今回のフランクフルト滞在、仕事の前に一日、市内観光をしてみた。
なにしろこの町は乗り換えで通過したことはあっても、観光のためにわざわざ降り立つことはないから。
滞在はずっと空港近くのホテルなので、まずはシャトルバスで空港へ。
バス停のすぐ隣には鉄道駅があって、長距離は上階へ、近距離は地下へ降りればいい。
下りると切符の自動販売機がずらりと並んでいるのだがこれがくせもの。
現金は高額紙幣を受け取らなかったり、クレジットカードは何回やっても通らなかったりで、イタリアやスペインより使いづらい。
なので機械の前ではオタオタする旅人多数、結局有人の窓口に長蛇の列ができていたりして、ドイツの信用早くもガタ落ち。
ただし一日券を買ってしまえばあとは簡単。空港から市内へは9.55ユーロで、これで鉄道、市電、バスとすべての交通機関が乗り放題。切符を見せることもないが、たまに回って来るらしい検札時に切符がないと60ユーロの罰金だそう。
空港駅からフランクフルト中央駅までは各駅停車でも15分。
森を出て高層ビルが見えてきたら中央駅。
いかにもヨーロッパのターミナルらしい姿がかっこいい。
この構内にはツーリスト・インフォメーションがあるので、まずは市内の地図と
Museumsufer Ticket 18ユーロを入手。
これで市内35ヶ所の博物館、美術館も見放題。
中東などからの移民のレストランが並ぶ駅前を通り抜け、歩道橋でマイン川を渡る。
すると川沿いが博物館通りで、目の前には一番大きなシュテーデル美術館がお目見え。
しかしここは後に回して、まずは右手に折れてリービークハウス彫刻美術館へ。
この建物は19世紀末、リービーク男爵が建てた館だそうで、屋根裏部屋だの時計塔などのあるこの屋敷自体がまず面白い。
展示品は名前の通りエジプト古代から中世、ルネッサンス、近代までの彫刻で、自分は中世のドイツ彫刻を目当てに行ったのだが、ちょうどウィリアム・ケントリッジという現代アーティストの全館を使ったインスタレーションが展示されていて
これがなければかなり地味であろう展示をおかげで期待以上に楽しめた。
ここから2,3分の所にあるのが本日のメインイベント、シュテーデル美術館。
さすがに多くの人でにぎわっている館内、まずは3階に上がるとオールド・マスターの作品が集められ
一番の目当てはフェルメールの「地理学者」だったけれど、これが目立たないほど特にフランドル絵画が充実していて
白眉のファン・アイクにクリストゥス
ファン・デル・ワイデンにボッシュ、クラナッハのヴィーナスもあり
他にも美男、美女がいっぱい。
2階は1800年から1945年までの近代絵画だが、ここはさすがにキルヘナーやベックマンなどドイツ人のコレクションが充実していて
かわいい犬や猫もいる。
予想以上の広さとコレクションの充実度に地下の現代絵画には気付かずに出てしまったが、ここは半日つぶす価値あり。
さらに進んで次に入ったのは建築博物館。
白を基調に吹き抜けなどもあってこの建物自体もちょっとおもしろいが、3階には石器時代からの建築物の変遷をミニチュアで見せる展示があって
ミニチュア好きにはこれがたまらなかったりする。
川沿いには10も博物館が並んでいるので、途中は飛ばして4館目は東の端にあるイコン博物館。
ここは予想通り小さな博物館で
ほとんどはロシアのイコンだが
エチオピアの、これもイコンと呼ぶのだろうか、素朴な絵が面白い。
博物館通りはこれで一応端から端まで歩いたので
また橋を渡って町の中心部へ。
駅の方向には高層ビル街も見えるが、目指すのはその手前に見える教会。
フランクフルト大聖堂、通称「カイザードーム」。
95mの塔が目立つゴシック様式の教会は13世紀からのもの。
内部には中央祭壇をはじめ、いかにもドイツらしい細かい彫刻の祭壇がいくつもあって、思いがけず見所が多い。
入口の脇にはドーム博物館があって、ここも博物館パスで入れるので見てみると
豪華な写本が何冊か。こんな本はもちろん王侯貴族か教会しか持てなかっただろう。
ところでこの教会の周囲には昔ながらの木造の家々が立ち並んでいたそうだが
第二次大戦の空襲で1944年の3月にはこんな状態に。
2000軒ほどの家の中で破壊されなかったのは1軒だけ、その真ん中の教会は奇跡的に少しの損傷で済んだのだとか。
そんなわけで教会を出てすぐの所にあるレーマー広場。
昔風の建物が並んでいるが、これらはすべて戦後に再建されたもので、時代がないので残念ながらいささかディズニーランド風。
それでも大勢の観光客でにぎわうこの広場の前から市電に乗って、中央駅から空港へ帰還。
よく歩いた一日だった。
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なにしろこの町は乗り換えで通過したことはあっても、観光のためにわざわざ降り立つことはないから。
滞在はずっと空港近くのホテルなので、まずはシャトルバスで空港へ。
バス停のすぐ隣には鉄道駅があって、長距離は上階へ、近距離は地下へ降りればいい。
下りると切符の自動販売機がずらりと並んでいるのだがこれがくせもの。
現金は高額紙幣を受け取らなかったり、クレジットカードは何回やっても通らなかったりで、イタリアやスペインより使いづらい。
なので機械の前ではオタオタする旅人多数、結局有人の窓口に長蛇の列ができていたりして、ドイツの信用早くもガタ落ち。
ただし一日券を買ってしまえばあとは簡単。空港から市内へは9.55ユーロで、これで鉄道、市電、バスとすべての交通機関が乗り放題。切符を見せることもないが、たまに回って来るらしい検札時に切符がないと60ユーロの罰金だそう。
空港駅からフランクフルト中央駅までは各駅停車でも15分。
森を出て高層ビルが見えてきたら中央駅。
いかにもヨーロッパのターミナルらしい姿がかっこいい。
この構内にはツーリスト・インフォメーションがあるので、まずは市内の地図と
Museumsufer Ticket 18ユーロを入手。
これで市内35ヶ所の博物館、美術館も見放題。
中東などからの移民のレストランが並ぶ駅前を通り抜け、歩道橋でマイン川を渡る。
すると川沿いが博物館通りで、目の前には一番大きなシュテーデル美術館がお目見え。
しかしここは後に回して、まずは右手に折れてリービークハウス彫刻美術館へ。
この建物は19世紀末、リービーク男爵が建てた館だそうで、屋根裏部屋だの時計塔などのあるこの屋敷自体がまず面白い。
展示品は名前の通りエジプト古代から中世、ルネッサンス、近代までの彫刻で、自分は中世のドイツ彫刻を目当てに行ったのだが、ちょうどウィリアム・ケントリッジという現代アーティストの全館を使ったインスタレーションが展示されていて
これがなければかなり地味であろう展示をおかげで期待以上に楽しめた。
ここから2,3分の所にあるのが本日のメインイベント、シュテーデル美術館。
さすがに多くの人でにぎわっている館内、まずは3階に上がるとオールド・マスターの作品が集められ
一番の目当てはフェルメールの「地理学者」だったけれど、これが目立たないほど特にフランドル絵画が充実していて
白眉のファン・アイクにクリストゥス
ファン・デル・ワイデンにボッシュ、クラナッハのヴィーナスもあり
他にも美男、美女がいっぱい。
2階は1800年から1945年までの近代絵画だが、ここはさすがにキルヘナーやベックマンなどドイツ人のコレクションが充実していて
かわいい犬や猫もいる。
予想以上の広さとコレクションの充実度に地下の現代絵画には気付かずに出てしまったが、ここは半日つぶす価値あり。
さらに進んで次に入ったのは建築博物館。
白を基調に吹き抜けなどもあってこの建物自体もちょっとおもしろいが、3階には石器時代からの建築物の変遷をミニチュアで見せる展示があって
ミニチュア好きにはこれがたまらなかったりする。
川沿いには10も博物館が並んでいるので、途中は飛ばして4館目は東の端にあるイコン博物館。
ここは予想通り小さな博物館で
ほとんどはロシアのイコンだが
エチオピアの、これもイコンと呼ぶのだろうか、素朴な絵が面白い。
博物館通りはこれで一応端から端まで歩いたので
また橋を渡って町の中心部へ。
駅の方向には高層ビル街も見えるが、目指すのはその手前に見える教会。
フランクフルト大聖堂、通称「カイザードーム」。
95mの塔が目立つゴシック様式の教会は13世紀からのもの。
内部には中央祭壇をはじめ、いかにもドイツらしい細かい彫刻の祭壇がいくつもあって、思いがけず見所が多い。
入口の脇にはドーム博物館があって、ここも博物館パスで入れるので見てみると
豪華な写本が何冊か。こんな本はもちろん王侯貴族か教会しか持てなかっただろう。
ところでこの教会の周囲には昔ながらの木造の家々が立ち並んでいたそうだが
第二次大戦の空襲で1944年の3月にはこんな状態に。
2000軒ほどの家の中で破壊されなかったのは1軒だけ、その真ん中の教会は奇跡的に少しの損傷で済んだのだとか。
そんなわけで教会を出てすぐの所にあるレーマー広場。
昔風の建物が並んでいるが、これらはすべて戦後に再建されたもので、時代がないので残念ながらいささかディズニーランド風。
それでも大勢の観光客でにぎわうこの広場の前から市電に乗って、中央駅から空港へ帰還。
よく歩いた一日だった。
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