6月25日
夜は雨が降っていたものの、朝目を覚ますと空は快晴。
まだ梅雨明けが宣言されず、天気予報では雨の確率が高かったのでこれはうれしい。眼下には雲海も見える。
朝食を食べたら宿の前から市営バスの妙高山麓線のミニバスに乗車。
2日間乗り放題券をお願いしたら運転手さん、「今日はまたここまで帰ってくるの?それなら」と料金がお得になることを確認してから売ってくれた。
乗車35分、妙高高原ビジターセンターで下車。
まだ今年の4月にできたばかりの真新しい建物は中にカフェやノースフェイスのショップもあっておしゃれ。
妙高の自然を紹介する展示室には花を樹脂に封じ込めたものなどもあって、これはインテリアにもなりそうだ。
この建物が建っているのはいもり池のほとり。外に出てみると目の前の山が水面に映ってきれい!
いもり池自体は湿原に造られた小さくて浅い人工池だが、写真に撮るととにかく「映える」。
このいもり池から苗名滝までは自然歩道があるというので案内所で地図を所望すると、「歩くと2時間以上かかりますよ」と怪訝な顔で詳しい地図はないと言う。どうもここを歩く人はあまりいないらしいが、大雑把なトレッキングマップをもらって歩き始める。
歩き始めこそいささか心配だったが、途中からは苗名滝の小さな標識が要所要所に出現して不安なく、道は車の通らない小道が林の中を続いて気持ちいい。
別荘地など過ぎるとあぜ道に出て
山に囲まれた水田の周りは花でいっぱい。
さらに行くとスキー宿がたくさんある杉野沢の集落に出たが、この中に入ると苗名滝への標識が見えなくなってしまった。
仕方がないのでグーグル先生に頼ると、車は通行止めで新しいう回路へ行けという道に出てしまった。
しかし人間は歩けそうなので入ってしまうと
元々車のすれ違いも難しそうな道には落ち葉が積もり、2ヶ所ほど倒木で道が塞がれたり、昨晩の雨でドロドロの所もあったもののなんとか通り抜けることができた。正解はこの下にできた自動車道路だったようだが、そちらも危なそうだったのでこちらを通れてよかったかも。しかし二人だから誰も通らないこの道も来れたし、出口が見えた時には正直ほっとした。
たどり着いたのは大きな駐車場で、食堂も建つその先には苗名滝への入り口がある。
滝まで15分とある通り
この先は川を渡り
階段を2つ上り、さらにちょっとした山道で思いのほか大変。しかし土曜日で大勢の家族連れや犬を連れた人たちも歩く中進むと
やがて見えてくる苗名滝は高さこそ55mだが水量がすごくてかなりの迫力。特に落ち口の岩が削れている所がすごい。
いもり池からここまでちょうど2時間、来る価値があったと大満足。
それにしても今日は天気が良くて、歩いてきたら大汗をかいてしまった。
そこで駐車場脇のカフェでソフトクリームとアイスティーでクールダウン。窓からは爽やかな風が入って、さすがに高原だ。
ここの駐車場からはまた妙高山麓線のバスに乗って、燕温泉の一つ手前の関温泉で下車。
ここには10軒ほどの宿があり、裏手にはスキー場もあるが、いくつかの宿は休業している様子。
中の一軒、朝日屋さんで立ち寄り湯をお願いすると入浴料は500円。
ちょっと古い感じの旅館内を通り抜けるときれいな廊下に出て、その先にお風呂場。
石の床の落ち着いた浴室に浴槽は3,4人で一杯になるほどの大きさ。
赤茶色のお湯はよく見ると細かい粒子がいっぱいで、41℃ほどのナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉は色の割には金気臭やくせはなく優しい入り心地。
内湯よりちょっと小さな露天は壁に囲まれて景色は見えないが、ぬるめのお湯でゆっくりできる。
のんびりしているうちに子供連れのお客さんが来たので上がってロビーで休ませていただいていると、若い女将さんがお水を出してくれた。
宿を出る時にもとても丁寧に挨拶してくださって、立ち寄りでこれほど丁寧なところはなかなかない。
このお宿も良さそうだなあ。
関温泉から燕温泉へはバスでわずか5分。しかし道は急な上り坂、しかも途中には長いトンネルもあってとても歩けそうにはない。
というわけで市営バスの乗り放題券は大いに役立ってくれた。
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さて、燕温泉での宿泊先はバス停のすぐ脇に立つ「花文」。
公式のチェックイン時間は15時だけれどバスが14時に着くとすぐに部屋に入らせてもらえる。
ロビーには常に飲み物が用意してあって、デロンギのコーヒーメーカーのコーヒーがおいしくてうれしい。
案内された部屋は2階の304号室。エレベーターがあるが廊下などは殺風景で建物は昭和4,50年代に建てられたものだろうか、だいぶ年季が入っている。
しかし8畳の角部屋は2面が大きな窓で明るく、古いけれどトイレ・洗面付きだったのもうれしい。
エアコンはないけれど夜は布団をかぶるほど涼しく、湯上りには扇風機が活躍してくれた。
そっけないほどクラシックな温泉饅頭をいただいたら宿のお風呂へ。
お風呂場のセクシー(笑)な暖簾をくぐると女性用には色浴衣が用意され、脱衣場もとても広い。
内湯は広くて明るい浴室の真ん中に大きな浴槽が一つ、ドーンとあって、かけ流しのお湯が惜しげもなく床を流れている。
温泉は「黄金の湯」と同じ源泉だそうだが、この内湯では42℃ほどと熱めで、硫黄の香りも卵味もはっきりわかる。
が、内湯では暑いのでここから露天に出ると
これが景色も素晴らしく、泉温も39℃とちょうど長湯仕様になっていて言うことなし。
この露天、実は女風呂にしかなく、階下の男風呂は内湯のみ。朝の7時から9時のみ男女入れ替えになるが、基本は女性だけがこの気持ち良さを堪能できるという珍しい女性上位風呂。そのため昼間の立ち寄り湯も男性が500円の所、女性は600円と少し高くなっている。
この宿を選んだ理由がこの露天にあることは言うまでもなく、だから階下のお風呂には一度も入らずに終わってしまった。
食事はお風呂同様、これも2階にある食事処で。
期待通りわらびとこごみの山菜がたっぷり、蕪蒸しはアツアツ、餡かけの豚角煮は温めていただく。
次に登場したのはかわいく魚型になったイワナの塩釜。仲居さんに割っていただくと中のイワナは普通の塩焼きよりもふっくらとしてとてもおいしい。
山菜天ぷらもカリッと見事な揚げ具合で、アザミやウドの葉は初めていただいた。
味噌汁にはたっぷりの根曲竹、もちもちとしたコシヒカリがさすがのおいしさで、イチゴムースまで完食。
ついでに連泊した翌日の夕食は
ごぼうとニンジンを巻いたチキンロールがとてもおいしく、煮物はゴマ豆腐の揚げ出し。
揚げ物は天ぷらが唐揚げに変わったが、これも初めていただいたアマドコロやイタドリはアスパラガスのよう。これも見事な上がり具合で、天ぷらよりおいしいぐらい。
ホイル包みにされたニジマスは子持ちだけれど、卵はたらこでよその子(笑)。これも意外性があって面白い。
食事は宿自慢の十割そばをいただいて
ほぼ唯一きらいなスイカは友人に献上したら大層喜ばれた。
朝食も2日間メニューが変わって、コシヒカリが進んだのは言うまでもない。
これでこのお宿は一泊税込み11,000円。
高級宿もいいが、コスパのいい宿はさらにいい。
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今年は「目指せ、毎月一温泉」ということで、熊本に行った友人を誘い、今度は新潟県の妙高に行ってきた。
2022年6月24日~26日 妙高温泉巡り
6月24日
出発は東京駅から10時半発の北陸新幹線「はくたか」。
金曜の午前中だがさすがに乗客が増えて、自由席はほぼいっぱいになったのはご同慶の至り。
特に軽井沢では驚くほど多くのお客さんが降りて行った。
降車したのは初めて降り立った上越妙高駅。
最近の駅は木を多用したデザインが多くて、きれいだけれどどこも同じに見えるのはちょっともったいない。
すぐに「えちごトキめき鉄道」の駅へ移動。こちらはいまだに改札の駅員がいる。
新幹線のホームを見上げながら待つホームには新潟行きJR特急「しらゆき」。
やがてやってきた妙高高原行きは車体にいろいろなキャラクターやら企業広告やらがいっぱいで華やかだ。
車窓には緑の田んぼと雪の残る山が見えてきれい。
途中の二本木駅では急に列車が逆走するので驚いたが、今では珍しいスイッチバック方式なのだそうだ。
上越妙高から30分の関山駅で下車。
ここには駅員さんがいるが切符はかわいい切符入れに入れて
外に出ると駅舎もメルヘンチックでかわいい。閑散とした駅前だけれど
これから行く燕温泉行きの市営バスがすでに待っていた。
お客さんは6人、年配の運転手さんは話し好きで面白い。
駅前を出るとバスは上りにかかり、途中休暇村やきれいなゴルフ場を見ながら30分で終点の燕温泉に到着。 上越妙高に着いた時は気温が30℃以上もあったが、ここは標高が1100mあるのでさすがに空気が爽やかでほっとする。
荷物はすぐに今夜宿泊する部屋に置かせてもらって、燕温泉の探検へ。
バス停から坂道を上がって行くと道の脇には旅館が4軒。
その先には土産物屋が2軒向かい合っていて
これを通り過ぎると遊歩道が2つに分かれるが、片方は通行止めになっている。
左手の急坂を上ると小さな薬師堂があり、その先を進むと
ピンクのタニウツギがいっぱい。
その先に見えるのは標高2454mの妙高山。ここはその登山口の一つなのだが、標高差も大きくて、これは大変そうだ。
山と反対側には山の神を祀る小さな祠があって
その先、木の間からは惣滝が見える。
遠いので迫力は感じられないが、きれいな滝だ。
ここから引き返すと途中に「黄金の湯」という野天風呂がある。
正面に寸志を入れる箱があるが、ここは基本無料。
左右で男女に分かれた岩の間を進むと
簡素な脱衣場と青白く濁った湯舟が現れる。5,6人でいっぱいになりそうなお風呂だけれど
正面は緑、背後には妙高山が見え、39℃でぬるめのお湯には細かい湯花がいっぱい。
こちらは含硫黄-ナトリウム・カルシウム・炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物泉という恐ろしく長い泉質名で、濁りの割には硫黄の香りは強くないが、それほど長く入っていなくても出た後は汗が止まらなくなる。
こんなにいいお湯がただで入れるなんて、素晴らしすぎる。
ちなみに通行止めになっていた先にはもう一つ「河原の湯」というやはり無料の野天があるのだが、途中の橋が落ちてしまったということで今は行くことができない。が、こちらは混浴、黄金の湯よりもぬるくて長居をする人が多いので女性は入りにくい、とは宿の人のお話。
薬師堂から燕温泉の全景を眺めつつ下りて行くと
建物の軒下には鳥の巣がびっしり。
これらはイワツバメの巣で、温泉の名前もこれが由来とか。
今は子育ての時期なのでよく見ると巣の中に小さなヒナの頭も見える。電線に一杯止まっている姿もかわいくて、燕温泉はいい所だ。
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