![]() | KanKanPress ほんのひとさじ vol.5 |
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書肆侃侃房 |
本書は、書肆侃侃房という、福岡に拠点を置いている出版社が発行する、著者と読者を繋ぐPR誌である。ところで読めるだろうか、この「書肆侃侃房」という出版社名。実は私も最初は読めなかった(笑)。「しょしかんかんぼう」と読むのだが、なかなか面白い本を発行している特徴ある出版社だ
出版不況と呼ばれるこの頃、地方の出版社が閉業したという話題も珍しくないなか、この出版社は、今年で創業15周年を迎えた。これを記念して、読者プレゼントが行われ、私も応募したのだが、見事落選。ところが、残念賞ということで、本が一冊とこのPR誌が送られてきたのだ。なんという太っ腹。
「vol.5」となっているから、これが5冊目ということだろうか。今回の特集は「まどろみ」。これをテーマに、この出版社が発行している色々な書籍の著者たちによる詩、エッセイ、短歌のみならずショートショートやイラストまでもが収められている。
読んでみると、同じ「まどろみ」という言葉をテーマにしていても、その料理の仕方は千差万別。人の感性や表現方法というものは、これほどの多様性をを持っているのかと感じさせてくれる。
私の場合、一年中眠くて暇があればまどろんでいる感じだが、ただただ惰眠を貪っているようで、これをテーマに何かかけて言われても、おそらく書けないだろう。物書きは、まどろんでいても、書くネタと見つけないといけないから大変だ。
それにしても、書肆侃侃房さん、まさかこれにレビューが付くとは思っていなかったかも(笑)。
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※初出は「風竜胆の書評」です。