9月10日
京都で朝食と言えばイノダコーヒーに行かねばなるまい、ということで京都駅八条口のお店で
ロールパンセット、930円。
エビフライをはさんだロールパンの温め方が完璧でおいしいけど、朝からちょっとお高い。
今日はまずJRで大津を通って石山へ。
京都から琵琶湖畔までたったの15分。こんなに近いとは知らなかった。
ここからはバスでMiho Museumに向かうのだが、バス乗り場には専用の券売機まである。
やってきたバスは琵琶湖に流れ込む瀬田川を渡り、川沿いに上流へ向かう。
やがて田んぼの中を通り、どんどん山の中へ。途中までは地元のお客さんが数人乗り降りしていたが、途中からは自分と女性二人組だけになり
対向車とすれ違うのもやっとの道を通り、なにやらすごい橋脚の高速道路の下を通ってさらに山奥へ。たっぷり50分かかって目的地に到着。
朝一のバスで開館時間の10時にやって来たが、駐車場にはすでにかなりの車が停まっていて、これは予想外。
バスを降りた所にはレセプション棟があり、まずはこちらで検温。
OKが出るとスタッフがとても丁寧に案内してくださり、美術館棟までは離れているができれば歩いてほしいというので緩い勾配を上っていく。
春には桜が咲くらしいこの道を5分ほど歩くとトンネルがあり
カーブを描くこのトンネルを抜けて橋を渡ると正面に美術館の入り口が見える。
桃源郷への入り口をイメージしているとかで、なかなかの演出。
階段を上がって中に入ると大理石の床とガラスの天井が印象的。
これはルーブルのガラスピラミッドで有名になったI.M.ペイ氏設計で、この屋根もルーブルに似ている。
正面の山の中、遠くにも白い建造物が見えて、そちらはこの美術館の持ち主、神慈秀明会なる宗教団体の本部だとか。
館内にあった説明によればペイ氏は正面左側に見えるカリヨン塔、もう一つMIHO美学院のチャペルも設計しているそうで、団体創立者の小山美秀子さんとずいぶん仲が良かった様子。
ついでにドーハのイスラム美術館はペイ氏91歳、上のチャペルに至っては95歳の時の作品だそうで、昨年102歳で亡くなられたとか。
建物は山を削って緑の中に埋もれたような形になっているので表に出ているのはほとんどガラス屋根だけというのが航空写真だとよくわかる。
そして内部は北館と南館の二つに分かれているのでまずは北側の「秋季特別展」の方から見ると、こちらは茶道具の収集から始まった日本美術。
江戸期の作品が多いが
丸山応挙のワンコがかわいく、眠っている布袋さんは宮本武蔵の筆になるものとか。
作品画像はHPより
伊藤若冲の大きな作品が3点あるのが目玉だろうが、自分的には与謝蕪村の屏風の方が好きだ。
作品数の多いこのコレクションの後は長い廊下を通って南館へ。
こちらは常設展示で世界の古代美術。
エジプトやらメソポタミアやら、点数は少ないがかなり質の高いものばかり。
この唐代の伎楽俑などパリのギメ博物館にあったものにも引けを取らない。
これらの作品についてはMiho MuseumのHPにすべて惜しげもなく写真が挙げられているのが素晴らしい。
説明などもしっかりしているし、こちらの学芸員の質も相当高そう。
それにしてもこれだけのコレクション、どんな宗教団体かと思うが、Wikiによると熱海のMOA美術館や箱根美術館の母体の世界救世教から分かれた教団らしい。
よほど集金のノウハウがあるのだろう、と不信人者は思ってしまう。
見学後は南館にあるカフェで一休み。
こちらの教団では農薬や肥料を一切使用しない秀明自然農法なるものを実践しているのだそうで、
いただいた冷製パスタは野菜がフレッシュでおいしく、それ以上に付いてきたパンがおいしかった。
コロナ対策でレセプション棟のレストランは閉鎖、カフェの食事メニューもパスタだけになってしまっていたのが残念。
ここはミュージアムショップも工芸作家のしゃれた作品が並んでいて、ついかわいい箸置きをお買い上げ。
帰りは雨が土砂降りになってしまったけれど、大きな傘をバスの待合所まで借りられたので助かった。
よくわからない宗教団体ではあるけれど、この美術館は行く価値があった。
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