FFPはワンワールドとスタアラのカードを持っているが、今回は利便性優先でKLMのアムステルダム直行便を選択。
KLMはヨーロッパ内の短距離では乗ったことがあったが、日本からの長距離は初めて。
成田からの直行便はお久しぶりのジャンボ。
9割方席が埋まるとその乗客数の多さに改めて驚く。
大きな機体とは言えエコノミーの座席は狭くて、前の背もたれを倒されるとモニターが近すぎるほど。
オランダ人はヨーロッパでも一、二を争うほど背の高い人が多いので、隣のお兄さんなど長い脚を持て余して大変そうだ。
そうこうしているうちに始まる安全ビデオ。
最近はちゃんと見てもらえるようにいろいろ工夫している航空会社が多いが
KLMはオランダらしくデルフト焼きタイル風のアニメで、これはしゃれている。
飲み物のサービスが始まると
ナプキンには風車、プラスチックカップには自転車やチューリップ、木靴の模様が付いていてかわいい。
さらに機内食もトレーや紙箱にデルフト焼きやチューリップの絵柄があしらわれていて、ここまでお国柄を徹底しているところも珍しい。
その機内食は和食をお願いしたが
そぼろご飯の隣の焼き鮭がふっくらといい焼き加減で、デザートにあんみつは珍しいが寒天がつるりととてもおいしい。
食後のコーヒーの紙コップやお砂糖までデルフト柄で、日本の航空会社もこれぐらいやればいいのに。
さて、オランダまでの長い機内、一本目に選んだのはオランダ映画。
Jheronimus Bosch
実は今年はボッシュの生誕死後500年に当たり、それを記念して生誕地の博物館で主な作品を集めた大展覧会が開かれている。
この映画はその作品集めに奔走したボッシュリサーチプロジェクトの苦労を追いかけたドキュメンタリーなのだが、肝心の所はオランダ語、付いている英語字幕は細かすぎて小さなモニターの荒い画面ではろくに読めず、楽しみにしていたのに多分半分ぐらいしか理解できていない。
しかし理解した限りでは今までボッシュの作品とされてきたもののかなりの数が研究の結果、工房の作または模写と判定され、そのような判定が下ることを恐れたスペインのプラドが所有する目玉作品の貸し出しを取りやめてしまったということらしい。
その交渉の様子もかなりおもしろいのだが、真贋の判定たるや絵が描かれた木板の年輪まで数える徹底ぶり。
この映画、日本ではDVDでも出してはくれないだろうな。
しかしこの映画の存在をKLMのHPで知ったおかげで展覧会に行くことができた。その様子はまたいずれ。
アイスクリームをなめながらの2本目は
「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」 Mr. Holmes
現在テレビではカンバーバッチのシャーロックが大人気だが、こちらはそのホームズ氏が認知症も疑われるほど年を取った最晩年と言う設定。
幼い息子を抱えた家政婦の世話になっているのだが、まだもう少し若かった頃の事件を回想し、探偵引退に追い込まれた未解決の事件の謎を解く、と言うストーリー。
イアン・マッケラン主演で激渋なのはいいのだが、老人がもそもそと上流のイギリス英語を口ごもるので、これを日本語字幕なしはつらかった。
ホームズが日本に来る設定もなんだか必然性が感じられず、やっぱりテレビ版の方がずっとおもしろい。
さらにもう一本、今度はもっと気楽なものを、と選んだのはこちら。
「二つ星の料理人」 Burnt
ブラッドリー・クーパーが2つ星を取るほどの天才料理人なのにヤクで失敗、そこから再起して3つ星を目指す、というお話なのだが、クーパー氏がどうしてもシェフには見えない。
大体、本当の料理人も現場は相当荒っぽいだろうとは思うが、商売道具である鍋釜や皿まで投げ飛ばすだろうか。
それ以上に口にする言葉はF***だらけで、こんな人の作る料理を食べたいとは思えない。
料理の絵は最近見た同様の映画の中では一番きれいだったのだが、どうも料理人の映画に当たりがない。
こうして10時間を過ごして到着1時間半前に2度目の食事。
今度はノーチョイスでチキン入りビーフン炒めだったが、こちらも軽食として十分においしかった。
アムステルダム発の帰路では1万円プラスでエコノミーコンフォートという席にしたが、こちらは座席間の幅が十分に広くて、この差額なら大満足。
食事もマスタードソースのチキンがちょっとエキゾチックな風味でおいしくいただく。
食事を終えて見たのはまたイギリス映画で
「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」 A Royal Night Out
イギリスで戦争の終結が宣言された夜、王女だったエリザベスと妹のマーガレットが町に繰り出したと言う事実があったそうで、もちろん実際はお付きの者たちにガードされてのお出かけだったそうだが、そこは映画、お付きの者を巻き、姉妹も別れ別れになってそれぞれ刺激的な夜を過ごすと言うストーリー。
毒のない映画で、妹のマーガレットが軽薄なブスにされているのは気の毒だが、エリザベスを演じた女優はきれいで品がある。
母太后を演じる女優が本物によく似ているがどこかで見たことがある、と思ったらエミリー・ワトソンだったのには驚いた。本当に老けたと言うよりはメイクと演技だろうか。
「Burnt」のチョイ役のユマ・サーマンがクレジットを見るまでは気が付かないほど顔が変わってしまっていたのにはもっと驚いたが。
帰りもまたアイスをいただいて
最後の映画は安全に日本語吹き替えのあるこちら。
「オデッセイ」 The Martian
事故によって火星に一人ぼっちで取り残されてしまったマット・デイモンが絶体絶命の状況でも絶対にギブアップをせず、しぶとく生き抜いて無事生還すると言うお話し。
「ゼロ・グラビティ―」もそうだったが、こういうサバイバル物はアメリカ人だと納得してしまう。
同じ状況でも日本人なら淡白にあきらめてしまうだろうな、といい意味で感心する。
いささかご都合主義なところもあるし、船長として活躍するのが女性だったり中国が救出に協力したり、サポートスタッフがインド系だったり黒人だったりするところにも政治的なにおいを感じるが、リドリー・スコットのSFはさすがの面白さ。
やっとスカッとする映画に当たった。
そして到着前には朝食。
定番のスクランブル・エッグだけれど、蓋のビニールシートがまたきれいなデルフト柄。
往路ではベジタリアンのオーダーが通っていなかったらしい隣のお兄さんにCAさんが食べられそうなサラダや果物を甲斐甲斐しくかき集めて与えていたのが印象的で、サービスも良く、機内食もおいしくてKLMは好印象。
しかし次に乗る時は絶対にエコノミーコンフォートにしよう。
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KLMはヨーロッパ内の短距離では乗ったことがあったが、日本からの長距離は初めて。
成田からの直行便はお久しぶりのジャンボ。
9割方席が埋まるとその乗客数の多さに改めて驚く。
大きな機体とは言えエコノミーの座席は狭くて、前の背もたれを倒されるとモニターが近すぎるほど。
オランダ人はヨーロッパでも一、二を争うほど背の高い人が多いので、隣のお兄さんなど長い脚を持て余して大変そうだ。
そうこうしているうちに始まる安全ビデオ。
最近はちゃんと見てもらえるようにいろいろ工夫している航空会社が多いが
KLMはオランダらしくデルフト焼きタイル風のアニメで、これはしゃれている。
飲み物のサービスが始まると
ナプキンには風車、プラスチックカップには自転車やチューリップ、木靴の模様が付いていてかわいい。
さらに機内食もトレーや紙箱にデルフト焼きやチューリップの絵柄があしらわれていて、ここまでお国柄を徹底しているところも珍しい。
その機内食は和食をお願いしたが
そぼろご飯の隣の焼き鮭がふっくらといい焼き加減で、デザートにあんみつは珍しいが寒天がつるりととてもおいしい。
食後のコーヒーの紙コップやお砂糖までデルフト柄で、日本の航空会社もこれぐらいやればいいのに。
さて、オランダまでの長い機内、一本目に選んだのはオランダ映画。
Jheronimus Bosch
実は今年はボッシュの
この映画はその作品集めに奔走したボッシュリサーチプロジェクトの苦労を追いかけたドキュメンタリーなのだが、肝心の所はオランダ語、付いている英語字幕は細かすぎて小さなモニターの荒い画面ではろくに読めず、楽しみにしていたのに多分半分ぐらいしか理解できていない。
しかし理解した限りでは今までボッシュの作品とされてきたもののかなりの数が研究の結果、工房の作または模写と判定され、そのような判定が下ることを恐れたスペインのプラドが所有する目玉作品の貸し出しを取りやめてしまったということらしい。
その交渉の様子もかなりおもしろいのだが、真贋の判定たるや絵が描かれた木板の年輪まで数える徹底ぶり。
この映画、日本ではDVDでも出してはくれないだろうな。
しかしこの映画の存在をKLMのHPで知ったおかげで展覧会に行くことができた。その様子はまたいずれ。
アイスクリームをなめながらの2本目は
「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」 Mr. Holmes
現在テレビではカンバーバッチのシャーロックが大人気だが、こちらはそのホームズ氏が認知症も疑われるほど年を取った最晩年と言う設定。
幼い息子を抱えた家政婦の世話になっているのだが、まだもう少し若かった頃の事件を回想し、探偵引退に追い込まれた未解決の事件の謎を解く、と言うストーリー。
イアン・マッケラン主演で激渋なのはいいのだが、老人がもそもそと上流のイギリス英語を口ごもるので、これを日本語字幕なしはつらかった。
ホームズが日本に来る設定もなんだか必然性が感じられず、やっぱりテレビ版の方がずっとおもしろい。
さらにもう一本、今度はもっと気楽なものを、と選んだのはこちら。
「二つ星の料理人」 Burnt
ブラッドリー・クーパーが2つ星を取るほどの天才料理人なのにヤクで失敗、そこから再起して3つ星を目指す、というお話なのだが、クーパー氏がどうしてもシェフには見えない。
大体、本当の料理人も現場は相当荒っぽいだろうとは思うが、商売道具である鍋釜や皿まで投げ飛ばすだろうか。
それ以上に口にする言葉はF***だらけで、こんな人の作る料理を食べたいとは思えない。
料理の絵は最近見た同様の映画の中では一番きれいだったのだが、どうも料理人の映画に当たりがない。
こうして10時間を過ごして到着1時間半前に2度目の食事。
今度はノーチョイスでチキン入りビーフン炒めだったが、こちらも軽食として十分においしかった。
アムステルダム発の帰路では1万円プラスでエコノミーコンフォートという席にしたが、こちらは座席間の幅が十分に広くて、この差額なら大満足。
食事もマスタードソースのチキンがちょっとエキゾチックな風味でおいしくいただく。
食事を終えて見たのはまたイギリス映画で
「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」 A Royal Night Out
イギリスで戦争の終結が宣言された夜、王女だったエリザベスと妹のマーガレットが町に繰り出したと言う事実があったそうで、もちろん実際はお付きの者たちにガードされてのお出かけだったそうだが、そこは映画、お付きの者を巻き、姉妹も別れ別れになってそれぞれ刺激的な夜を過ごすと言うストーリー。
毒のない映画で、妹のマーガレットが軽薄なブスにされているのは気の毒だが、エリザベスを演じた女優はきれいで品がある。
母太后を演じる女優が本物によく似ているがどこかで見たことがある、と思ったらエミリー・ワトソンだったのには驚いた。本当に老けたと言うよりはメイクと演技だろうか。
「Burnt」のチョイ役のユマ・サーマンがクレジットを見るまでは気が付かないほど顔が変わってしまっていたのにはもっと驚いたが。
帰りもまたアイスをいただいて
最後の映画は安全に日本語吹き替えのあるこちら。
「オデッセイ」 The Martian
事故によって火星に一人ぼっちで取り残されてしまったマット・デイモンが絶体絶命の状況でも絶対にギブアップをせず、しぶとく生き抜いて無事生還すると言うお話し。
「ゼロ・グラビティ―」もそうだったが、こういうサバイバル物はアメリカ人だと納得してしまう。
同じ状況でも日本人なら淡白にあきらめてしまうだろうな、といい意味で感心する。
いささかご都合主義なところもあるし、船長として活躍するのが女性だったり中国が救出に協力したり、サポートスタッフがインド系だったり黒人だったりするところにも政治的なにおいを感じるが、リドリー・スコットのSFはさすがの面白さ。
やっとスカッとする映画に当たった。
そして到着前には朝食。
定番のスクランブル・エッグだけれど、蓋のビニールシートがまたきれいなデルフト柄。
往路ではベジタリアンのオーダーが通っていなかったらしい隣のお兄さんにCAさんが食べられそうなサラダや果物を甲斐甲斐しくかき集めて与えていたのが印象的で、サービスも良く、機内食もおいしくてKLMは好印象。
しかし次に乗る時は絶対にエコノミーコンフォートにしよう。
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