昨日の中国新聞に「日照不足陰る太陽光発電」という記事が掲載されていた。日照不足により、広島県内の太陽光発電所の9月の発電実績が軒並み、前年同月に比べて2~3割も落ち込んでいるというのだ。まさにお天気次第。これが太陽光の一番の欠点だろう。
電気というのは、発電量と需要が、瞬時、瞬時でぴったりと一致していなければならない。太陽光からの発生電力が不足するということは、その不足分を火力発電で調整する必要がある。
しかし、太陽光が増えすぎたらどうなるか。まさにお天気次第の発電方式だ。雨天などにはほとんど発電ができないケースも考えられる。そうすると、火力は、太陽光をカバーできるだけの設備を用意しなければならない。しかし太陽光がまともに動けば、火力は遊んでしまうことになり、無駄な設備を持つことにより、コストが高騰する。
火力にも問題がある。11月に発効する「パリ協定」への対応だ。「石炭利用拡大に関するIEA宣言」により、石油火力の新設が禁止されている現在、可能なのはLNGと石炭しかない。石炭は例えIGCC発電をしたところで、LNGコンバインドサイクルより二酸化炭素を発生してしまう。LNGコンバインドサイクルだって二酸化炭素フリーの発電方式ではないのだ。
鹿児島県に続いて、新潟県でも原子力に反対する知事が誕生したが、原子力が稼働しないと、二酸化炭素を削減することなどできはしない。それより恐ろしいのは、火力発電所がどんどん老朽化していき、慢性の電力不足に陥ることだ。
そもそも県知事の同意など法的には不要なはずだ。政府はきちんと法にもとずいて、粛々と原子力の再稼働を進めていくべきである。