文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

書評:地理増刊 地理×女子=新しいまちあるき

2016-04-25 09:59:18 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
地理増刊 地理×女子=新しいまちあるき 2016年 03月号
クリエーター情報なし
古今書院

・お茶の水女子大学ガイドブック編集委員会編

 昔からものごとを記憶するというのが苦手で、学校でも暗記科目といわれるものは大嫌いだった。地理など、私にとっては、天敵のようなもので、高一が終了したとき(私たちの時代は、高校一年で全員が地理を履修させられていた)は、これでもう2度と地理なんかを勉強しなくてもよいとほっとしたものだ。もちろん、大学受験の際の選択科目にも選んではいない。

 ところが世の中は不思議なもので、嫌いな人間がいれば好きな人間もいるという風に、うまくバランスがとれているようだ。なにしろ、月刊「地理」という専門雑誌まで存在している位だから。本書はその3月増刊号である。

 この本が生まれたきっかけは、お茶の水女子大学の「環境地理学演習1」の授業だという。学生たちが、原宿・表参道界隈のフィールドワークを行った成果に、専門家のコラムなども入れて、一般向けのガイドブックとして纏めたものだ。学生たちが、エリアを分担して作り上げたガイドマップが最初の方に掲載されているが、どれも作成者の個性が発揮されていて、眺めていてなかなか楽しい。こういった「地理」なら、そう悪くはない。

 私にとって、原宿・表参道というと今時の若者専用といったような街で、あまり自分には縁がない場所だと思っていた。しかし、これらのマップを見ると、興味深い見処も数多くあることが分かる。

 もし近くに住んでいれば、さっそく本書片手にこれらの場所をめぐってみるのだが、少し遠すぎるのが残念だ。ぜひ、各地の女子大と連携して、いろいろなご当地版も企画して欲しい。

☆☆☆☆

※本記事は、書評専門の拙ブログ「風竜胆の書評」に掲載したものです。



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