9月12日
昨日はとうもろこしやお寿司を調子に乗って食べ過ぎ、夜中から胃もたれ気味。
なのでせっかく品数豊富な朝食ビュッフェもごく軽く。
とアイスクリーム。このホテルの自家製アイスはおいしいのだ。
フロントに荷物を預けて弘前の街歩きに出発。
大人の休日俱楽部パスを使うようになってから弘前には何度か来ているが、たいていはどこかへ行く途中に通り過ぎるだけ。街歩きをするのは初めて来た11年前以来、市内に宿泊したのは実は初めてだった。
ホテルを出て歩いて行くと今日も家々の間から岩木山がきれいに見える。
常に山が見える景色はいい。
20分ほど歩いてやって来たのは旧弘前偕行社。
弘前厚生学院という学校の門をくぐると目の前に現れるのが1907年に建てられた陸軍第8師団の将校クラブだった建物。
正面に立派な玄関があるが現在の入り口は左手にあり、300円を支払うと受付の津軽美人が簡単な説明をしてくれて、あとは自由見学。
まず最初に見るのは玄関脇の玉突場。その名の通り、テーブルの下にビリヤード台の跡が残っている。
受付嬢に教わった通り玄関を出て上を見ると軒下に蜂のレリーフが見える。これはもちろん第8師団のしゃれ。
広々とした会場の奥には客室があって、シャンデリアや暖炉もおしゃれ。
庭に出ると全体の姿もきれいに見えて、ここは街の中心からは離れているので他の見学者の姿はなかったが、十分に来る価値あり。
偕行社を出たら次の旧制弘前高校外国人教師館まではすぐ。
1925年に建てられたこちらのかわいい建物、現在は国立弘前大学のカフェ。しかし残念ながらこの日は定休日で中に入ることはできず。
この建物がすでに敷地内の弘前大学のキャンパスはとても広くて、その脇をずっと歩き、また20分ほどで今度は弘前学院大学へ。
こちらの敷地内にあるのは1906年に建てられた弘前学院外人宣教師館。
弘前学院は元々女学校だったということでこの建物も女性宣教師のために建てられたもの。そのためか外観もかわいらしいが、こちらはコロナのために閉鎖中。
学校のそばにはその名も弘前学院大学前という弘南鉄道大鰐線の駅があるのでこれを使って街の中心まで戻ることにする。
が思った通り電車は1時間に1本、隣のスーパーで時間つぶし。シャイニーアップルのスパークリングはおいしい。
やがてやってきた電車、天井の扇風機がなんともレトロ。
ホームにこけしが並ぶ中央弘前駅もレトロだ。
駅のすぐ隣に建つのは1921年に建てられた弘前昇天教会。
駅の正面には小さな時計台が見えて、行ってみるとこれまたレトロな商店街が伸びている。
時計台はもちろん時計屋さん、「ボーシ」屋さんの看板も素敵だが、ほとんどシャッター通りとなってしまっているようなのが寂しい。
この商店街をしばらく歩き、弘前公園の方へ折れると現れるのが堂々とした旧第五十九銀行本店本館(青森銀行記念館)。
ここは11年前にも来たが、その時には冬季休館中だった。今回はそのリベンジで無事入館。
1階は大きな営業室。現役時代のままというカウンターはけやきの一枚板とか。
2階に上がると会議室があって、この天井は貴重な金唐革紙。欧米の金唐革を和紙で真似たもので、オリジナルが残っているのはここも含めて10ヶ所もないそうだ。
隣の大会議室の天井も金唐革紙。そして展示パネルはこの建物の棟梁、堀江佐吉について。堀江棟梁は今日最初に見た旧偕行社をはじめ弘前の有名洋館を多く作り、太宰治の生家、斜陽館もこの人の設計とか。弟や息子たちも多くの建物を残しているすごい人なのだ。
銀行らしい重厚さにあふれたこの建物もすばらしい。
青森銀行を出てちょっと行くと1903年に建てらた旧東奥義塾外人教師館と、これまた堀江佐吉が1906年に建てた旧弘前市立図書館が並んでいる。
この2つは以前に入っているので今回は入館しなかったが
冬には小屋掛けの中に入っていた庭のミニチュア建築たちが日にあたって気持ちよさそう。
このすぐ隣に弘前市役所があって、その目の前にあるのは旧第8師団長官舎。
1917年に建てられたおしゃれな建物、今はスターバックスになっている。
ここでお茶をしても良かったけれど、さらにちょっと歩いて藤田記念庭園へ。
こちらはその名の通りお庭が売りのはずだが、それよりも1921年に建てられた洋館の別邸が人気。
というのもしゃれた邸内にカフェがあって、ここで弘前の有名店数か所のアップルパイが食べられるから。
自分がここまで足を延ばしたのもそれが目当てだったのだが、来てみると平日にもかかわらずお客さんが席が空くのを待っている状態。
どれだけ待つかわからないので予定変更、入り口横の「クラフト&和カフェ 匠館」へ。
こちらは店内奥で弘前の工芸品が売られているが
手前はカフェになっているのでこちらでアップルタルトをいただいた。
これで弘前の主な洋館は網羅しただろうか。
弘前は城下町らしい品のある素敵な町だ。
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