マンホール:意匠があらわす日本の文化と歴史 (シリーズ・ニッポン再発見) | |
クリエーター情報なし | |
ミネルヴァ書房 |
・石井英俊
いわゆるご当地ものにも色々あるが、マンホールにもご当地マンホールというのがあることをご存知だろうか。うっかりすると見逃してしまいそうなマンホールの蓋。よく見れば、いかにもその地域らしい絵柄が描かれているのだ。
私はその面白さに気づいて以来、まだ見たことのないデザインのものを見かける都度、カメラに収めてきた。気を付けないといけないのは、同じ絵柄でも、彩色されているものとそうでないものがある場合があるということだ。どうせなら、彩色してある方を写真に撮りたい。
このマンホールの蓋、意外に好きな人は多いようで、本書の著者など、撮った写真がなんと4000枚を越えるという。本書に収録されているのはその中から828種類の蓋の写真。北は北海道から南は沖縄までを網羅している。(ただし著者は沖縄はまだ未踏の地ということで、ご家族が撮影してきたり友人の撮った写真をもらっているとのこと)
本書では、これらが、県庁所在地、富士山、歴史的建造物、祭り、伝統芸能、伝統産業、特産物、スポーツといった区分に分類され、さらに個別にマンホールの蓋を紹介したページでは、その絵柄が何を表しているのかについても説明されている。
これらの絵柄を眺めていると、自分達のところにはこんなものがあるんだと自慢しているようで、なんとも面白い。また、マンホール雑学も収められているので、読み終わったときには、あなたもいっぱしのマンホール通になっているにちがいない。ぜひ、本書を参考にまずは身の回りのマンホールの蓋を眺めることから始めて欲しい。もしかすると、あなたのライフワークが見つかるかもしれないから。
○私の撮ったマンホールコレクション(「文理両道」へリンク)
・広島県竹原市のマンホール
・広島県東広島市(西条)のマンホール
・山口県周南市のマンホール
・山口市(新山口駅近く)のマンホール
・山口市(湯田温泉)のマンホール
・広島県安芸郡坂町のマンホール
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※本記事は、書評専門の拙ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。