文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

果たして電気は足りているか

2016-10-09 20:10:35 | オピニオン

 北海道新聞のサイトに、今日付で「訴える「さよなら原発」 札幌で集会 上田前市長ら演説」という記事が掲載されていた。札幌の大通公園で、8人がステージで演説して気勢を上げたらしい。残念なことに、有料でないと全文が読めないので、いろいろ探してみると、四国新聞のサイトに、昨日付で「泊原発再稼働に反対訴え/札幌市中心部でデモ」という記事が掲載されていた。

 主催者の発表によると、2500人(ホンマかいなと思うが)もの人間が、雨天にも拘わらず、大通公園からJR札幌駅まで約1キロを原発反対を唱えながらデモ行進したらしい。

 気になるのは、参加者の発言だ。「北海道の電気は足りている」と思っているらしいが、それは地元の電力会社がかなり無理をしている結果だということを理解しているのだろうか。一度火力発電所を見学してみるといい。どこも古く、鉄管にはサビが浮いており、よく動いているなと思う。全国的に原子力が止まっている今、どの電力会社も廃止にしてもおかしくないような古い火力発電所を使って、なんとか電気を供給しているのである。

 しかし、無理は永遠には続かないということは明らかだ。この状態がずっと続けば、今は動いている火力発電所もやがては動かなくなるだろう。その時になっても、果たして「電気は足りている」と言い張るのであろうか。

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あきれた瀬戸内氏の発言

2016-10-09 17:48:02 | オピニオン
 産経新聞によると、瀬戸内寂聴氏が、日本弁護士連合会のシンポジウムに寄せたビデオメッセージで、死刑制度を批判して、「殺したがるばかどもと戦ってください」と発言したそうだ。シンポジウムの担当者だった加毛修弁護士は、「死刑制度を含む国家の殺人のことであり、犯罪被害者へ向けられたものではないと考えている」と釈明したそうだが、これは犯罪被害者の感情を全く無視しているとしか言いようがない。

 日本では、終身刑がない。身内を殺した犯人は、死刑にならない限り、必ず出所してくるのだ。しかし、言われなく殺された人はもう帰っては来ない。こういった被害者の悲しみをどう考えるのか。

 おまけに刑罰の甘い日本では、死刑になるのはかなり悪質な殺人事件を起こしたような場合である。他人の人権を侵した者は、同程度自分の人権を制限されるというのは当然だろう。日本では「自力救済」は禁じられている。自分で手を下すことができない以上、死刑制度というのは必ずしも不合理なものとは言えない。

 もちろん、冤罪という問題があるのは事実だ。冤罪で犯人に仕立てられた者を死刑にしては取り返しがつかない。推定無罪の原則はしっかり貫かれるべきだ。しかし、犯人かどうかをまったく争う余地のないような犯罪もある。

 国にしても、好んで人を殺したがる訳ではないだろう。あらかじめ、こういうことをしたら死刑もありえますよと法にも定めているが、多くは常識的なことだ。何をしてはいけないのかは幼児でも分かる。死刑になるような原因を作ったのはいったい誰か。どれだけ人としてやってはいけないことをやったのか。そこのところをしっかり考えれば、瀬戸内氏のような発言は出てこないだろう。 

(追記)
 刑法を、国と個人との契約のようなものだと考えれば、あえて死刑になるようなことをするというのは完全に自己責任だと思う。被害者でもない第三者が、「死刑はけしからん」などと、つべこべ言うことではないだろう。
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