官製談合をなくすことが、これからの日本経済の復活に不可欠である。
しかし、なくそうとしても、要の独禁法は、官庁を規制対象にしていない。
そこで、官製談合防止法(入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律)が、官製談合を排除しようとすることになった。
官製談合をなくすポイントは、行政の恣意性が極力入らないようにすること。「総合評価方式」では、恣意性が入りやすくなり、問題である。
入札制度では、入札予定価格の事前公表が談合に結び付くポイントであるから、変動型最低制限価格制度を導入することが、効果的である。
実は、建設業関連だけではなく、子育て支援のような場でも、官製談合がなされているように感じるところがある。
無駄なお金の支出をさけ、有効に、使われるべきところに使われることで、子育ての質が向上するのであり、官製談合を見逃さないでいてほしい。
変動型最低制限価格制度:
実際の入札価格を基準に最低制限価格を定める。
入札参加者の一定割合(立川市の場合は入札価格の低い方から6割)の入札価格を平均し、その一定割合(立川市の場合は85%)を最低制限価格とする仕組み。
すでに、最高裁ホームページで、その判決文が公開されています。
最高裁の情報公開の姿勢として、評価すべきひとつと考えます。
さて、新聞各社、本判決の問題点を、本日の新聞で論じておられます。
情報公開請求された国にとって請求に応えることが難しい文書を、国が、いずれかの段階で破棄し、存在しないこととして、公開しないでよいということとなりました。
ものすごくまずいことが認められたと思っています。
このような国の態度では、国民は争いようがないのです。
情報公開以前の問題です。
不適切な文書管理をしておけば、国は、適法適切な情報公開請求に応えなくて済むという論理です。
昨日出された最高裁判決の問題の本質は、立証責任以前に、この部分にあると考えます。
この部分が解決されない以上、判決は、このようにならざるを得ないとも言えます。(ただ、それでもやはり、立証責任は国にあるようには感じますが。)
秘密保護法なる悪法が、強硬採決され、国のあり方が、徐々に壊されている領域です。
真の政権交代を成し遂げ、思いを持った心ある官僚の皆様と、正しい国の情報管理の整備をしていかねばなりません。
**********最高裁ホームページ********************************************************
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20140714163907.pdf
平成24年(行ヒ)第33号 文書不開示決定処分取消等請求事件
平成26年7月14日 第二小法廷判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人清水英夫ほかの上告受理申立て理由(ただし,排除されたものを除
く。)について
1 本件は,上告人らが,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成2
1年法律第66号による改正前のもの。以下「情報公開法」という。)に基づき,
外務大臣に対し,琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の
協定(昭和47年条約第2号)の締結に至るまでの日本国政府とアメリカ合衆国政
府との上記諸島の返還に伴う財政負担等をめぐる交渉(以下「本件交渉」とい
う。)の内容に関する文書である原判決別紙1行政文書目録1記載の各文書の開示
を,財務大臣に対し,同じく本件交渉の内容に関する文書である原判決別紙2行政
文書目録2記載の各文書(以下,原判決別紙1行政文書目録1記載の各文書と併せ
て「本件各文書」という。)の開示を,それぞれ請求したところ,上記各文書につ
きいずれも保有していないとして不開示とする旨の各決定(以下「本件各決定」と
いう。)を受けたため,被上告人を相手に,本件各決定の取消し等を求める事案で
ある。
2 情報公開法において,行政文書とは,行政機関の職員が職務上作成し,又は
取得した文書,図画及び電磁的記録であって,当該行政機関の職員が組織的に用い
るものとして,当該行政機関が保有しているものをいうところ(2条2項本文),
行政文書の開示を請求する権利の内容は同法によって具体的に定められたものであ
り,行政機関の長に対する開示請求は当該行政機関が保有する行政文書をその対象
とするものとされ(3条),当該行政機関が当該行政文書を保有していることがそ
の開示請求権の成立要件とされていることからすれば,開示請求の対象とされた行
政文書を行政機関が保有していないことを理由とする不開示決定の取消訴訟におい
ては,その取消しを求める者が,当該不開示決定時に当該行政機関が当該行政文書
を保有していたことについて主張立証責任を負うものと解するのが相当である。
そして,ある時点において当該行政機関の職員が当該行政文書を作成し,又は取
得したことが立証された場合において,不開示決定時においても当該行政機関が当
該行政文書を保有していたことを直接立証することができないときに,これを推認
することができるか否かについては,当該行政文書の内容や性質,その作成又は取
得の経緯や上記決定時までの期間,その保管の体制や状況等に応じて,その可否を
個別具体的に検討すべきものであり,特に,他国との外交交渉の過程で作成される
行政文書に関しては,公にすることにより他国との信頼関係が損なわれるおそれ又
は他国との交渉上不利益を被るおそれがあるもの(情報公開法5条3号参照)等に
つき,その保管の体制や状況等が通常と異なる場合も想定されることを踏まえて,
その可否の検討をすべきものというべきである。
3 これを本件についてみるに,前記1の開示請求において本件交渉の過程で作
成されたとされる本件各文書に関しては,その開示請求の内容からうかがわれる本
件各文書の内容や性質及びその作成の経緯や本件各決定時までに経過した年数に加
え,外務省及び財務省(中央省庁等改革前の大蔵省を含む。)におけるその保管の
体制や状況等に関する調査の結果など,原審の適法に確定した諸事情の下において
は,本件交渉の過程で上記各省の職員によって本件各文書が作成されたとしても,
なお本件各決定時においても上記各省によって本件各文書が保有されていたことを
推認するには足りないものといわざるを得ず,その他これを認めるに足りる事情も
うかがわれない。
4 以上によれば,本件各決定は適法であるとして,上告人らの請求のうち,本
件各文書の開示決定をすべき旨を命ずることを求める請求に係る訴えを却下し,本
件各決定の取消しを求める請求を含むその余の請求を棄却すべきものとした原審の
判断は,是認することができる。論旨は採用することができない。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 千葉勝美 裁判官 小貫芳信 裁判官 鬼丸かおる 裁判官
山本庸幸)
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=84323&hanreiKbn=02
事件番号
平成24(行ヒ)33
事件名
文書不開示決定処分取消等請求事件
裁判年月日
平成26年07月14日
法廷名
最高裁判所第二小法廷
裁判種別
判決
結果
棄却
判例集等巻・号・頁
原審裁判所名
東京高等裁判所
原審事件番号
平成22(行コ)183
原審裁判年月日
平成23年09月29日
判示事項
裁判要旨
開示請求の対象とされた行政文書を行政機関が保有していないことを理由とする不開示決定の取消訴訟における当該不開示決定時に当該行政機関が当該行政文書を保有していたことの主張立証責任
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014071502000130.html
【社会】
沖縄密約の歴史、闇に 最高裁「請求者に立証責任」
2014年7月15日 朝刊
一九七二年の沖縄返還をめぐる日米間の密約文書開示訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は十四日、元毎日新聞記者西山太吉さん(82)ら原告側の逆転敗訴とした二審判決を支持し、上告を棄却した。西山さんらの敗訴が確定した。行政機関が存在しないと主張する文書について「開示の請求者側に存在を立証する責任がある」との初判断を示した。裁判官四人の全員一致の意見。
情報開示を求める市民に重い立証責任を課した判断で、特定秘密保護法の施行を控え、国民の知る権利に大きな制約を与えそうだ。
判決理由で千葉裁判長は「いったん文書があると立証された場合、その後も行政機関が持っていると認められるかどうかは文書の内容や性質、作成の経緯などに応じて個別具体的に検討すべきだ」と判示。文書廃棄などの立証責任を行政側に負わせた一、二審とは異なる判断を示した。
その上で、密約文書の探索調査をした外務、財務両省が「文書は見つからなかった」としたことを踏まえ、「交渉過程で作成されたとしても、不開示決定時に文書があったと認めるには足りない」と結論づけた。密約の存在を認めた一、二審の判断は維持した。
一審・東京地裁判決は、米国立公文書館で見つかった米公文書や元外務省局長の法廷証言を基に、国が文書を作成、保有していたと認定。国に文書の全面開示を命じ、原告一人当たり十万円の賠償も認めた。二審・東京高裁判決も国が過去に文書を保有していたことは認めたが「外務、財務両省が秘密裏に廃棄した可能性を否定できない」とし、不開示は妥当と判断した。
西山さんらは、日本が米軍用地の原状回復費を肩代わりするなど三つの密約に関する文書を開示請求。外務、財務両省は二〇〇八年、文書の不存在を理由に開示しなかった。
◆国の主張を正当化
西山太吉さんの話 日米政府が共同して国民をごまかすために作ったのが密約文書で永久に保存されるべきだ。最高裁判決は、その文書がないという国の主張を正当化した。国民主権にのっとった情報公開の精神がみじんもなく、民主主義の基礎を崩壊させかねない。
<沖縄返還協定の密約> 1972年5月に発効した沖縄返還協定をめぐる日米の交渉過程で、米軍用地の原状回復費400万ドルや米短波放送中継局の国外移設費1600万ドルを日本政府が肩代わりし、協定で定められた米国への支出金に上乗せして負担することにした密約。「沖縄を金で買い戻した」との批判が予想されたため、国民には伏せられた。毎日新聞記者だった西山太吉さんが外務省の極秘公電を入手し、報道で密約を示唆したが、公電を提供した同省女性職員とともに国家公務員法違反罪で起訴され、2人の有罪判決が確定した。2000年以降、米国立公文書館で密約文書が見つかり、外務、財務両省は10年3月に「広義の密約」があったと認めた。
真の政権交代の始まりです。
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http://mainichi.jp/select/news/20140715k0000m010130000c.html
滋賀知事選:首相、強引さ敗因 原発再稼働は譲らず
毎日新聞 2014年07月14日 22時41分(最終更新 07月15日 02時02分)
安倍晋三首相は14日、滋賀県知事選で「卒原発」を唱えた無所属候補に自民、公明推薦候補が敗れたことについて、集団的自衛権の行使を容認した閣議決定の影響を認め、「十分な反省に立って国民目線の政策を進めたい」と語った。安倍政権の政治手法が「強引」と映ったことも敗因とみて、低姿勢で政権運営にあたる考えを国民に訴えかけた形だが、原発再稼働の方針は譲らない構えだ。
「政権与党には常に国民の厳しい目線が向けられる。要因の分析が大切だ」。首相は14日昼、首相官邸での政府・与党連絡会議で、滋賀県知事選の敗北についてこう述べた。これに先立つ午前の衆院予算委員会集中審議でも「(敗北に)集団的自衛権の議論が影響していないと言うつもりは毛頭ない」と語った。
任期満了に伴う同知事選は新人3人が出馬。13日の投開票の結果、無所属新人で前民主党衆院議員の三日月大造氏(43)が、自民、公明両党が推薦する元経済産業省官僚の小鑓(こやり)隆史氏(47)に競り勝った。
政府・与党は当初、知事選の勝利で政権運営に弾みを付けようと、菅義偉官房長官ら閣僚を現地に投入。安倍政権の要である経済政策を中心に支持を訴えたが、結果に結びつかなかった。
ただ、首相は集団的自衛権の行使容認など安全保障関連法案の提出を来年の通常国会に先送りすることにしている。本格的な審議を、来春の統一地方選後に持ち越すためだ。首相が低姿勢を強調し始めたのは、閣議決定であつれきの残る公明党への配慮の意味合いもある。首相周辺は14日、「敗北はあくまで滋賀県の特殊事情。政権への影響はほとんどない」と語った。
一方、菅氏は14日の記者会見で、選挙結果が示した「卒原発」について「(影響は)まったくない。原子力規制委員会が『安全』と認めた原発は再稼働する」と言い切った。16日には原子力規制委が九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)の再稼働に、事実上の「合格」判定を出す見通し。政府が再稼働路線を堅持する背景には、原油価格の高騰が続いているため、再稼働が遠のいて電気料金がさらに上がれば、政権の金看板であるアベノミクスへの世論の風向きが変わりかねないとの危機感がある。
加えて年内には、原発政策に焦点が当たる10月の福島県知事選や、米軍再編が争点となる11月の沖縄県知事選が控える。
住宅用自然エネルギー及び省エネルギー機器等導入費助成(東京都 中央区の場合)
http://www.city.chuo.lg.jp/kankyo/seisaku/taisaku/kikijosei/ecojosei_jutaku.html
皆さんの自治体は、どうですか。
自然エネルギー利用のためのソーラーシステム設置の補助金を、行政が出す場合を条例で定めているでしょうか?
〇補助金の交付と法律の留保
独自の条例は、必要か。一般的な補助金を出す場合に適用する補助金交付条例だけでよいか。
〇補助金交付申請の拒否決定に処分性はあるか。拒否決定の取消し訴訟は、可能か。(処分性がない場合、訴え「却下」判決)
行政行為か、負担付贈与契約か
〇補助金交付申請の拒否決定を、実体面で争う場合。(理由がない場合、請求「棄却」判決)
平等原則違反を使える場合がある。
補助金を出された者と、出されなかった者の区別が合理的でない場合。
× ある種の行政活動について、「法律の留保が必要」
〇 ある種の行政活動について、「法律の根拠が必要」 or 「法律に留保されている」
クリニック近く西仲通り商店街、通称「もんじゃストリート」に、いろいろな出店が並びます!
私も、月島起業家仲間と、恒例のヨーヨー釣りと、ばんばんボール売っていますので、寄ってください。
7月13日(日)午前中、中央区月島3丁目 こども元気クリニック03-5547-1191急病対応致します。
①高熱の風邪、②お腹の風邪、③咳の風邪の3つのお風邪がそれぞれ、今、流行っています。
①高熱の風邪の子の中に、アデノウイルス感染症、溶連菌感染症、ヘルパンギーナに罹患の子もおられます。
結構、たくさんのお子さんが、風邪、熱にかかられているようです。
また、喘息の子が、体調を咳の発作を出したりもしています。
台風の影響か、週末、喘息発作を出された子がおられました。
体調崩されておられませんか?
当院病児保育室も、ほぼ満室状態が続いているところです。
おとなも、こどもの風邪をもらいます。
こどもから夏風邪がうつること、多々、あります。
そのような場合、お子さんとご一緒に、親御さんも診察いたしますので、お気軽にお声掛けください。
そういえば、今、発売中の『Tarzan』(7/24 2014 N0.653)のコラムで大人の夏風邪の記事の取材協力をいたしました。
なおったお子さんには、日曜日に、登園許可証も記載します。
月曜日朝一番から登園できますように、ご利用ください。
合わせて、平日なかなか時間が作れない場合でも、休日も、予防接種も実施いたしますので、ご利用ください。
こども元気クリニック・病児保育室
中央区月島3-30-3
電話 03-5547-1191
小坂和輝
被害者保護、適正手続き、正義の実現、公平公正中立な裁判、国民の司法制度参加促進に向けて、司法改革が進むことに期待します。
*******東京新聞********************
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014071002000145.html
【社会】
可視化対象3% 司法取引導入 冤罪懸念残し法制化へ
2014年7月10日 朝刊
捜査と公判の見直しに向けた法制審議会の「新時代の刑事司法制度特別部会」が九日開かれ、刑事司法改革の最終案を全会一致で決めた。法制化されれば捜査当局が試行している取り調べの録音・録画(可視化)が義務化されるが、対象は全起訴事件の約3%にとどまるなど、新たな冤罪(えんざい)を生む懸念を残したまま三年の議論を終えた。
今秋の法制審総会で正式決定し、法相に答申する。法務省は、来年の通常国会に刑事訴訟法などの改正案を提出する方針。
録音・録画を義務化する対象は、殺人や放火など裁判員裁判対象事件と、検察の独自捜査事件だけ。一部の委員から、対象外の事件も努力義務を課すべきだとの意見が出たが、採用されなかった。
録音・録画の義務化とともに、司法取引の導入が大きな柱として盛り込まれた。検察官が容疑者らに起訴しないなどの見返りを与えて他人の犯罪を供述させる「協議・合意制度」と、刑事責任を追及しないと約束して他人の裁判で証言させる「刑事免責制度」の二種類で、いずれも経済事件や銃器・薬物事件が対象。
薬物事件など四種類の犯罪に限られている通信傍受は、殺人、詐欺、窃盗など九種類を追加した。これまで必要だった通信事業者の立ち会いは不要とした。
裁判員裁判対象事件などでは、検察官が保有する証拠の一覧表を、被告側に交付することになった。一家四人殺害事件で死刑が確定した袴田巌(いわお)さん(78)の再審開始決定を受け、冤罪被害者団体などが再審請求審で証拠開示制度の必要性を訴えたが、最終案には盛り込まれなかった。
一、違憲審査基準を、経済的自由については、より厳格にすべきこと
精神的自由に比べ、経済的自由の審査を一ランク厳しくすべきと感じます。
一、個人のプライバシー(憲法13条)を認めていくべきこと
憲法13条で、プライバシー権があることは、認めるとしても、「プライバシー権」という言葉自体を、最高裁判所の判決文(“判例”で使われていないのであって、地方裁判所・高等裁判所の“裁判例”では使われています。)では、いまだ、はっきりと言明をされていません。
(注、念のため書きますが、法律文書では、判例と裁判例は、明確に使い分けをされています。最高裁判所の判決文を判例といい、地方裁判所・高等裁判所の判決文は、判例とは言わず、裁判例と言います。)
一、表現の自由(憲法21条)の保護を強めていくべきこと
国民の表現の自由の権利を強めること(ヘイトスピーチ等保護に値しない表現を除いた表現の自由)と、知る権利の保護を強めること(逆をいうと国家の情報をきちんと開示していくこと、少なくとも国家の情報を開示する開示しないの判断をするに当たっては、裁判所だけは、争点となっている情報を実際に見て、判断をすること(インカメラ審理))。
以下、毎日新聞記事によると、三つ目の国民の知る権利に応えていくべきという方向性からすると、「まだまだ。」ということを示す判決が出される模様であります。
*************毎日新聞***********************************************
http://mainichi.jp/select/news/20140708k0000m040119000c.html
沖縄密約:不開示、確定へ 最高裁判決を14日に指定
毎日新聞 2014年07月08日 00時17分(最終更新 07月08日 10時28分)
1972年の沖縄返還を巡る日米間の密約を示す文書について、元毎日新聞記者の西山太吉さん(82)らが国に開示を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(千葉勝美裁判長)は7日、判決期日を今月14日に指定した。2審を見直す際に通常開く弁論を経ておらず、国に開示を命じた1審判決を取り消して原告側の請求を退けた2審・東京高裁判決(2011年9月)が確定する見通しとなった。
1審・東京地裁は10年4月、密約の存在を認めて文書の開示を命じた。高裁は1審同様に密約の存在を認めつつ、文書が秘密裏に廃棄された可能性を指摘、「08年の不開示決定の時点で文書はなかった」と判断して原告の逆転敗訴とした。
情報開示訴訟では「文書が存在することの立証責任は請求者側にある」とされてきたが、1審は「請求者側が過去に文書があったことを証明した場合、行政側は不存在を立証する必要がある」と指摘。2審もこの判断をほぼ踏襲した。最高裁が判決で、この点について言及する可能性がある。
西山さんらは、日米高官が米軍用地の原状回復費400万ドルや米短波放送の国外移設費1600万ドルを日本が肩代わりすることなどに合意(密約)したことを示す文書など7点を外務・財務両省に開示請求。両省が文書がないとして不開示決定したため提訴した。【川名壮志】
西山さんの話 密約文書は日米共同で制作しており、米国側でも発見されている。このまま高裁判断を最高裁が追認するのであれば重大な問題だ。
◇沖縄返還協定の密約
1972年5月に発効した沖縄返還協定の交渉過程で、米側が負担するはずだった土地の原状回復費用などを日本が肩代わりすることにした日米間の密約。密約を報じた西山太吉毎日新聞記者(当時)らが国家公務員法違反で起訴され、有罪が確定した。政府は否定し続けたが、2000年以降、密約を裏付ける米公文書が見つかり、外務省の有識者委員会も10年3月に「広義の密約」があったと認めた。
損害賠償額1円。
罰則付きの禁酒令の形で出された場合は、当然に違法だと思いますが、例えば、職員の不祥事をなくすためにやむにやまれず通知の形で出された場合の許容の限度がどのように判断されるか注目されます。
全体責任に賛否両論あります。
起きた不祥事が甚大な場合は、組織全体で、その問題点を考え直すことは必要であり、禁酒令という形は不適切であったとは言え、その考え直しているということを、公の組織であるならば、市民に示すこともまた求められます。
*****************************
http://www.asahi.com/articles/ASG773HNRG77TIPE00C.html
「禁酒令は人権侵害」 職員、福岡市を提訴
渡辺純子
2014年7月8日05時25分
福岡市の高島宗一郎市長が2年前に全職員の自宅外飲酒を禁じた「禁酒令」により人権を侵害されたとして、男性職員(49)が市を相手取り、損害賠償を求める訴訟を福岡地裁に起こした。禁酒令については県弁護士会が今年3月、「人権侵害にあたる違法な通知」として市に勧告している。
提訴は4日付。訴状によると、原告の男性は禁酒令に「単なる訓示規定以上の強制力があった」としたうえで、「業務時間外の飲酒は個人の自由のはず。憲法で保障された自由権を侵害され、多大な精神的苦痛を被(こうむ)った」と主張。損害額については、金銭的な評価が難しいとして慰謝料名目で1円としている。
男性職員は7日、朝日新聞の取材に対し、「禁酒令が違法なのか適法なのか、司法にはっきり結論を出してほしい」と話した。市側は「提訴された事実を承知していないので、コメントできる状況ではない」としている。
高島市長は職員の飲酒がらみの不祥事を防ごうと、2012年5月21日、全職員に1カ月間の自宅外禁酒を通知した。県弁護士会は今年3月、職員2人からの人権救済申し立てを受け、禁酒令について「公権力による私生活への干渉で、自由権を著しく侵害する重大な人権侵害」と認定。このような通知をしないよう市に勧告した。(渡辺純子)
何が真実か、私達自身が分析する目をもつことが必要です。
特に、報道されている世論調査が真実であるのか、あるいは、誘導された結果であるのか、見抜くことも必要です。
下の比較された表は、世論調査の結果でさえも、期待する結果を出すために、質問項目に手を加えることで、たやすく得ることができることを指しています。
期待する世論調査の結果をつくり出すことができるということを顕著に示す例といえます。
同じ国民が調査対象であるはずなのに、大きくぶれるはずのない調査テーマにも関わらず、なぜ、結果が、極端に、その結果が二分されるのでしょうか。
気をつけねばならないのは、誘導された世論調査を真に受けて、誘導された世論調査の結果のように国民の考え方が変えられていくことです。
************産経新聞*********************
ブログ7/4に掲載http://blog.goo.ne.jp/kodomogenki/e/4ad798e78a364d64ff9c10708c65d554した、防衛省のホームページの件、現在、更新中とのこと。
防衛省は、違憲であると考えたのであるから、訂正されるのであれば、違憲無効な閣議決定に従うべきなのかどうか、きちんと省内でご議論いただきたい。
もとのページを今、防衛省のホームページから見ることはできませんが、以下、ブログに記録が残っています。
→ http://www.sting-wl.com/right-of-collective-self-defense.html
平成25年版 防衛白書
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http://www.asahi.com/articles/ASG782SWZG78UTIL006.html
防衛省HPに「集団的自衛権、許されない」 7日に削除
福井悠介
2014年7月8日10時58分
集団的自衛権の行使を認める1日の閣議決定以降も、防衛省がホームページ(HP)に「集団的自衛権の行使は、憲法上許されないと考えています」との文章を載せていたことがわかった。ツイッターで「防衛省は(行使に)反対」「集団的自衛権は違憲と明記」と話題になっていた。同省は7日、文章を削除した。
防衛省によると、文章を掲載していたのは「憲法と自衛権」について解説したHP。外部からの問い合わせを受けて削除。「記述を修正しています」と赤字で記した。担当者は「更新が遅れた。うっかりミスで、他意はありません」と説明している。
文章は30年以上、防衛白書に記載されてきたものと同じ内容だった。閣議決定でこの夏に発行予定の2014年版防衛白書も内容を変更することになり、編集作業が急ピッチで進んでいる。(福井悠介)
普通に考えても無理なことをしています。
文書を見ずして、わかるものでしょうか?
「インカメラ審理」といいますが、裁判所だけでも、情報公開請求されている情報を実際に見て、開示の是非を判断すべきです。
当然、請求している側が、裁判の証拠としてその書類を見てしまうと、それで、裁判の目的を達成するため、そのようなことはできませんが。
今ある民事訴訟法上のテクニックを最大限用いて、インカメラ審理に近い内容(証拠の検証を裁判所に請求しながら、請求した側が検証手続きに出席することを放棄し、裁判所だけが検証する。)が争われた有名判例が以下です。
補足意見(最後に掲載)では、インカメラ審理の必要性が、述べられています。
************最高裁ホームページより***************
平成20(行フ)5 検証物提示命令申立て一部提示決定に対する許可抗告事件
平成21年01月15日 最高裁判所第一小法廷 決定 破棄自判 福岡高等裁判所
判決文全文→ http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090304091645.pdf
事件番号
平成20(行フ)5
事件名
検証物提示命令申立て一部提示決定に対する許可抗告事件
裁判年月日
平成21年01月15日
法廷名
最高裁判所第一小法廷
裁判種別
決定
結果
破棄自判
判例集等巻・号・頁
民集 第63巻1号46頁
原審裁判所名
福岡高等裁判所
原審事件番号
平成20(行タ)3
原審裁判年月日
平成20年05月12日
判示事項
情報公開法に基づく行政文書の開示請求に対する不開示決定の取消訴訟において,不開示とされた文書を検証の目的として被告にその提示を命ずることの許否
裁判要旨
情報公開法に基づく行政文書の開示請求に対する不開示決定の取消訴訟において,不開示とされた文書を目的とする検証を被告に受忍義務を負わせて行うことは,原告が検証への立会権を放棄するなどしたとしても許されず,上記文書を検証の目的として被告にその提示を命ずることも許されない。
(補足意見がある。)
参照法条
民訴法223条1項,民訴法232条1項,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(情報公開法)5条,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(情報公開法)9条2項
*******上述判決文中のインカメラ審理の整備をすべきことを求める補足意見**************
裁判官泉徳治の補足意見は,次のとおりである。
1 原決定は,インカメラ審理によって,裁判所のみが本件不開示文書を見分
し,本件不開示文書に情報公開法5条各号に掲げる情報(以下「不開示情報」とい
う。)が記録されているか否かを判断しようとするものである。
民事(行政)訴訟においては,当事者は,証拠調べに立ち会って,自ら取調べに
当たり,証拠に関する見解を述べ,更には証拠に基づいた主張を展開する権利を有
する。当事者に弁論の機会を与えなかった証拠調べの結果は,判決における証拠資
料とすることができない。インカメラ審理においては,行政文書の開示請求者は,
当該行政文書を見分することができず,その具体的内容について弁論を行うことが
できないのであるから,裁判所がそのような行政文書を判決の証拠資料とすること
は,上記のような民事訴訟の基本原則に抵触するといわざるを得ない。
開示請求者が証拠調べにおいて当該行政文書を見分する権利を放棄した場合であ
っても,インカメラ審理が民事訴訟の基本原則に抵触することに変わりはない。不
開示決定をした行政機関の長の側においても,裁判所がインカメラ審理による証拠
調べの結果に基づき本案の判断をするにもかかわらず,自らは,当該行政文書の具
体的内容を援用しながら当該証拠調べの結果につき弁論を行ったり,あるいは訴訟
上の主張を展開することができない。そして,インカメラ審理により裁判所が見分
した行政文書の具体的内容は調書に記録されないから,上級審裁判所も,当該行政
文書を見分しないまま原審判決の審査をしなければならないことになる。このよう
なことは,民事訴訟の基本原則に抵触するから,独り開示請求者が見分の権利を放
棄すれば済むということにはならない。
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したがって,上記のような民事訴訟の基本原則に例外を設ける明文の規定を欠い
たままで,インカメラ審理を行うことは許されないと考える。
2 ところで,新たな立法によって情報公開訴訟にインカメラ審理を導入するこ
とは,以下に述べるように,裁判の公開を保障する憲法82条に違反するものでは
なく,訴訟制度構築に係る立法裁量の範囲に属すると考える。
情報公開訴訟は,開示請求に係る行政文書を開示しない旨の行政機関の長の決定
が違法であるか否かを判断するためのものであって,その訴訟手続の途中で当該行
政文書の内容を法廷で公開するということは,もともと予定されていないことであ
る。ただ,現在の情報公開訴訟においては,裁判所は,当該行政文書を見分するこ
となく,周辺資料から当該行政文書に不開示情報が記録されているか否かを間接的
に推認するほかないため,裁判所が請求を棄却した場合に,開示請求者の納得を得
にくい面があることは否定できない。
インカメラ審理は,裁判所が当該行政文書を直接見分し,自ら内容を確認して実
体判断をするための手続であるから,国民の知る権利の具体化として認められた行
政文書開示請求権の司法上の保護を強化し,裁判の信頼性を高め,憲法32条の裁
判を受ける権利をより充実させるものということができる。
裁判を受ける権利をより充実させるものである以上,情報公開訴訟におけるイン
カメラ審理は,憲法82条に違反するものではないと解すべきである。
裁判官宮川光治の補足意見は,次のとおりである。
1 本件は,平成16年8月,沖縄県宜野湾市において米軍海兵隊のヘリコプタ
ーが墜落した事故をめぐる日米両政府の協議等の関連文書の開示請求に対し,外務
大臣がした不開示決定等の取消しを求める訴訟である。原決定によると,本件は,
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①原々審では,相手方は当初ヴォーン・インデックスの方法による審理を提唱した
が採用されなかった,②原審では,本件不開示文書のうち,文書の体裁及び文書の
中身を推測させる文言のみを明らかにした書類を抗告人において作成し,これを裁
判所にのみ開示することが検討されたが,抗告人は受け入れなかった,③これとは
別に,相手方から行政事件訴訟法23条の2第1項に基づく釈明処分としてインカ
メラ審理を経ている情報公開・個人情報保護審査会の当該審理に関する「調書」資
料を入手することの申し出がなされたが,そうした文書は存在しない旨抗告人から
報告がなされて見送られたという経緯をたどっている。原決定は,情報公開法5条
3号又は5号に該当するかどうかを判断するには,本件では「インカメラ審理に代
わり得る有効適切な手段は見当たらないものというほかない」としている。
原決定は,法解釈の枠を超えた判断を行ったものであり,破棄を免れないが,原
決定が「当該文書を所持する国又は公共団体等の任意の協力が得られない以上,お
よそ裁判所がこれを直接見分する術はないというのでは,裁判所は,事実上,一方
当事者である国又は公共団体,あるいはその諮問機関である情報公開・個人情報審
査会等の意見のみに依拠してその是非を判断せざるを得ないということにもなりか
ねず,これでは,行政文書の開示・不開示に関する最終的な判断権を裁判所に委ね
た制度趣旨にもとること甚だしいものがある。」と述べているところは理解でき
る。本件は,情報公開訴訟にインカメラ審理を導入することを考えさせる事例とみ
ることができる。
2 情報公開訴訟においては,裁判所が当該文書を見ないで不開示事由の該当性
について適正な判断をすることができるかについては著しく困難な場合があり,ま
た,周辺資料から判断するという迂遠な方途によらざるを得ないため,審理は迅速
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には行われ難い場合がある。こうしたことから,情報開示の申立てを行う当事者の
側には,インカメラ審理を導入して少なくとも裁判所には当該文書を直接見分して
適正に判断してもらいたいという要望がある。また,インカメラ審理の存在は,行
政機関の適切な対応を担保する機能を果たすとも考えられる。
情報公開訴訟にインカメラ審理を導入することが憲法82条(裁判の公開)に違
反しないことは泉裁判官の補足意見のとおりであるが,適正な裁判を実施するため
に対審を公開しないで行うということは,既に人事訴訟法22条,不正競争防止法
13条,特許法105条の7等にある。開示を求める当事者がインカメラ審理を求
めるのは,それが知る権利を実現するためにより実効的であるという判断があるの
であり,行政機関の側には審理に先立って不開示とした理由等について説明する機
会が与えられるのであれば手続保障の上でも問題はない。そして,情報公開・個人
情報保護審査会設置法9条1項,2項で同審査会の手続にインカメラ審理を導入す
る一方で情報公開訴訟においてこれを欠いていることは,最終的には司法判断によ
ることとした情報公開制度の趣旨にそぐわないとも考えられる。情報公開訴訟への
インカメラ審理の導入に関しては,ヴォーン・インデックス手続(情報公開・個人
情報保護審査会設置法9条3項参照)と組み合わせ,その上でインカメラ審理を行
うことの相当性・必要性の要件について慎重に配慮すべきであるが,情報公開制度
を実効的に機能させるために検討されることが望まれる。
声掛け次第で、子どもの育ちは大きく変わります。
「〇〇ダメ」ではなく、「具体的に指示する」ことがポイント。
短所も、長所のようにいうこと。
あと、イエスで答えられる声掛けが大事。
https://www.facebook.com/ideatoolsnote
あと、以前ブログで書いた内容を再掲しますが、親としての気持ちの持ちようは、以下、新聞公告のようにありたい。
上記のような声掛けの変換を考えるには、心の余裕が必要。
その際、下の写真のハナマルジルシを思い出してほしい。
「たいへんよくできなくてもいいんです。」
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子育てで、とても大切なことは、完璧をめざしすぎないこと。
親御さんがよく困った顔をされます。
「風邪になってしまったのは、自分の責任だ。」と。
風邪は、どうやっても引くものです。誰のせいでもないのに、そこまで、自分でしょってしまっては、どうもこうもなりません。
同じようなこととして、体重でも、性格でも、ご病気でも、気にされる方がいらっしゃいます。
そんなことありません。
こんなはんこがたくさんおされる子育てで、いいんです。
(2010/12/28日経新聞夕刊 社団法人 日本新聞協会の全面広告より)
多数決で選ばれたから、正当性があって、なんでもやってもよいという考えは、まったく成り立ちません。
解釈改憲について、その手続き面でも、内容そのものについても、賛同する憲法学者はおられないと考えます。
安倍政権は、国民の信を失いました。
子ども達に顔向けできない悪い政治の例です。
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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140704/k10015750021000.html
集団的自衛権 憲法学者らが反対の会見
7月4日 16時55分
憲法解釈を変更し集団的自衛権の行使を容認する政府の閣議決定について、憲法学者らが都内で会見し、その時々の政府が憲法解釈を変更できるという先例を残せば憲法で政府の権力を制限する立憲主義を破壊するとして、閣議決定への反対を訴えました。
会見したのは、憲法学や哲学などさまざまな分野の学者が憲法と政治の在り方を考えようと発足させた「立憲デモクラシーの会」です。会見では憲法学者で東京大学名誉教授の奥平康弘さんが、憲法解釈を変更し集団的自衛権の行使を容認する政府の閣議決定について、「戦後70年かけて築いてきた国の在り方と真逆の方向に進もうとしていて戦争ができる国になりかねず、見過ごすことはできない」と述べました。
また、憲法学者で慶應義塾大学名誉教授の小林節さんは「集団的自衛権は、国際法上、同盟国を守るために海外に派兵する権利であり、安倍総理大臣がなぜ他国の戦争に巻き込まれることはないと断言できるのか疑問だ」と指摘しました。会見では「その時々の政府が憲法解釈を変更できるという先例を残すことは立憲主義の根幹を破壊する」などとする声明を発表し、政府の閣議決定への反対を訴えました。
本日(平成26年7月4日)現在の防衛省の見解。
閣議決定が、この時点で反映されていないのは、見解の対立があるのだろうか。
防衛省は、憲法に反する解釈改憲には、従わない強い意思の現れか。
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http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/seisaku/kihon02.html
憲法と自衛権
1.憲法と自衛権
わが国は、第二次世界大戦後、再び戦争の惨禍(さんか)を繰り返すことのないよう決意し、平和国家の建設を目指して努力を重ねてきました。恒久(こうきゅう)の平和は、日本国民の念願です。この平和主義の理想を掲げる日本国憲法は、第9条に戦争放棄、戦力不保持及び交戦権の否認に関する規定を置いています。もとより、わが国が独立国である以上、この規定は主権国家としての固有の自衛権を否定するものではありません。
政府は、このようにわが国の自衛権が否定されない以上、その行使を裏付ける自衛のための必要最小限度の実力を保持することは、憲法上認められると解しています。このような考えの下に、わが国は、日本国憲法の下、専守防衛をわが国の防衛の基本的な方針として、実力組織としての自衛隊を保持し、その整備を推進し、運用を図ってきています。
2.憲法第9条の趣旨についての政府見解
(1) 保持し得る自衛力
わが国が憲法上保持し得る自衛力は、自衛のための必要最小限度のものでなければならないと考えています。
自衛のための必要最小限度の実力の具体的な限度は、その時々の国際情勢、軍事技術の水準その他の諸条件により変わり得る相対的な面を有していますが、憲法第9条第2項で保持が禁止されている「戦力」に当たるか否かは、わが国が保持する全体の実力についての問題です。自衛隊の保有する個々の兵器については、これを保有することにより、わが国の保持する実力の全体がこの限度を超えることとなるか否かによって、その保有の可否が決められます。
しかしながら、個々の兵器のうちでも、性能上専(もっぱ)ら相手国の国土の壊滅的破壊のためにのみ用いられる、いわゆる攻撃的兵器を保有することは、これにより直ちに自衛のための必要最小限度の範囲を超えることとなるため、いかなる場合にも許されません。したがって、例えば、ICBM(Intercontinental Ballistic Missile)(大陸間弾道ミサイル)、長距離戦略爆撃機、あるいは攻撃型空母を自衛隊が保有することは許されないと考えています。
(2)自衛権発動の要件
憲法第9条の下において認められる自衛権の発動としての武力の行使については、政府は、従来から、
①わが国に対する急迫不正の侵害があること
②この場合にこれを排除するために他に適当な手段がないこと
③必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
という三要件に該当する場合に限られると解しています。
(3)自衛権を行使できる地理的範囲
わが国が自衛権の行使としてわが国を防衛するため必要最小限度の実力を行使できる地理的範囲は、必ずしもわが国の領土、領海、領空に限られませんが、それが具体的にどこまで及ぶかは個々の状況に応じて異なるので、一概には言えません。
しかしながら、武力行使の目的をもって武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣するいわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないと考えています。
(4)集団的自衛権
国際法上、国家は、集団的自衛権、すなわち、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利を有しているとされています。わが国が、国際法上、このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上当然です。しかしながら、憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、わが国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、他国に加えられた武力攻撃を実力をもって阻止することを内容とする集団的自衛権の行使は、これを超えるものであって、憲法上許されないと考えています。
(5)交戦権
憲法第9条第2項では、「国の交戦権は、これを認めない。」と規定していますが、ここでいう交戦権とは、戦いを交える権利という意味ではなく、交戦国が国際法上有する種々の権利の総称であって、相手国兵力の殺傷及び破壊、相手国の領土の占領などの権能(けんのう)を含むものです。
一方、自衛権の行使に当たっては、わが国を防衛するため必要最小限度の実力を行使することは当然のことと認められており、その行使は、交戦権の行使とは別のものです。
以上