は今、(憲法改正案の発議要件の衆参)3分の2(議席)という話がよく出ていますが、ドイツはヒトラーは、民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーはいかにも軍事力で(政権を)とったように思われる。全然違いますよ。ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違わないでください。

 そして、彼はワイマール憲法という、当時ヨーロッパでもっとも進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきた。常に、憲法はよくても、そういうことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないところであって、私どもは、憲法はきちんと改正すべきだとずっと言い続けていますが、その上で、どう運営していくかは、かかって皆さん方が投票する議員の行動であったり、その人たちがもっている見識であったり、矜持(きょうじ)であったり、そうしたものが最終的に決めていく。

 私どもは、周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっていると認識していますから、それなりに予算で対応しておりますし、事実、若い人の意識は、今回の世論調査でも、20代、30代の方が、極めて前向き。一番足りないのは50代、60代。ここに一番多いけど。ここが一番問題なんです。私らから言ったら。なんとなくいい思いをした世代。バブルの時代でいい思いをした世代が、ところが、今の20代、30代は、バブルでいい思いなんて一つもしていないですから。記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況ですよ。

 この人たちの方が、よほどしゃべっていて現実的。50代、60代、一番頼りないと思う。しゃべっていて。おれたちの世代になると、戦前、戦後の不況を知っているから、結構しゃべる。しかし、そうじゃない。

 しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。どこが問題なのか。きちっと、書いて、おれたちは(自民党憲法改正草案を)作ったよ。べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、いろんな意見を何十時間もかけて、作り上げた。そういった思いが、我々にある。

 そのときに喧々諤々(けんけんがくがく)、やりあった。30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。自民党の部会で怒鳴りあいもなく。『ちょっと待ってください、違うんじゃないですか』と言うと、『そうか』と。偉い人が『ちょっと待て』と。『しかし、君ね』と、偉かったというべきか、元大臣が、30代の若い当選2回ぐらいの若い国会議員に、『そうか、そういう考え方もあるんだな』ということを聞けるところが、自民党のすごいところだなと。何回か参加してそう思いました。

 ぜひ、そういう中で作られた。ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。

 靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。

 何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。いろんな日がある。大祭の日だってある。8月15日だけに限っていくから、また話が込み入る。日露戦争に勝った日でも行けって。といったおかげで、えらい物議をかもしたこともありますが。

 僕は4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからと、靖国神社に連れて行かれた。それが、初めて靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、毎年1回、必ず行っていますが、わーわー騒ぎになったのは、いつからですか。

 昔は静かに行っておられました。各総理も行っておられた。いつから騒ぎにした。マスコミですよ。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやと。憲法は、ある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていたんですよ。だれも気づかないで変わった。あの手口学んだらどうかね。

 わーわー騒がないで。本当に、みんないい憲法と、みんな納得して、あの憲法変わっているからね。ぜひ、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりはまったくありませんが、しかし、私どもは重ねて言いますが、喧噪(けんそう)のなかで決めてほしくない。

*************************

****時事ドットコム(2013/08/01)******
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2013080100794 
麻生氏のコメント全文


 麻生太郎副総理兼財務相が1日発表したコメント全文は次の通り。

 7月29日の国家基本問題研究所月例研究会における私のナチス政権に関する発言が、私の真意と異なり誤解を招いたことは遺憾である。

 私は、憲法改正については、落ち着いて議論することが極めて重要であると考えている。この点を強調する趣旨で、同研究会においては、喧騒(けんそう)にまぎれて十分な国民的理解および議論のないまま進んでしまったあしき例として、ナチス政権下のワイマール憲法にかかる経緯を挙げたところである。私がナチスおよびワイマール憲法にかかる経緯について、極めて否定的にとらえていることは、私の発言全体から明らかである。ただし、この例示が、誤解を招く結果となったので、ナチス政権を例示として挙げたことは撤回したい。(2013/08/01-18:04)
************************


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「公共の福祉」から、「公の秩序」への文言のすり替えを、「静かにやろうや」と言う一部の政治家達

2013-08-02 12:56:51 | 国政レベルでなすべきこと

神田先生

いつもたいへんお世話様になり、ありがとうございます。
コメント、ありがとうございます。

第三章 国民の権利及び義務の人権規定で、取り上げていきたいと思っていますが、なんと「公共の福祉」が「公の秩序」に置き換えられていて、ものすごい大問題です。
これに気づかねば、たいへんなことになります!!

今後とりあげていきますが(8月13日にブログに書きます。)、憲法で最も大切な条文のひとつ13条を例に挙げれば、


**************
日本国憲法
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。


自民党改憲草案
第十三条 全て国民は、人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。
**************

「公共の福祉」から、「公の秩序」への文言のすり替え。

誰かが言ってました。
「憲法の死」と。

言い過ぎではないと思います。
私は、「ナチス憲法の誕生」と言い換えましょう。
「最も民主的と言われたワイマール憲法下でヒトラー政権が誕生した事実」から、何を学んだのだと、後世のひとから言われないように、、、


皆さん、声を挙げて下さい!




****神田先生コメント****
福祉ではなく秩序かよ (神田 進)2013-08-02 08:51:34

「福祉」を「秩序」に変えようとしているのですね。めちゃめちゃ後退じゃないですか。秩序は自由とは拮抗する概念です。誰のための秩序なのか?あとでいくらでも理由づけできます。戦争における大義と同じく、後の勝者のみが正しいと後付で解釈させることが可能です。危険な思想です。
一方国民も自由の本当の意味を知るべきです。自由の真の意味は、自発的抑制、です。なんでもできるのが自由ではありません。自発的に抑制することこそが自由の真の意味です。真の自由は守られなければなりません。

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日本が壊されぬように。 日本国憲法第2条ー自民党改憲草案の問題点 国会の議決を絶対略すな

2013-08-02 00:00:01 | 国政レベルでなすべきこと

 第二条はほぼ同じです。

***************
日本国憲法
(皇位の継承)
第二条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。


自民党改憲案
(皇位の継承)
第二条 皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

大日本帝国憲法
第二条 皇位ハ皇室典範ノ定ムル所ニ依リ皇男子孫之ヲ継承ス


****************

 違いをみつけて下さいと言った場合、細かいことをいうと日本国憲法「世襲のものであつて」→自民党改憲案「世襲のものであって」と「つ」が小さな「っ」へと自民党改憲案では、現代口語体に表記が改められています。
 
 わざわざ、現代口語体に近づけようと自民党改憲案は修正していますが、それが逆に自民党改憲案の格調のなさに影響をしているように、私は感じます。
 


 さて、第二条は、皇位についての世襲制が定められています。

 憲法上は、皇位継承者を皇男子孫とは規定されていませんが、皇室典範1条により、「皇統に属する男系の男子」たる皇族が皇位継承資格を有するものとされています。
 逆に、女性が天皇であることを意味する「女性天皇」や、母方だけが天皇の血筋を引く天皇を意味する「女系天皇」については、現行制度上認められていません。

 世襲制や男系男子主義を採用している点について、憲法学者の芦部先生は、「世襲制は、本来、民主主義の理念および平等原則に反するものであるが、日本国憲法は天皇制を存置するためには必要であると考えて、世襲制を規定したものであろう。そういう世襲制を憲法が認めている以上、女子の天皇即位を否定して男系男子主義を採用する(皇室典範1条)ことも、憲法14条の男女平等の原則の例外として許されることになる。」と説明されています。(『憲法』5版 岩波書店 46ページ)

 

 現行の「皇室典範」全文を以下、掲載します。
 皇室典範は、明治憲法の下では、議会の関与の及ばない、憲法と対等の地位にある独自の法規範(「皇室ノ家法」)でしたが(皇室自律主義)、日本国憲法においては、「国会の議決」によって定められる法律の一形式となり、その性格は大きく変わりました。
 よって、今後、自民党改憲案においては、「国会の議決した皇室典範」の文章から、「国会の議決した」が省かれないかについて、注意して見て行かなければなりません。

******「皇室典範」全文*******
皇室典範
(昭和二十二年一月十六日法律第三号)

最終改正:昭和二四年五月三一日法律第一三四号

   第一章 皇位継承

第一条  皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。
第二条  皇位は、左の順序により、皇族に、これを伝える。
一  皇長子
二  皇長孫
三  その他の皇長子の子孫
四  皇次子及びその子孫
五  その他の皇子孫
六  皇兄弟及びその子孫
七  皇伯叔父及びその子孫
○2  前項各号の皇族がないときは、皇位は、それ以上で、最近親の系統の皇族に、これを伝える。
○3  前二項の場合においては、長系を先にし、同等内では、長を先にする。
第三条  皇嗣に、精神若しくは身体の不治の重患があり、又は重大な事故があるときは、皇室会議の議により、前条に定める順序に従つて、皇位継承の順序を変えることができる。
第四条  天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。


   第二章 皇族

第五条  皇后、太皇太后、皇太后、親王、親王妃、内親王、王、王妃及び女王を皇族とする。
第六条  嫡出の皇子及び嫡男系嫡出の皇孫は、男を親王、女を内親王とし、三世以下の嫡男系嫡出の子孫は、男を王、女を女王とする。
第七条  王が皇位を継承したときは、その兄弟姉妹たる王及び女王は、特にこれを親王及び内親王とする。
第八条  皇嗣たる皇子を皇太子という。皇太子のないときは、皇嗣たる皇孫を皇太孫という。
第九条  天皇及び皇族は、養子をすることができない。
第十条  立后及び皇族男子の婚姻は、皇室会議の議を経ることを要する。
第十一条  年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。
○2  親王(皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。
第十二条  皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる。
第十三条  皇族の身分を離れる親王又は王の妃並びに直系卑属及びその妃は、他の皇族と婚姻した女子及びその直系卑属を除き、同時に皇族の身分を離れる。但し、直系卑属及びその妃については、皇室会議の議により、皇族の身分を離れないものとすることができる。
第十四条  皇族以外の女子で親王妃又は王妃となつた者が、その夫を失つたときは、その意思により、皇族の身分を離れることができる。
○2  前項の者が、その夫を失つたときは、同項による場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。
○3  第一項の者は、離婚したときは、皇族の身分を離れる。
○4  第一項及び前項の規定は、前条の他の皇族と婚姻した女子に、これを準用する。
第十五条  皇族以外の者及びその子孫は、女子が皇后となる場合及び皇族男子と婚姻する場合を除いては、皇族となることがない。


   第三章 摂政

第十六条  天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。
○2  天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く。
第十七条  摂政は、左の順序により、成年に達した皇族が、これに就任する。
一  皇太子又は皇太孫
二  親王及び王
三  皇后
四  皇太后
五  太皇太后
六  内親王及び女王
○2  前項第二号の場合においては、皇位継承の順序に従い、同項第六号の場合においては、皇位継承の順序に準ずる。
第十八条  摂政又は摂政となる順位にあたる者に、精神若しくは身体の重患があり、又は重大な事故があるときは、皇室会議の議により、前条に定める順序に従つて、摂政又は摂政となる順序を変えることができる。
第十九条  摂政となる順位にあたる者が、成年に達しないため、又は前条の故障があるために、他の皇族が、摂政となつたときは、先順位にあたつていた皇族が、成年に達し、又は故障がなくなつたときでも、皇太子又は皇太孫に対する場合を除いては、摂政の任を譲ることがない。
第二十条  第十六条第二項の故障がなくなつたときは、皇室会議の議により、摂政を廃する。
第二十一条  摂政は、その在任中、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。


   第四章 成年、敬称、即位の礼、大喪の礼、皇統譜及び陵墓

第二十二条  天皇、皇太子及び皇太孫の成年は、十八年とする。
第二十三条  天皇、皇后、太皇太后及び皇太后の敬称は、陛下とする。
○2  前項の皇族以外の皇族の敬称は、殿下とする。
第二十四条  皇位の継承があつたときは、即位の礼を行う。
第二十五条  天皇が崩じたときは、大喪の礼を行う。
第二十六条  天皇及び皇族の身分に関する事項は、これを皇統譜に登録する。
第二十七条  天皇、皇后、太皇太后及び皇太后を葬る所を陵、その他の皇族を葬る所を墓とし、陵及び墓に関する事項は、これを陵籍及び墓籍に登録する。


   第五章 皇室会議

第二十八条  皇室会議は、議員十人でこれを組織する。
○2  議員は、皇族二人、衆議院及び参議院の議長及び副議長、内閣総理大臣、宮内庁の長並びに最高裁判所の長たる裁判官及びその他の裁判官一人を以て、これに充てる。
○3  議員となる皇族及び最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官は、各々成年に達した皇族又は最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官の互選による。
第二十九条  内閣総理大臣たる議員は、皇室会議の議長となる。
第三十条  皇室会議に、予備議員十人を置く。
○2  皇族及び最高裁判所の裁判官たる議員の予備議員については、第二十八条第三項の規定を準用する。
○3  衆議院及び参議院の議長及び副議長たる議員の予備議員は、各々衆議院及び参議院の議員の互選による。
○4  前二項の予備議員の員数は、各々その議員の員数と同数とし、その職務を行う順序は、互選の際、これを定める。
○5  内閣総理大臣たる議員の予備議員は、内閣法 の規定により臨時に内閣総理大臣の職務を行う者として指定された国務大臣を以て、これに充てる。
○6  宮内庁の長たる議員の予備議員は、内閣総理大臣の指定する宮内庁の官吏を以て、これに充てる。
○7  議員に事故のあるとき、又は議員が欠けたときは、その予備議員が、その職務を行う。
第三十一条  第二十八条及び前条において、衆議院の議長、副議長又は議員とあるのは、衆議院が解散されたときは、後任者の定まるまでは、各々解散の際衆議院の議長、副議長又は議員であつた者とする。
第三十二条  皇族及び最高裁判所の長たる裁判官以外の裁判官たる議員及び予備議員の任期は、四年とする。
第三十三条  皇室会議は、議長が、これを招集する。
○2  皇室会議は、第三条、第十六条第二項、第十八条及び第二十条の場合には、四人以上の議員の要求があるときは、これを招集することを要する。
第三十四条  皇室会議は、六人以上の議員の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
第三十五条  皇室会議の議事は、第三条、第十六条第二項、第十八条及び第二十条の場合には、出席した議員の三分の二以上の多数でこれを決し、その他の場合には、過半数でこれを決する。
○2  前項後段の場合において、可否同数のときは、議長の決するところによる。
第三十六条  議員は、自分の利害に特別の関係のある議事には、参与することができない。
第三十七条  皇室会議は、この法律及び他の法律に基く権限のみを行う。

   附 則
○1  この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。
○2  現在の皇族は、この法律による皇族とし、第六条の規定の適用については、これを嫡男系嫡出の者とする。
○3  現在の陵及び墓は、これを第二十七条の陵及び墓とする。

**************************

   附 則 (昭和二四年五月三一日法律第一三四号) 抄
1  この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。



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