文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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マンガ こんなに効く!英語多読多聴マニュアル

2017-04-05 10:01:37 | 書評:その他
【マンガ】こんなに効く! 英語多読多聴マニュアル
クリエーター情報なし
ベレ出版

・こいけかずとし

 本書は、通常の英語の参考書やテキストの類とは一線を隔していると言える。なぜなら、一応中学レベルの文法の解説はあるものの、本書に書かれているのは、英語が上達するにはどのようにすればいいかを解説した勉強法だからである。タイトルにある「マニュアル」というのはそのような意味だろう。

 ひとつ特筆しておきたいのは、本書は決して、学校英語を否定している訳ではない。教科書などで基礎知識をつけることは必要だが、それだけでは不十分で、多読によって英語に触れる量を増やす必要があると言っているのである。つまり、学校で教わる英語と多読というのは車の両輪のようなもので、英語を本当に身につけようと思ったら、これらをうまく組み合わせていく必要があるということなのである。

 しかし、多読しようにも、選んだ本が知らない単語ばかり出てくるようだったら、すぐにくじけてしまうだろう。だから、何を教材に選ぶかは、自分の実力を見定めて選ばなければならないのだ。本書では、レベルを0~6に分けて、どのような本を対象にすればいいのかが示されているので、読者にとっては良い参考になるものと思う。

 もっとも考えてみれば、学校以外での勉強が必要というのは、何も英語に限ったことではない。数学だって、理科だって、実力をつけようと思ったら、学校でやることだけでは不十分で、自分のレベルを見定めて、家でもどんどん学習を進めていかなければならないのだ。

 また、本書では、朗読音声の活用も勧めている。多読をする際のペースメーカーになったり、音声だけ聞いてヒアリングの練習もできるからだ。私たちが学生のころは、英語の音声を聴くというのはなかなか困難だった。せいぜいテレビやラジオの講座くらいしか、そんな機会はなかった。本当に便利な世の中になったものだ。

 ただ、多読というと、色々な本を次から次に読むというイメージがあるが、同じ本を何度も繰り返して読むという方法もあると思う。昔は英語の上達法として、同じ映画を何回も観るというものがあった。飽きが来なければ、まったく違うものを読んでいくよりは効果があると思うのだが。

(参考)私がレビューをあげた英語の作品(「本が好き!」にリンク)
Anne of Green Gables
The Casual Vacancy

☆☆☆☆

※初出は「本が好き!」です。

コメント
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