「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

10独禁法 課徴金 その減免制度 

2014-07-29 19:54:32 | 経済法、独占禁止法

(演習10 2014.7.16)


1 資本金15億円の建設業者であるA社は、平成20年4月1日以降、同業のB(資本金10億円)、C(同8億円)、D社(同1億円)とともに、甲市が指名競争入札により発注する建設工事について、受注予定者を決定し受注予定者以外の者受注予定者が受注できるように協力する行為(以下「入札談合」という)を行ってきた。
 しかし、A社は、入札談合に対する社会的非難の増大に対処するため、首脳の指示により、平成23年10月15日以降、入札談合から離脱するとともに、平成24年1月4日、公正取引委員会に課徴金減免制度を利用して入札談合に関する情報を提供した。
 公正取引委員会は、平成24年3月31日、A社の情報提供に基づいて立ち入り検査を行った。B社は、1)CD社と話し合って入札談合をとりやめるとともに、2)課徴金減免制度を利用して入札談合に関する情報を公正取引委員会に提供した。
 なお、平成20年4月1日から平成24年3月31日までの4年間における、4社の甲市からの建設工事受注(契約)額は、それぞれ、以下のとおりである。

 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
A社 20億円  15億円   22億円   18億円

B社 10億円  15億円   12億円   16億円

C社  5億円  7億円    8億円   5億円

D社  2億円  1億円    2億円   1億円

ただし、A社の平成23年度分のうち8億円は平成23年10月15日以降の入札分である。

ABCD4社のそれぞれの課徴金額を、契約基準に基づき、算定の根拠と総額を示しなさい。


回答:

1) 入札談合の実際の実行期間:平成20年4月1日~平成24年3月31日

   算定期間は3年間さかのぼる(7条の2第1項) 平成21年4月1日から平成24年3月31日

2) B社 15+12+16=43億円

   課徴金 43億円の10%(建設業 7条の2第1項)=4.3億円

   調査開始後の申請者 課徴金減免 30%(7条の2第12項)

 
   4.3億円×(1-0.3)=3.01億円


3) C社 7+8+5=20億円

    課徴金 20×10%(建設業 7条の2第1項)=2億円

    申請なし 減免なし

4) D社 1+2+1=4億円

   課徴金  4×4%(建設業、中小企業 7条の2第5項3号)=0.16億円

   申請なし 減免なし

5) A社 15億円+22億円+18億円=55億円

   課徴金 55億円の10%(建設業 7条の2第1項)5.5億円

   最初の申請者 減免によりゼロ(7条の2第10項)


    
   





2 大規模小売業者のE社は、約100社の納入業者から商品を継続的に仕入れている。
 E社は、新規店が行うオープニングセールに際し、納入業者に対し、平成23年5月1日から平成24年4月30日までの間、以下のことを要請していた。
 ア 顧客誘導係として従業員を派遣すること。
 イ 通常の仕入れ価格から一律30%相当額を仕入れ金額から差し引くこと。
 これら要請を受けた納入業者は、E社との今後の取引の継続を行う立場上、これら要請を受け入れることを余儀なくされていた。
 なお、平成23年5月1日から平成24年4月30日までの間のE社と納入業差との取引額は100億円に上る。
 E社の課徴金額について、算定の根拠と総額を示しなさい。


回答:
 不公正な取引方法

ア 顧客誘導係として従業員を派遣すること。  →2条9項5号ロ該当
イ 通常の仕入れ価格から一律30%相当額を仕入れ金額から差し引くこと。 →2条9項5号ハ該当

 優越的地位の濫用 1%(20条の6)

 100億円の1%→1億円
 


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9独禁法の不公正な取引方法とは?抱き合わせ販売、取引妨害、優越的地位の濫用

2014-07-29 19:52:24 | 経済法、独占禁止法

(演習9 2014.7.9)

1 コンピューターのソフトウェア(以下「ソフト」という)は、かつてソフト開発業者が開発したものを一般消費者が選んで購入していたが、現在では、コンピューターメーカーが、ソフト開発業者からソフトを購入し、あらかじめ、コンピューターに搭載する「同梱」という形態が一般的になっている。
 ソフト販売会社A社は、コンピュターメーカーに対し、A社製の表計算ソフトを購入する場合は、A社製のワープロソフトを合わせて購入するよう要請した。
 A社製の表計算ソフトは、他に競争品はなく、コンピューターメーカーにとっては必需品で、これを同梱しないわけにはいかなかった。
 コンピューターメーカーは、それまではB社製ワープロソフトを購入し同梱ししていたが、A社の上記要請を踏まえ、B社製ワープロソフトに代えてA社製のワープロソフトを購入することにした。
 その結果、B社製ワープロソフトの売上高は急減した。

回答:

○A社の行為が抱き合わせ販売(2条9項6号に基づく一般指定10項)にあたるかを問われている。

○抱き合わせ販売とは、相手方に対し、不当に商品の供給に併せて他の商品を自己から購入するように強制することをいう。

○本件では、A社は、相手方コンピューターメーカーに対し、自己の計算ソフト(強い製品)の供給に合わせて、A社のワープロソフト(弱い製品)を購入するように要請しており、要請を受けたコンピューターメーカーは、A社製表計算ソフトが必需品で、買うほかに選択の余地がなかった。
 行為の外形は、抱き合わせ販売に該当する。

○抱き合わせにより、コンピューターメーカーの顧客の商品選択の自由が減少し、結果、B社製のワープロソフトが排除され、売上が急減することになっており、公正な競争を阻害されている。

○一般指定10項に該当し、19条違反である。

*シェアが大きいと、私的独占(2条5項)の問題にも該当する。一定の取引分野:ワープロソフト。

参考:マイクロソフト事件、一太郎問題


2 エレベーターは、ビルを建設する際、エレベターメーカー(以下「メーカー」という)によって設置される。エレベーターの定期的な保守点検業務や故障した場合の修理業務は、メーカーの系列会社(以下「系列会社」という)に任せる建物所有者が多い。
 しかし、独立系の保守業者(以下「非系列会社」という)の従業員は、元メーカーや系列会社の従業員であった者が多く、技術力は系列会社の従業員と遜色ないこと、また、代金が系列会社よりも安いことから、非系列会社と取引する建物所有者も少なくない。
 非系列会社Cは、自分が保守管理するエレベーターが故障したため、このエレベーターを設置したDメーカーに修理に必要な部品を注文した。しかし、Dメーカーは、「その部品は、在庫がなく、3カ月後にならないと納入できない」と回答した。
 この旨をCから聞いた建物所有者Eは、「エレベーターが3ヶ月も動かないのでは困る」として、Cとの保守管理契約を解除するとともに、直接、Dメーカーに対して部品を供給してくれるよう要請した。これに対しDメーカーは、「部品をすぐ供給して欲しかったら当社の系列会社に保守点検業務も任せてもらいたい」と回答した。
 Eは、これを断り、このビルを建設したゼネコンをつうじてDメーカーに部品を供給してくれるよう依頼した。Dメーカーは、これに対応してすぐEに部品を供給した。


回答:

1 取引妨害
○D社の行為が、秘系列会社に対する行為が、競争妨害(一般指定14項)が問題である。

○自己や自己が役員となっている会社と競争関係にある事業者とその取引の相手方との取引について、取引を不当に妨害することをいう。

○本件では、系列会社がD社が株主なら要件に該当し、秘系列会社と、相手方建物所有者との取引の不履行を誘引している。
 
○部品の供給を不当に遅らせ、系列会社と非系列会社の競争を減殺し、公正競争を阻害している。

○一般指定14項に該当し、19条違反である。


2 抱き合わせ販売

○一般指定10項が問題である。

○本件では、Dメーカーは、建物所有者に、エレベーター部品の供給にあわせて、Dメーカーの系列会社の保守点検業務について自己の指定することを強制しており、外形は、抱き合わせに該当する。

○建物所有者の取引選択の自由を奪い、非系列会社を排除されており、公正競争を減殺している。

○一般指定10項に該当し、19条違反である。


3 大規模小売業者Fは、新規に出店した店舗のオープニングセールに際し、商品陳列等の作業をさせるため、納入業者に対し、従業員等の派遣を要請した。
 また、Fは、オープニングセールで値引き販売し、納入業者に責任がないのに、その値引き分を納入業者に負担させている。
 さらに、Fは、オープニングセール協賛金として、納入取引額に一定率を乗じた額を提供させている。
 なお、要請を受けた納入業者は、今後の取引の継続を考慮し、Fの要請に応じている。

回答:

○2条9項5号優越的地位の濫用が問題である。

○優越的地位の濫用

 1 取引上の地位が相手方に優越している

 2 正常な商慣習に照らして不当に

 3 ロ 継続取引先に経済上の利益を提供させる

   ハ 相手方に代金減額

 本件では、

 1 大規模講義業者Fが

 2 正常な商慣習に照らして不当に

 3 ロ 商品陳列などの作業をさせるため、従業員の派遣

   ロ 納入取引額に一定率を乗じた額を提供させている

   ハ 納入業者に責任がないのに、その値引き分を納入業者に負担させている

 ○納入業者にとって、正常な商慣習に照らして、不当であって、今後の取引の継続のため余儀なくされており、自主的判断を妨げられており、公正競争阻害性がある。

 ○2条9項5号に該当し、19条違反


以上


********今後、回答書きます。*******************
***************************

1 資本金15億円の建設業者であるA社は、平成20年4月1日以降、同業のB(資本金10億円)、C(同8億円)、D社(同1億円)とともに、甲市が指名競争入札により発注する建設工事について、受注予定者を決定し受注予定者以外の者受注予定者が受注できるように協力する行為(以下「入札談合」という)を行ってきた。
 しかし、A社は、入札談合に対する社会的非難の増大に対処するため、首脳の指示により、平成23年10月15日以降、入札談合から離脱するとともに、平成24年1月4日、公正取引委員会に課徴金減免制度を利用して入札談合に関する情報を提供した。
 公正取引委員会は、平成24年3月31日、A社の情報提供に基づいて立ち入り検査を行った。B社は、�CD社と話し合って入札談合をとりやめるとともに、�課徴金減免制度を利用して入札談合に関する情報を公正取引委員会に提供した。
 なお、平成20年4月1日から平成24年3月31日までの4年間における、4社の甲市からの建設工事受注(契約)額は、それぞれ、以下のとおりである。

 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
A社 20億円  15億円   22億円   18億円

B社 10億円  15億円   12億円   16億円

C社  5億円  7億円    8億円   5億円

D社  2億円  1億円    2億円   1億円

ただし、A社の平成23年度分のうち8億円は平成23年10月15日以降の入札分である。

ABCD4社のそれぞれの課徴金額を、契約基準に基づき、算定の根拠と総額を示しなさい。


2 大規模小売業者のE社は、約100社の納入業者から商品を継続的に仕入れている。
 E社は、新規店が行うオープニングセールに際し、納入業者に対し、平成23年5月1日から平成24年4月30日までの間、以下のことを要請していた。
 ア 顧客誘導係として従業員を派遣すること。
 イ 通常の仕入れ価格から一律30%相当額を仕入れ金額から差し引くこと。
 これら要請を受けた納入業者は、E社との今後の取引の継続を行う立場上、これら要請を受け入れることを余儀なくされていた。
 なお、平成23年5月1日から平成24年4月30日までの間のE社と納入業差との取引額は100億円に上る。
 E社の課徴金額について、算定の根拠と総額を示しなさい。


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8「不公正な取引方法」とは?不当な単独取引拒絶、差別対価、不当廉売、排他条件付取引、拘束条件付取引

2014-07-29 13:04:42 | 経済法、独占禁止法

(演習8 2014.6.25/7.2)

1 A社は、自社製品の流通経路を調査し、取引卸売業者に対して、廉売を行う小売店のA社製品を販売しないよう要請した。

回答:  

〇A社の行為が、不当な単独の取引拒絶(2条9項6号に基づく一般指定2項)を問う問題である。  

〇契約自由の原則があるから、原則合法である。  

〇しかし、公正競争阻害性がある場合(�違法行為の実効確保手段となる場合または�有力事業者の競争者排除手段となる場合)は違法となる。  

〇本件では、A社は、廉売したことを理由に取引拒絶しており、価格競争を減殺し、違法な行為実行確保手段として用いられている。  

〇不公正な取引方法に拒絶し、19条違反である。

2 B製品のメーカーらは、B製品卸売協同組合の組合員に対し、同組合の員外者よりもB製品の卸売価格を15%安くし、かつ、割戻金を15%増額して支払うという優遇策を講ずることにより同協同組合の育成を図ろうとした。  

回答:  

〇B製品メーカーの行為が、差別対価(2条9項2号(課徴金対象)、または、2条9項6号に基づく一般指定3項)と差別取扱い(2条9項6号に基づく一般指定4項)に該当するかを問う問題である。  

〇差別対価で、員外社のほうが、割高になる。員外者を競争上不利にしている。→一般指定3項は該当。   

さらに、他の事業者の事業活動の困難性あり→2条9項2号に該当することとなる。   →19条違反  

〇差別取扱い    アウトサイダーを排除する   →19条違反

参考事例:北海道新聞社対北海タイムス事件 東京高判昭和29.12.23


3 Cスーパーは、1リットルパックの牛乳(以下「パック牛乳」という)を、他スーパーと同様、1本あたり160円で仕入れ、これを180-200円で販売していた。  
 隣接するDスーパーがパック牛乳を1本あたり150円で販売し始めたため、Cスーパーも対抗して同様に1本あたり150円で販売し始めた。  
 ところが、Dスーパーは、バック牛乳を1本目100円、2本目150円で販売し始めた。これを見、Cスーパーも、1本目100円、2本目150円で販売した。  
 この影響を受けて、CDスーパーの周辺の牛乳専売店の牛乳の販売量は大幅に減少した。

回答:  

〇不当廉売(一般指定6項、または、2条9項3号)を問う問題である。  

〇不当廉売  2条9項3号  

1正当な理由(品質低下、流行おくれ、新製品を出したなどして需給対応など)ない   

2原価を割る   

3継続して販売  

4他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれ  

この除いた場合が、一般指定6項である。  

本件では、  

1正当な理由(品質低下、流行おくれ、新製品を出したなどして需給対応など)→ない   

2原価を割る→ 仕入れ価格を割っており、コストを著しく下回る対価である。  

3継続して販売 → D⇒C⇒D⇒Cと継続している  

4他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれ→ 他の事業者の売り上げが大幅に下がっている。   2条9項3号に該当し、19条違反。  

〇Cは、追随しただけであるが、正当な理由に、他のものに対抗してということは抗弁にならない。  

参考:小売における廉売の考え方



4 F製品のメーカーであるE社はシェア40%でトップメーカーである。
F製品のメーカーはE社の他に4社存在し、それぞれのシェアは25%、20%、10%、5%である。  
F製品の流通経路は、メーカー→卸売業者→小売業者→消費者であり、従来、卸売業者・小売業者はどのメーカーの製品も取り扱う併売店であった。  
E者は、主だった卸売業者に対し、F製品の売上高に占める自社製品の販売シェアに応じて割戻金を支払うことにした。  
その結果、主要卸売業者のF製品の売上高に占めるE社のシェアは大幅に増加し、2位以下のメーカーのF製品の売上高は大幅に減っている。

回答:  

〇排他条件付き取引(一般指定11項)、私的独占(2条5項)に当たるか問われている。  

〇排他条件付き取引  

1有力な(シェア10%以上の)事業者が  

2競争品の取扱い制限を行い  

3競争者が代替的な流通経路を容易に見つけられない場合  自由競争減殺した場合、一般指定11項に該当する。  

本件では、  

1有力な(シェア10%以上の)事業者  ⇒有力な事業者で、シェア40%  

2競争品の取扱い制限を行い      ⇒専売リベートで、卸売業者が  

3競争者が代替的な流通経路を容易に見つけられない場合 ⇒主要な卸がE社以外に扱わなくなると、流通経路を容易に見つけられなくなる。  

自由競争減殺し、一般指定11項に該当する。  


〇私的独占  単独で、E社の40%がさらに上がり、2位以下の売り上げが下がり、その意思で競争条件を左右しうる。  

2条5項に該当し、3条違反  


5 G製品のメーカーであるH者は、都道府県単位に卸売会社を設け、各卸売会社とのG製品販売契約書において、「指定した地域外への販売をしてはならない」旨を規定している。
このような規定を設ける理由は、都道府県別のG製品販売量を正確に把握したいためである。


回答:  

〇拘束条件付き取引(一般指定12項)が問われている  

1 有力な事業者  

2 地域外顧客への販売を制限し  

3 当該商品の価格が維持  

本件では、問題文に詳細に書かれていないが、  

1 有力な事業者 ⇒シェアが40%、2位以内の業者であり  

2 地域外顧客への販売を制限し⇒ 地域制限し  

3 当該商品の価格が維持 ⇒価格の維持した場合ならば、  


一般指定12項に該当し、19条違反  

以上


********今後、回答書きます。*******************

1 コンピューターのソフトウェア(以下「ソフト」という)は、かつてソフト開発業者が開発したものを一般消費者が選んで購入していたが、現在では、コンピューターメーカーが、ソフト開発業者からソフトを購入し、あらかじめ、コンピューターに搭載する「同梱」という形態が一般的になっている。
 ソフト販売会社A社は、コンピュターメーカーに対し、A社製の表計算ソフトを購入する場合は、A社製のワープロソフトを合わせて購入するよう要請した。
 A社製の表計算ソフトは、他に競争品はなく、コンピューターメーカーにとっては必需品で、これを同梱しないわけにはいかなかった。
 コンピューターメーカーは、それまではB社製ワープロソフトを購入し同梱ししていたが、A社の上記要請を踏まえ、B社製ワープロソフトに代えてA社製のワープロソフトを購入することにした。
 その結果、B社製ワープロソフトの売上高は急減した。


2 エレベーターは、ビルを建設する際、エレベターメーカー(以下「メーカー」という)によって設置される。エレベーターの定期的な保守点検業務や故障した場合の修理業務は、メーカーの系列会社(以下「系列会社」という)に任せる建物所有者が多い。
 しかし、独立系の保守業者(以下「非系列会社」という)の従業員は、元メーカーや系列会社の従業員であった者が多く、技術力は系列会社の従業員と遜色ないこと、また、代金が系列会社よりも安いことから、非系列会社と取引する建物所有者も少なくない。
 非系列会社Cは、自分が保守管理するエレベーターが故障したため、このエレベーターを設置したDメーカーに修理に必要な部品を注文した。しかし、Dメーカーは、「その部品は、在庫がなく、3カ月後にならないと納入できない」と回答した。
 この旨をCから聞いた建物所有者Eは、「エレベーターが3ヶ月も動かないのでは困る」として、Cとの保守管理契約を解除するとともに、直接、Dメーカーに対して部品を供給してくれるよう要請した。これに対しDメーカーは、「部品をすぐ供給して欲しかったら当社の系列会社に保守点検業務も任せてもらいたい」と回答した。
 Eは、これを断り、このビルを建設したゼネコンをつうじてDメーカーに部品を供給してくれるよう依頼した。Dメーカーは、これに対応してすぐEに部品を供給した。


3 大規模小売業者Fは、新規に出店した店舗のオープニングセールに際し、商品陳列等の作業をさせるため、納入業者に対し、従業員等の派遣を要請した。
 また、Fは、オープニングセールで値引き販売し、納入業者に責任がないのに、その値引き分を納入業者に負担させている。
 さらに、Fは、オープニングセール協賛金として、納入取引額に一定率を乗じた額を提供させている。
 なお、要請を受けた納入業者は、今後の取引の継続を考慮し、Fの要請に応じている。

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1 資本金15億円の建設業者であるA社は、平成20年4月1日以降、同業のB(資本金10億円)、C(同8億円)、D社(同1億円)とともに、甲市が指名競争入札により発注する建設工事について、受注予定者を決定し受注予定者以外の者受注予定者が受注できるように協力する行為(以下「入札談合」という)を行ってきた。
 しかし、A社は、入札談合に対する社会的非難の増大に対処するため、首脳の指示により、平成23年10月15日以降、入札談合から離脱するとともに、平成24年1月4日、公正取引委員会に課徴金減免制度を利用して入札談合に関する情報を提供した。
 公正取引委員会は、平成24年3月31日、A社の情報提供に基づいて立ち入り検査を行った。B社は、�CD社と話し合って入札談合をとりやめるとともに、�課徴金減免制度を利用して入札談合に関する情報を公正取引委員会に提供した。
 なお、平成20年4月1日から平成24年3月31日までの4年間における、4社の甲市からの建設工事受注(契約)額は、それぞれ、以下のとおりである。

 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
A社 20億円  15億円   22億円   18億円

B社 10億円  15億円   12億円   16億円

C社  5億円  7億円    8億円   5億円

D社  2億円  1億円    2億円   1億円

ただし、A社の平成23年度分のうち8億円は平成23年10月15日以降の入札分である。

ABCD4社のそれぞれの課徴金額を、契約基準に基づき、算定の根拠と総額を示しなさい。


2 大規模小売業者のE社は、約100社の納入業者から商品を継続的に仕入れている。
 E社は、新規店が行うオープニングセールに際し、納入業者に対し、平成23年5月1日から平成24年4月30日までの間、以下のことを要請していた。
 ア 顧客誘導係として従業員を派遣すること。
 イ 通常の仕入れ価格から一律30%相当額を仕入れ金額から差し引くこと。
 これら要請を受けた納入業者は、E社との今後の取引の継続を行う立場上、これら要請を受け入れることを余儀なくされていた。
 なお、平成23年5月1日から平成24年4月30日までの間のE社と納入業差との取引額は100億円に上る。
 E社の課徴金額について、算定の根拠と総額を示しなさい。


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7独禁法でいう「不公正な取引方法」とは?再販売価格の拘束(2条9項4号)→公正競争阻害性あれば19条違反

2014-07-29 12:38:10 | 経済法、独占禁止法

(演習7 2014.6.25)

1 A社は、甲製品をデパートを通じて一般消費者に販売しており、デパートとの取引に当たり、「甲製品についてはA社が定めたメーカー希望小売価格で販売する」旨の条件を提示し、この条件を受託したデパートとのみ取引をすることとしている。


回答:

 〇A社の行為は、再販売価格の拘束(2条9項4号イ)に当たるか問われている。

 〇�価格維持の合意がなされている。(下のスライド)

  A社が、甲製品について、小売価格を約束したデパートでのみ取引することにしている。

 〇A社の行為は、正当な理由なく甲製品の価格競争を減少消滅させる行為である(公正競争阻害性)。

 〇不公正な取引方法に該当し、独禁法19条に違反する。





2 B社は、自ら開発したゲームソフト(以下「B社製品」)を卸売業者・小売業者を通じて一般消費者に販売している。B社は、B社製品にメーカー希望小売価格よりも安い価格で販売させることのないよう、小売業者への指導を徹底することを要請するとともに、価格調査員を使ってB社製品の小売価格を調べている。
 この調査の結果、家電量販店Cが値引きして販売していることがわかり、そこで、B社は、取引先卸売業者に対し、C家電量販店に対しB社製品の出荷を停止するよう指示した。

回答:

 〇B社の行為は、再販売価格の拘束(2条9項4号ロ)に当たるか問われている。

 〇再販売価格の拘束のIIのタイプに該当する。(上のスライド)(人為的手段を用いて価格を維持)

 値引き業者への出荷停止をしている。

 〇B社製品の価格競争を減少させる(公正競争阻害性)。

 〇不公正な取引方法に該当し、独禁法19条に違反する。



3 D社は、ライセンシーとの特許ライセンス契約において、「当該特許製品についてはD社が定めた価格よりも安く販売しない」という条件を付した。


回答:

 〇製造方法のライセンシー:役務。 同じ製品でないと、再販売ではない。

 〇拘束条件付き取引(一般指定12項)にあたるか

 〇価格維持であって、公正競争阻害性あり。

 〇不公正な取引方法に該当し、独禁法19条に違反する。

参考:小林コーセー事件

******今後、回答書きます。**********************
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1 A社は、自社製品の流通経路を調査し、取引卸売業者に対して、廉売を行う小売店のA社製品を販売しないよう要請した。


2 B製品のメーカーらは、B製品卸売協同組合の組合員に対し、同組合の員外者よりもB製品の卸売価格を15%安くし、かつ、割戻金を15%増額して支払うという優遇策を講ずることにより同協同組合の育成を図ろうとした。
 


3 Cスーパーは、1リットルパックの牛乳(以下「パック牛乳」という)を、他スーパーと同様、1本あたり160円で仕入れ、これを180-200円で販売していた。
 隣接するDスーパーがパック牛乳を1本あたり150円で販売し始めたため、Cスーパーも対抗して同様に1本あたり150円で販売し始めた。
 ところが、Dスーパーは、バック牛乳を1本目100円、2本目150円で販売し始めた。これを見、Cスーパーも、1本目100円、2本目150円で販売した。
 この影響を受けて、CDスーパーの周辺の牛乳専売店の牛乳の販売量は大幅に減少した。


4 F製品のメーカーであるF社はシェア40%でトップメーカーである。F製品のメーカーはE社の他に4社存在し、それぞれのシェアは25%、20%、10%、5%である。
 F製品の流通経路は、メーカー→卸売業者→小売業者→消費者であり、従来、卸売業者・小売業者はどのメーカーの製品も取り扱う併売店であった。
 E者は、主だった卸売業者に対し、F製品の売上高に占める自社製品の販売シェアに応じて割戻金を支払うことにした。
 その結果、主要卸売業者のF製品の売上高に占めるE者のシェアは大幅に増加し、2位以下のメーカーのF製品の売上高は大幅に減っている。



5 G製品のメーカーであるH者は、都道府県単位に卸売会社を設け、各卸売会社とのG製品販売契約書において、「指定した地域外への販売をしてはならない」旨を規定している。このような規定を設ける理由は、都道府県別のG製品販売量を正確に把握したいためである。



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1 コンピューターのソフトウェア(以下「ソフト」という)は、かつてソフト開発業者が開発したものを一般消費者が選んで購入していたが、現在では、コンピューターメーカーが、ソフト開発業者からソフトを購入し、あらかじめ、コンピューターに搭載する「同梱」という形態が一般的になっている。
 ソフト販売会社A社は、コンピュターメーカーに対し、A社製の表計算ソフトを購入する場合は、A社製のワープロソフトを合わせて購入するよう要請した。
 A社製の表計算ソフトは、他に競争品はなく、コンピューターメーカーにとっては必需品で、これを同梱しないわけにはいかなかった。
 コンピューターメーカーは、それまではB社製ワープロソフトを購入し同梱ししていたが、A社の上記要請を踏まえ、B社製ワープロソフトに代えてA社製のワープロソフトを購入することにした。
 その結果、B社製ワープロソフトの売上高は急減した。


2 エレベーターは、ビルを建設する際、エレベターメーカー(以下「メーカー」という)によって設置される。エレベーターの定期的な保守点検業務や故障した場合の修理業務は、メーカーの系列会社(以下「系列会社」という)に任せる建物所有者が多い。
 しかし、独立系の保守業者(以下「非系列会社」という)の従業員は、元メーカーや系列会社の従業員であった者が多く、技術力は系列会社の従業員と遜色ないこと、また、代金が系列会社よりも安いことから、非系列会社と取引する建物所有者も少なくない。
 非系列会社Cは、自分が保守管理するエレベーターが故障したため、このエレベーターを設置したDメーカーに修理に必要な部品を注文した。しかし、Dメーカーは、「その部品は、在庫がなく、3カ月後にならないと納入できない」と回答した。
 この旨をCから聞いた建物所有者Eは、「エレベーターが3ヶ月も動かないのでは困る」として、Cとの保守管理契約を解除するとともに、直接、Dメーカーに対して部品を供給してくれるよう要請した。これに対しDメーカーは、「部品をすぐ供給して欲しかったら当社の系列会社に保守点検業務も任せてもらいたい」と回答した。
 Eは、これを断り、このビルを建設したゼネコンをつうじてDメーカーに部品を供給してくれるよう依頼した。Dメーカーは、これに対応してすぐEに部品を供給した。


3 大規模小売業者Fは、新規に出店した店舗のオープニングセールに際し、商品陳列等の作業をさせるため、納入業者に対し、従業員等の派遣を要請した。
 また、Fは、オープニングセールで値引き販売し、納入業者に責任がないのに、その値引き分を納入業者に負担させている。
 さらに、Fは、オープニングセール協賛金として、納入取引額に一定率を乗じた額を提供させている。
 なお、要請を受けた納入業者は、今後の取引の継続を考慮し、Fの要請に応じている。

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1 資本金15億円の建設業者であるA社は、平成20年4月1日以降、同業のB(資本金10億円)、C(同8億円)、D社(同1億円)とともに、甲市が指名競争入札により発注する建設工事について、受注予定者を決定し受注予定者以外の者受注予定者が受注できるように協力する行為(以下「入札談合」という)を行ってきた。
 しかし、A社は、入札談合に対する社会的非難の増大に対処するため、首脳の指示により、平成23年10月15日以降、入札談合から離脱するとともに、平成24年1月4日、公正取引委員会に課徴金減免制度を利用して入札談合に関する情報を提供した。
 公正取引委員会は、平成24年3月31日、A社の情報提供に基づいて立ち入り検査を行った。B社は、�CD社と話し合って入札談合をとりやめるとともに、�課徴金減免制度を利用して入札談合に関する情報を公正取引委員会に提供した。
 なお、平成20年4月1日から平成24年3月31日までの4年間における、4社の甲市からの建設工事受注(契約)額は、それぞれ、以下のとおりである。

 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
A社 20億円  15億円   22億円   18億円

B社 10億円  15億円   12億円   16億円

C社  5億円  7億円    8億円   5億円

D社  2億円  1億円    2億円   1億円

ただし、A社の平成23年度分のうち8億円は平成23年10月15日以降の入札分である。

ABCD4社のそれぞれの課徴金額を、契約基準に基づき、算定の根拠と総額を示しなさい。


2 大規模小売業者のE社は、約100社の納入業者から商品を継続的に仕入れている。
 E社は、新規店が行うオープニングセールに際し、納入業者に対し、平成23年5月1日から平成24年4月30日までの間、以下のことを要請していた。
 ア 顧客誘導係として従業員を派遣すること。
 イ 通常の仕入れ価格から一律30%相当額を仕入れ金額から差し引くこと。
 これら要請を受けた納入業者は、E社との今後の取引の継続を行う立場上、これら要請を受け入れることを余儀なくされていた。
 なお、平成23年5月1日から平成24年4月30日までの間のE社と納入業差との取引額は100億円に上る。
 E社の課徴金額について、算定の根拠と総額を示しなさい。


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6独禁法でいう「不公正な取引方法」とは?共同した供給拒絶(2条9項1号)、購入拒絶(一般指定1項)

2014-07-29 10:32:17 | 経済法、独占禁止法

(演習6 2014.6.18)

1 エアーソフトガンのメーカーの団体であるAは、銃刀法の定め(一定の威力を超える製品の製造販売を禁止)よりも厳しい自主基準を作成している。
 AのアウトサイダーであるB社がこの自主基準に違反する製品を製造販売しているとの情報をえたため、Aは、エアーソフトガンの卸売業者・小売業者に対して「自主基準に違反したB社の製品は取り扱わないように」と通知した。
 B社は、自社製品は法律に従って製造したもので安全性に何ら問題なく、Aの「通知」によって自社製品の安全性に対する誹謗中傷を受けたとして裁判所に損害賠償請求訴訟を提起した。
 なと、団体内部にも自主基準を守らない会員がいたが、Aはこられに対しては特に措置をとった形跡はない

回答:

 〇事業者団体が、8条5項の不公正な取引方法(間接購入ボイコット、2条9項6号に基づく一般指定1項2号)をさせようとしている。8条5号違反。

 〇事業者団体が、会員の競争者であるアウトサイダーを規制し、排除型私的独占(8条1号)をしようとした。8条1号違反。

 〇「正当な理由がないのに」(一般指定1号)=「公共の利益に反して」
  自主基準は、正当な理由がある。
  自主基準(インサイダーが守る基準)を適用するのは、まず、事業者団体内部のものするのがなされるべきところ、自主基準の名を借りてアウトサイダーを排除している。


参考:日本遊戯銃組合事件

2 東北地方のA港で木材輸入業を営む5社は、輸入した木材を一時的に保管しておく倉庫(「保税倉庫」という)を共同で所有し、保税倉庫はインサイダーのみ利用することを申し合わせた。このため、ある木材業者が木材を輸入しようとして保税倉庫の利用を申し合わせた。このため、ある木材業者が木材を輸入しようとして保税倉庫の利用を申し出たが断られた。
 東北地方にはA港以外にも港はあるが遠方なためこの保税倉庫を利用できないと、事実上、木材の輸入事業を営むことができない。

回答:

 〇5社が行為主体、共同行為。

  共同して役務(保税倉庫の利用)の供給を制限(キャパシティーがないなど正当な理由なく)、2条9項1号イに該当するから、19条違反だが、以下3条違反で論ずる。

  一定の取引分野:ユーザーの立場からみて、東北地方。

  新規参入者に対する排除型私的独占(2条5項)、3条前段違反。

  役務の提供(2条6項)を制限(不当な取引制限)、3条後段違反。

参考:パチンコの知的財産権に関する事件

3 A地区の生コン業者10社は、A生コン協同組合に加盟している。 
 A生コン協同組合は、B生コン卸売協同組合の組合員に対してのみ生コンを販売することを申し合わせた。
 なお、A地区には、A生コン協同組合のアウトサイダーが2社存在し、その合計シェアは40%である。




 協同組合からの供給拒絶(2条9項1号)。

 8条1号該当性。
 しかし、アウトサイダー2社のシェアは40%。
 A生コン協同組合で、価格を自由にコントロールする状況は、生まれにくいと考えられ、実質的な競争制限は生じないと考えられる。

 22条の協同組合の適用除外。
 もし、2条9項1号該当するなら、適用除外にならず、19条違反。





******今後、回答書きます。**********************

1 A社は、甲製品をデパートを通じて一般消費者に販売しており、デパートとの取引に当たり、「甲製品についてはA社が定めたメーカー希望小売価格で販売する」旨の条件を提示し、この条件を受託したデパートとのみ取引をすることとしている。


2 B社は、自ら開発したゲームソフト(以下「B社製品」)を卸売業者・小売業者を通じて一般消費者に販売している。B社は、B社製品にメーカー希望小売価格よりも安い価格で販売させることのないよう、小売業者への指導を徹底することを要請するとともに、価格調査員を使ってB社製品の小売価格を調べている。
 この調査の結果、家電量販店Cが値引きして販売していることがわかり、そこで、B社は、取引先卸売業者に対し、C家電量販店に対しB社製品の出荷を停止するよう指示した。


3 D社は、ライセンシーとの特許ライセンス契約において、「当該特許製品についてはD社が定めた価格よりも安く販売しない」という条件を付した。


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1 A社は、自社製品の流通経路を調査し、取引卸売業者に対して、廉売を行う小売店のA社製品を販売しないよう要請した。


2 B製品のメーカーらは、B製品卸売協同組合の組合員に対し、同組合の員外者よりもB製品の卸売価格を15%安くし、かつ、割戻金を15%増額して支払うという優遇策を講ずることにより同協同組合の育成を図ろうとした。
 


3 Cスーパーは、1リットルパックの牛乳(以下「パック牛乳」という)を、他スーパーと同様、1本あたり160円で仕入れ、これを180-200円で販売していた。
 隣接するDスーパーがパック牛乳を1本あたり150円で販売し始めたため、Cスーパーも対抗して同様に1本あたり150円で販売し始めた。
 ところが、Dスーパーは、バック牛乳を1本目100円、2本目150円で販売し始めた。これを見、Cスーパーも、1本目100円、2本目150円で販売した。
 この影響を受けて、CDスーパーの周辺の牛乳専売店の牛乳の販売量は大幅に減少した。


4 F製品のメーカーであるF社はシェア40%でトップメーカーである。F製品のメーカーはE社の他に4社存在し、それぞれのシェアは25%、20%、10%、5%である。
 F製品の流通経路は、メーカー→卸売業者→小売業者→消費者であり、従来、卸売業者・小売業者はどのメーカーの製品も取り扱う併売店であった。
 E者は、主だった卸売業者に対し、F製品の売上高に占める自社製品の販売シェアに応じて割戻金を支払うことにした。
 その結果、主要卸売業者のF製品の売上高に占めるE者のシェアは大幅に増加し、2位以下のメーカーのF製品の売上高は大幅に減っている。



5 G製品のメーカーであるH者は、都道府県単位に卸売会社を設け、各卸売会社とのG製品販売契約書において、「指定した地域外への販売をしてはならない」旨を規定している。このような規定を設ける理由は、都道府県別のG製品販売量を正確に把握したいためである。



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1 コンピューターのソフトウェア(以下「ソフト」という)は、かつてソフト開発業者が開発したものを一般消費者が選んで購入していたが、現在では、コンピューターメーカーが、ソフト開発業者からソフトを購入し、あらかじめ、コンピューターに搭載する「同梱」という形態が一般的になっている。
 ソフト販売会社A社は、コンピュターメーカーに対し、A社製の表計算ソフトを購入する場合は、A社製のワープロソフトを合わせて購入するよう要請した。
 A社製の表計算ソフトは、他に競争品はなく、コンピューターメーカーにとっては必需品で、これを同梱しないわけにはいかなかった。
 コンピューターメーカーは、それまではB社製ワープロソフトを購入し同梱ししていたが、A社の上記要請を踏まえ、B社製ワープロソフトに代えてA社製のワープロソフトを購入することにした。
 その結果、B社製ワープロソフトの売上高は急減した。


2 エレベーターは、ビルを建設する際、エレベターメーカー(以下「メーカー」という)によって設置される。エレベーターの定期的な保守点検業務や故障した場合の修理業務は、メーカーの系列会社(以下「系列会社」という)に任せる建物所有者が多い。
 しかし、独立系の保守業者(以下「非系列会社」という)の従業員は、元メーカーや系列会社の従業員であった者が多く、技術力は系列会社の従業員と遜色ないこと、また、代金が系列会社よりも安いことから、非系列会社と取引する建物所有者も少なくない。
 非系列会社Cは、自分が保守管理するエレベーターが故障したため、このエレベーターを設置したDメーカーに修理に必要な部品を注文した。しかし、Dメーカーは、「その部品は、在庫がなく、3カ月後にならないと納入できない」と回答した。
 この旨をCから聞いた建物所有者Eは、「エレベーターが3ヶ月も動かないのでは困る」として、Cとの保守管理契約を解除するとともに、直接、Dメーカーに対して部品を供給してくれるよう要請した。これに対しDメーカーは、「部品をすぐ供給して欲しかったら当社の系列会社に保守点検業務も任せてもらいたい」と回答した。
 Eは、これを断り、このビルを建設したゼネコンをつうじてDメーカーに部品を供給してくれるよう依頼した。Dメーカーは、これに対応してすぐEに部品を供給した。


3 大規模小売業者Fは、新規に出店した店舗のオープニングセールに際し、商品陳列等の作業をさせるため、納入業者に対し、従業員等の派遣を要請した。
 また、Fは、オープニングセールで値引き販売し、納入業者に責任がないのに、その値引き分を納入業者に負担させている。
 さらに、Fは、オープニングセール協賛金として、納入取引額に一定率を乗じた額を提供させている。
 なお、要請を受けた納入業者は、今後の取引の継続を考慮し、Fの要請に応じている。

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1 資本金15億円の建設業者であるA社は、平成20年4月1日以降、同業のB(資本金10億円)、C(同8億円)、D社(同1億円)とともに、甲市が指名競争入札により発注する建設工事について、受注予定者を決定し受注予定者以外の者受注予定者が受注できるように協力する行為(以下「入札談合」という)を行ってきた。
 しかし、A社は、入札談合に対する社会的非難の増大に対処するため、首脳の指示により、平成23年10月15日以降、入札談合から離脱するとともに、平成24年1月4日、公正取引委員会に課徴金減免制度を利用して入札談合に関する情報を提供した。
 公正取引委員会は、平成24年3月31日、A社の情報提供に基づいて立ち入り検査を行った。B社は、①CD社と話し合って入札談合をとりやめるとともに、②課徴金減免制度を利用して入札談合に関する情報を公正取引委員会に提供した。
 なお、平成20年4月1日から平成24年3月31日までの4年間における、4社の甲市からの建設工事受注(契約)額は、それぞれ、以下のとおりである。

 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度
A社 20億円  15億円   22億円   18億円

B社 10億円  15億円   12億円   16億円

C社  5億円  7億円    8億円   5億円

D社  2億円  1億円    2億円   1億円

ただし、A社の平成23年度分のうち8億円は平成23年10月15日以降の入札分である。

ABCD4社のそれぞれの課徴金額を、契約基準に基づき、算定の根拠と総額を示しなさい。


2 大規模小売業者のE社は、約100社の納入業者から商品を継続的に仕入れている。
 E社は、新規店が行うオープニングセールに際し、納入業者に対し、平成23年5月1日から平成24年4月30日までの間、以下のことを要請していた。
 ア 顧客誘導係として従業員を派遣すること。
 イ 通常の仕入れ価格から一律30%相当額を仕入れ金額から差し引くこと。
 これら要請を受けた納入業者は、E社との今後の取引の継続を行う立場上、これら要請を受け入れることを余儀なくされていた。
 なお、平成23年5月1日から平成24年4月30日までの間のE社と納入業差との取引額は100億円に上る。
 E社の課徴金額について、算定の根拠と総額を示しなさい。


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