4月28日 続き
宿のパティオでしばらく待っていると、やがてでっぷり太って悠揚迫らぬ感じのおじさんが登場。
「私が君らのガイドである。半日なら150ディルハム、一日なら250ディルハムだがフェズを見るのに半日では短すぎる。しかし決めるのは君たちだ。どうするね。」と厳かに宣言するので、初めは半日だけお願いしようかと思っていたが結局一日ガイドをお願いする。
体型の割に速足のおじさんについてまずはブー・ジュルード門へ。
表はブルー、内側はグリーンのこの門をくぐると中は狭い道が迷路のようにつながる旧市街。
道端ではミントやチーズを売っていたり、
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ドライフルーツやカラフルなヌガーの店も面白そうだが、おじさんについて行かないと迷子になってしまう。
「この門を入りなさい」とまず案内されたのはブー・イナニア・マドラサ。
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14世紀に建てられた大きな神学校で、壁面の浮彫や透かし彫りもすばらしいが、軒下などに木材を多用しているのにちょっと驚く。
喜んですぐに写真を撮りたがる我々におじさん、「まずは私の説明を聞きなさい。その後はいくらでも写真を撮っていいから」と実に明快、合理的だ。
狭い路地の向こうで待っているのがおじさん。つっかい棒をした建物の間を抜け、パン屋を覗いたりしながらどんどん行く。
途中の壁にあった半円のでっぱりは家の中の女性が訪問者をこっそり覗くための出窓。
看板の上やら、天井やらに妙な剥製がたくさんいるハーブのお店で口上を聞き、
次はアッタリーン・マドラサ。
ここも14世紀に建てられたそうで、中央の中庭こそブー・イナニア・マドラサより小さいが小さな吹き抜けがいくつもつながった建物の内部には小部屋がたくさんあり、ガイドによると1階は男子生徒、2階は女子生徒のための宿舎だったとか。
カラウィン・モスクは9世紀に建てられたというフェズ最大のモスク。
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現在の収容人数は2000人だそうだが、モロッコでは異教徒は宗教施設に入れないので門から中を覗くだけ。
このモスクの先の路地でドアを一つくぐると、中は驚くほどたくさんの部屋がつながった大きな革製品屋。ミントの葉を渡され、狭い階段を上がってベランダに出ると
有名なモロッコ皮のなめし場が眼下に一望できる。
作業はまず奥の水槽で石灰、塩、鳩の糞で皮を漂白し、それからそれぞれの色の桶につけて染色するそうだが、すべて人力の大変な作業。上から見ていても獣臭さが漂ってきて、そのためにミントの葉が必要な訳だ。
写真を撮ったら店の案内をされて、ここでつい皮ジャンを買ってしまったのはフェズが思いのほか寒かったせい!
この後も路地から路地を歩いて、ひょいと小さな入口を入ると
真鍮のランプ屋さんだったり、絨毯屋だったり。
店の中の造りも素晴らしかったりする。
ある一軒の屋上に上がらせてもらうと旧市街がぐるりと見回せ、
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鮮やかな緑の屋根の連なりは中に入れないカラウィン・モスクとか。
ここはベルベル・カーペットのお店で
「ビンボー・プライスだ。1枚持って帰れ」と熱心に売り込まれる。
お昼もだいぶ回ったが朝をしっかり食べてしまったし、今夜はレストランの予約をしてある。
あまり食べたくないのでお茶だけにしようと渋いマスターにミントティーを所望して待っていると、ガイドが頼んだサンドイッチがどこからかデリバリーされてきた。それがあまりにもおいしそうだったので我々も注文。
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チキンケバブに香草とピリ辛のソースがかけられて、これはおいしい。
2人で一つにしてもらってちょうどいいボリュームだったけど。
帰り道もまたお店をいろいろ覗きながら、往きにはあまり気にならなかった結構な坂道を上がっていく。
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このおじさんの店にはベルベルのアンティークやら小物がいっぱいでちょっとした博物館みたい。
古い錠前やらランプやら、どれでも売ってくれるんだろうが商売っ気もあまりない。
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こちらはクラシックな機械で組み紐を作っている工場。機械は日本製だと言っていたと思うが、組み紐を何に使うのかは聞きそびれた。
こうして丸一日メディナを歩き回り、最後はホテルまで無事に送り届けてもらってツアーは終了。
おじさんはあまり愛想はなかったけれど、ガイドは詳しいし、どこでもせかすことなくゆっくり見学させてくれて、結果的にお願いして大正解。
メディナで迷子になるのも楽しかったかもしれないが、フェズの店は路地の中に隠れていることが多いので自分たちだけだったらこれほどいろいろ見られなかっただろう。
土曜日だったせいか名物と言われるロバ渋滞にもそれほど会わなかったし、悪名高い呼び込みもあまりなかったのはガイドと一緒だったせいだろうか。
とにかくよく歩いたということで
中庭でまたミントティー。この甘い一杯がうれしい。
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宿のパティオでしばらく待っていると、やがてでっぷり太って悠揚迫らぬ感じのおじさんが登場。
「私が君らのガイドである。半日なら150ディルハム、一日なら250ディルハムだがフェズを見るのに半日では短すぎる。しかし決めるのは君たちだ。どうするね。」と厳かに宣言するので、初めは半日だけお願いしようかと思っていたが結局一日ガイドをお願いする。
体型の割に速足のおじさんについてまずはブー・ジュルード門へ。
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表はブルー、内側はグリーンのこの門をくぐると中は狭い道が迷路のようにつながる旧市街。
道端ではミントやチーズを売っていたり、
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ドライフルーツやカラフルなヌガーの店も面白そうだが、おじさんについて行かないと迷子になってしまう。
「この門を入りなさい」とまず案内されたのはブー・イナニア・マドラサ。
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14世紀に建てられた大きな神学校で、壁面の浮彫や透かし彫りもすばらしいが、軒下などに木材を多用しているのにちょっと驚く。
喜んですぐに写真を撮りたがる我々におじさん、「まずは私の説明を聞きなさい。その後はいくらでも写真を撮っていいから」と実に明快、合理的だ。
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狭い路地の向こうで待っているのがおじさん。つっかい棒をした建物の間を抜け、パン屋を覗いたりしながらどんどん行く。
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看板の上やら、天井やらに妙な剥製がたくさんいるハーブのお店で口上を聞き、
次はアッタリーン・マドラサ。
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ここも14世紀に建てられたそうで、中央の中庭こそブー・イナニア・マドラサより小さいが小さな吹き抜けがいくつもつながった建物の内部には小部屋がたくさんあり、ガイドによると1階は男子生徒、2階は女子生徒のための宿舎だったとか。
カラウィン・モスクは9世紀に建てられたというフェズ最大のモスク。
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現在の収容人数は2000人だそうだが、モロッコでは異教徒は宗教施設に入れないので門から中を覗くだけ。
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有名なモロッコ皮のなめし場が眼下に一望できる。
作業はまず奥の水槽で石灰、塩、鳩の糞で皮を漂白し、それからそれぞれの色の桶につけて染色するそうだが、すべて人力の大変な作業。上から見ていても獣臭さが漂ってきて、そのためにミントの葉が必要な訳だ。
写真を撮ったら店の案内をされて、ここでつい皮ジャンを買ってしまったのはフェズが思いのほか寒かったせい!
この後も路地から路地を歩いて、ひょいと小さな入口を入ると
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真鍮のランプ屋さんだったり、絨毯屋だったり。
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ある一軒の屋上に上がらせてもらうと旧市街がぐるりと見回せ、
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鮮やかな緑の屋根の連なりは中に入れないカラウィン・モスクとか。
ここはベルベル・カーペットのお店で
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「ビンボー・プライスだ。1枚持って帰れ」と熱心に売り込まれる。
お昼もだいぶ回ったが朝をしっかり食べてしまったし、今夜はレストランの予約をしてある。
あまり食べたくないのでお茶だけにしようと渋いマスターにミントティーを所望して待っていると、ガイドが頼んだサンドイッチがどこからかデリバリーされてきた。それがあまりにもおいしそうだったので我々も注文。
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チキンケバブに香草とピリ辛のソースがかけられて、これはおいしい。
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帰り道もまたお店をいろいろ覗きながら、往きにはあまり気にならなかった結構な坂道を上がっていく。
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このおじさんの店にはベルベルのアンティークやら小物がいっぱいでちょっとした博物館みたい。
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こちらはクラシックな機械で組み紐を作っている工場。機械は日本製だと言っていたと思うが、組み紐を何に使うのかは聞きそびれた。
こうして丸一日メディナを歩き回り、最後はホテルまで無事に送り届けてもらってツアーは終了。
おじさんはあまり愛想はなかったけれど、ガイドは詳しいし、どこでもせかすことなくゆっくり見学させてくれて、結果的にお願いして大正解。
メディナで迷子になるのも楽しかったかもしれないが、フェズの店は路地の中に隠れていることが多いので自分たちだけだったらこれほどいろいろ見られなかっただろう。
土曜日だったせいか名物と言われるロバ渋滞にもそれほど会わなかったし、悪名高い呼び込みもあまりなかったのはガイドと一緒だったせいだろうか。
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