文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

マスコミはもっと科学に関心を!

2016-10-04 10:02:53 | オピニオン
 ノーベル医学・生理学賞を東工大栄誉教授の大隅良典さんが受賞した。近年は毎年のように日本人学者がノーベル賞を受賞しており、まことに喜ばしい限りだ。やもすれば応用面に目が行きがちな科学・技術だが、今回は、地道な基礎研究に光が当たったということで、同じように基礎的な研究に従事している人には大きな喜びになったに違いない。

 これに関して、中国新聞は社説で「基礎科学に光当たった」としてこの快挙を湛えている。他の新聞の社説をネットで覗いてみると同様のものが多かった。しかし、誰かがノーベル賞を受賞した時にのみ大騒ぎするマスコミはいかがなものだろうか。例えばスポーツ欄は毎日何ページも割かれて、読みたくもない記事が載せられている(実際読まないが!)。普段から科学・技術の方面にも同じような扱いはできないのだろうか。

 オリンピックでメダルを何個取ったにしても、それは結局個人の趣味の延長でしかない。しかし、こういった基礎科学は多くの人を救うのである。オリンピックなどに大金をつぎ込む余裕があるのなら、もっと科学・技術の振興を図るべきだろう。日本にはこれだけ大学があるのに、学者たちの業績はほとんど知れらていない。海の向こうでプレイしている日本人大リーガーについては、あれだけ報道しているにも関わらずだ。今日本中が騒いでいるが、いったい何人の人間が大隅さんのことを知っていたのだろう。

 中国新聞社説は、今回の受賞に関してこうも書いている。「基礎科学が一定に重視していた時代の研究への評価が、今になって世界的に定着してきた。そうした見方もできなくはない」、「日の当たらない多くの研究を焦らず育てる気概がなければ日本の科学力は盤石とはいえない。朗報に沸く中で、そのことも考えておきたい」

 確かに、現在ノーベル賞を受賞しているのは、昔の教育を受けてきた人だ。今のように小さいころから塾に通って、お勉強を「習う」時代の若者たちが果たして後に続くかどうかは怪しい。しかし基礎科学を「日が当たらない」と決めつけ、縁の下の力持ちのような地味な存在にしているのはマスコミの大きな罪ではないか。マスコミこそ気概を持って、科学力の重要さを世に訴え続け、基礎科学を「日の当たる」ものにしていくべきではないのか!

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書評:・フリーライターとして稼いでいく方法、教えます

2016-10-04 09:37:27 | 書評:ビジネス
フリーライターとして稼いでいく方法、教えます。
クリエーター情報なし
実務教育出版

・肥沼和之

 本書は、全くの未経験者から、ライターになるためにはどうすれば良いのかを、著者の経験を基に示したものだ。

 私などは、フリーのライターに対する多少の憧れもあったのだが(おそらく、内田康夫さんの「浅見光彦シリーズ」の影響が強いと思う)、本書を読んでいくと、なかなか厳しいライター界の事情が垣間見え、たいへんな世界だなということを感じる。

 著者は、会社員だったときは300万円だった年収が、ライターになって800万円になったという。会社員時代の年収が低すぎるというのはさておき、この800万円というのは、どの時点の数字なのだろう。駆け出しのライターがいきなり800万円も稼げるわけはないので、現時点の数字だろうと思うが、ここは時間単価を知りたいところだ。
 
 この800万円という金額も、これだけを見ると、果たして稼いでいるといえるかどうかは微妙なところがあるのだが、編集プロや文壇バーとの兼業のようだから、かなりいい数字なのだろうか。もっとも兼業している仕事もライターの仕事に役立つだろうから、それらとの相互効果も結構あるのかもしれない。

 ライターの仕事で稼ごうと思えば、実績作りが大切だ。これにつけ込んで、ライターをタダで使おうとする連中もいるので気を付けなければいけない。著者の言う通り、その仕事を受けて、自分にどのようなメリットがあるかを考えないといけないのだろう。

 本書を読むと、一番大切なのは、編集者とのコネを築いていくかということのように思える。例えば、出版社にいきなり企画を送ってもけんもほろろといった扱いをされがちだが、編集者を通して提出すると、態度がずいぶんちがってくるらしい。

 これに加えて、自分ならではの専門性を持つことや、自分のスタイルを持つことも重要になってくる。いかに自分も売り込むのかといったことも大切だ。文章力自体は、訓練次第で上達するが、その前に何を書くかを企画する力も大切なようだ。

 著者は、ライターの醍醐味は、色々なところでの取材を通じて、非日常が体験できることだという。ヤ○ザの事務所に行ったことも貴重な経験だったというが、さすがに私はそんな経験はしたくない。ということは、私にはライターは無理なのか(笑)。でも、自分の専門性を活かした分野ならなんとか・・・。

 ただ、本書に書かれていることは、東京ならではのことも多いように思う。例えば地方では、編集者とコネを築こうにも回りにはそんな人なんていないのだから、かなりのハンデがあるだろう。しかし、最近のネットメディアの発達もあり、何らかの方法はありそうだ。地方在住者がもしライターを目指すなら、本書に書かれていることに加えて、更なる戦略が必要だろう。

☆☆☆

※本記事は、「風竜胆の書評」に掲載したものです。
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